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191. 姫は『伝わる』らしいです
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191. 姫は『伝わる』らしいです
無事に彩芽ちゃんとまた少しだけ距離を縮めたオレはすたライの収録をこなしたり、案件や雑件をこなしたりと年末の忙しい日々を送り、今日は12月31日。大晦日。
「今年ももう終わりですね。みなさん良いお年をお過ごしくださいね?来年は元日19:00からましろの配信があるので、おせちとかお雑煮食べながら観てくださいね~それでは姫宮ましろでした。またね~」
オレは今年最後の姫宮ましろの朝配信を終える。仕事納め的な感じだ。そしてそのままリビングに行くと、桃姉さんがビールを飲みながらパソコンで仕事をしていた。
「朝から贅沢だなおい」
「お疲れ様。別にいいじゃない、一応私たちマネージャーも休みなんだから」
「はいはい」
そんなやり取りをしていると彩芽ちゃんがリビングにやって来る。
「おはよう……ございます。あ。颯太さんお疲れ様でした」
「ああ。彩芽ちゃんおはよ。」
「ちょっと……ましのんてぇてぇしないでくれない?」
「どこがだよ!挨拶しただけだろ!」
それを聞いて、彩芽ちゃんは少し照れくさそうにしながら冷蔵庫から牛乳を取り出すとコップに注ぎ、それを一気に飲み干す。それがまた可愛らしい。
「ったく。今からスーパー行くけど、桃姉さんは年越しそば食べるだろ?具材何がいい?」
「え?いいわよ私は部屋で1人で食べるから。せっかく休みなんだから2人でゆっくりしたらいいじゃない」
「あの……桃さんも一緒のほうがいいです。それに……部外者は私のほうですし」
「そんなことないよ彩芽ちゃん。ほら彩芽ちゃんもこう言ってるんだから、桃姉さんは適当につまめるもの作っておいて」
「え~……飲んじゃったしそれも買ってきなさいよ颯太」
本当にこの人は……とりあえず支度をして家を出ようとしていると、彩芽ちゃんがやってくる。
「あの……私も……一緒にいきます」
「いいの?せっかくの休みなんだからゆっくりしてて大丈夫だよ」
「その……颯太さんと……買い物デート……したいです」
「おっおう!なら一緒にいこう!」
そして、彩芽ちゃんと手を繋いで近くのスーパーまで歩いていく。ただ、スーパーで買い物をするだけなのに『買い物デート』と言ってくれる彩芽ちゃんはやっぱり可愛い。
「颯太さん……お料理できるんですか?」
「それなりにね。ほら桃姉さんが仕事で忙しかったからさ、学生の時は良く作ってたよ。最近は出前とかが多くなってるけどさ?年越しそばくらいは作るよ」
「あの……お手伝いします」
「うん。それじゃ一緒に作ろうか」
そんな話をしているうちに目的のスーパーに到着する。まずは蕎麦を購入。そして必要な食材をカゴに入れていく。ちなみに海老の天ぷらを選んでいる時の彩芽ちゃんは真剣な表情だった。
会計を済ませて外に出ると、冷たい風が頬を撫でる。寒い……
すると、彩芽ちゃんはオレの手を握る。突然の出来事に驚いて彩芽ちゃんの顔を見ると、寒さで赤くなっていた顔がさらに真っ赤になっていた。
オレは握られた手に力を入れて、その小さな手を強く握り返す。そして、その小さくて柔らかい手を引いて歩き出す。
「彩芽ちゃん。大きな海老天買えて良かったな?」
「はい。すごく美味しそうだったので……」
「確かに。今年の年越しそばは美味しいだろうな。……好きな人と一緒に作って食べるからさ」
「……はい。楽しみです」
オレたちはお互いに笑い合う。そしてそのまま手を繋いだまま家に帰る。その間はいつものように会話はない。それでも握った手から伝わる温もりが、お互いの気持ちを伝えてくれているような気がして幸せな気持ちになった。
無事に彩芽ちゃんとまた少しだけ距離を縮めたオレはすたライの収録をこなしたり、案件や雑件をこなしたりと年末の忙しい日々を送り、今日は12月31日。大晦日。
「今年ももう終わりですね。みなさん良いお年をお過ごしくださいね?来年は元日19:00からましろの配信があるので、おせちとかお雑煮食べながら観てくださいね~それでは姫宮ましろでした。またね~」
オレは今年最後の姫宮ましろの朝配信を終える。仕事納め的な感じだ。そしてそのままリビングに行くと、桃姉さんがビールを飲みながらパソコンで仕事をしていた。
「朝から贅沢だなおい」
「お疲れ様。別にいいじゃない、一応私たちマネージャーも休みなんだから」
「はいはい」
そんなやり取りをしていると彩芽ちゃんがリビングにやって来る。
「おはよう……ございます。あ。颯太さんお疲れ様でした」
「ああ。彩芽ちゃんおはよ。」
「ちょっと……ましのんてぇてぇしないでくれない?」
「どこがだよ!挨拶しただけだろ!」
それを聞いて、彩芽ちゃんは少し照れくさそうにしながら冷蔵庫から牛乳を取り出すとコップに注ぎ、それを一気に飲み干す。それがまた可愛らしい。
「ったく。今からスーパー行くけど、桃姉さんは年越しそば食べるだろ?具材何がいい?」
「え?いいわよ私は部屋で1人で食べるから。せっかく休みなんだから2人でゆっくりしたらいいじゃない」
「あの……桃さんも一緒のほうがいいです。それに……部外者は私のほうですし」
「そんなことないよ彩芽ちゃん。ほら彩芽ちゃんもこう言ってるんだから、桃姉さんは適当につまめるもの作っておいて」
「え~……飲んじゃったしそれも買ってきなさいよ颯太」
本当にこの人は……とりあえず支度をして家を出ようとしていると、彩芽ちゃんがやってくる。
「あの……私も……一緒にいきます」
「いいの?せっかくの休みなんだからゆっくりしてて大丈夫だよ」
「その……颯太さんと……買い物デート……したいです」
「おっおう!なら一緒にいこう!」
そして、彩芽ちゃんと手を繋いで近くのスーパーまで歩いていく。ただ、スーパーで買い物をするだけなのに『買い物デート』と言ってくれる彩芽ちゃんはやっぱり可愛い。
「颯太さん……お料理できるんですか?」
「それなりにね。ほら桃姉さんが仕事で忙しかったからさ、学生の時は良く作ってたよ。最近は出前とかが多くなってるけどさ?年越しそばくらいは作るよ」
「あの……お手伝いします」
「うん。それじゃ一緒に作ろうか」
そんな話をしているうちに目的のスーパーに到着する。まずは蕎麦を購入。そして必要な食材をカゴに入れていく。ちなみに海老の天ぷらを選んでいる時の彩芽ちゃんは真剣な表情だった。
会計を済ませて外に出ると、冷たい風が頬を撫でる。寒い……
すると、彩芽ちゃんはオレの手を握る。突然の出来事に驚いて彩芽ちゃんの顔を見ると、寒さで赤くなっていた顔がさらに真っ赤になっていた。
オレは握られた手に力を入れて、その小さな手を強く握り返す。そして、その小さくて柔らかい手を引いて歩き出す。
「彩芽ちゃん。大きな海老天買えて良かったな?」
「はい。すごく美味しそうだったので……」
「確かに。今年の年越しそばは美味しいだろうな。……好きな人と一緒に作って食べるからさ」
「……はい。楽しみです」
オレたちはお互いに笑い合う。そしてそのまま手を繋いだまま家に帰る。その間はいつものように会話はない。それでも握った手から伝わる温もりが、お互いの気持ちを伝えてくれているような気がして幸せな気持ちになった。
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