上 下
186 / 640

165. 『どっちのましろでSHOW!』配信③

しおりを挟む
165. 『どっちのましろでSHOW!』配信③



 続いては4期生の番だな。というより、4期生には荷が重いのでは?同期とはいえ、ジャンヌちゃんとまだ1ヶ月間しか活動していないわけだし……。

「ましろ先輩。次4期生なんですけど、少し変わった方法で当ててもらおうかと思います」

 《どんな方法?》

「はい。凸したら私がましろ先輩として話していくので、途中でバレるかどうかやってみます。」

 《なるほど。それならさ、途中で本当に代わらない?その方が面白いよ?》

「確かに。なんか、ましろ先輩の初めましてが私の配信で4期生に申し訳ないですね……もちろんましろ先輩にも」

 《ましろは気にしないから。それにこれが配信者、Vtuberの仕事だからさ。とりあえず『お水飲んでもいい?』を合図にしよっか》

 コメント
『神企画きた』
『ドッキリ』
『ジャンヌちゃん頑張れ!』

「では……まずは八神えるるちゃんからいきますね……あ。……もしもし?」

 《え?》

「今配信してます。自己紹介お願いできるかな?」

 《あ。配信?あー、えっと……やっほー、元気足りてる?みんなの応援団長ことFmすたーらいぶ4期生の八神えるるです》

 コメント
『姫じゃんw』
『マジで似てるw』
『バレなそうw』

「えるるちゃんありがとう。今ねデビューした4期生に挨拶してるの。初めまして姫宮ましろです」

 《あ。あっ初めまして……あれ?姫先輩のディスコード壊れてませんか?2人いますけど……》

「なんか今日は直らないみたい。気にしないでね。えるるちゃんは憧れてる先輩とかいるのかな?」

 《います!姫先輩とキサラ先輩です!だから今めっちゃ心臓ヤバいです!》

 コメント
『博士にも憧れてるのか』
『えるるちゃん可愛いな』
『団長元気くれ』

「ありがとう。良かったら詳しく教えてくれる?」

 《はい!あのですね。アタシはゲームも絵も歌も下手で。でも好きなんですよ。それでもVtuberとしてデビューしたからには、みんなに楽しんでもらいたいし、応援してもらいたくて。だからせめて雑談配信を上手くなりたくて。姫先輩とキサラ先輩は雑談配信面白いし、本当に尊敬してます!》

「そっか。そうなるように……うぅん。一緒に頑張っていこうねえるるちゃんw」

 《は?え?まし……お~い!ジャンヌちゃんじゃん!焦った~……なんだよ~!驚かせないでよw》

 コメント
『草』
『ジャンヌちゃんのフリ完璧だな』
『バレなかったなw』

「ごめんね。このままだとバレなそうだったから。私から言っちゃったw」

 《本当にびっくりした。おかしいと思ったんだよ、いきなり会ったことない話したことない姫先輩からディスコードくるんだもん!良く考えたらそんなことあり得ないよねw》

「実際ましろ先輩と話す機会があったら何話したいの?」

 《え?そうだなぁ……毎日配信観てます!ホワイトプリンセス聴いてます!かなぁ。もうFmすたーらいぶの2大巨頭だからそんな機会かなり先だと思うけどさ?》

「ここ切り抜かれるといいね?ちょっと『お水飲んでもいい?』」

 《あっうん。いいよ》

 コメント
『来たぞ』
『えるるちゃんドッキリ』
『どうなるんだw』

 《ありがとね。えるるちゃん》 

 《え?もう真似しなくていいってジャンヌちゃんw》

 《姫宮ましろの声に似てるかな?》

 《うん。似てるよ。っていうかこれ姫先輩に許可とって……ん?あれ?さっきこっちのアイコン光ってたっけ?》

 《さっきは違うかなw》

「さっきのは私だから」

 《え……ちょ……え?ちょっと待って……え?》

 《初めまして。姫宮ましろです》

 《待ってぇぇぇぇぇ!!うえぇぇぇぇぇぇぇ!!ちょっと!!ヤダ!!》

 コメント
『限界化したなw』
『大草原w』
『最高』

 《うわーん。もう配信終わります!》

「ごめんごめん。えるるちゃん」

 《え……あ……本物……ですか?》

 《本物だよw》

 《あ。あの……八神えるるです……いつも配信観てます……なんかすいません……》

 《これはコミュ障陰キャ女おつだねw》

 コメント
『それはかのんたんのw』
『がんばれ』
『本当にすこ』

「ごめんね急に。えるるちゃんありがとね」

 《なんかこんなんで大丈夫なのかな?本当に今でも心臓バクバク言ってるんだけど……》

 《えるるちゃん。こっちはコメント欄が大盛り上がりしてるから大丈夫だよw》

 《それなら良かったです!今度はアタシとコラボしてください!ではまた》

 コメント
『楽しかった』
『予想通りの反応助かるw』
『えるるちゃん可愛かった』

 《優しい同期で良かったねジャンヌちゃん》

「はい。本当にありがとう、えるるちゃん」

 予想通りの反応にリスナーも満足だろう。『姫宮ましろ』と話すだけで、緊張してしまうのは無理もないけど。ただそこまでの存在になれていることを嬉しく思うし、先輩として頑張ろうという気持ちになるよな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】エンディングのその後~ヒロインはエンディング後に翻弄される~

かのん
恋愛
 え?これは、悪役令嬢がその後ざまぁする系のゲームですか?それとも小説ですか?  明らかに乙女ゲームのような小説のような世界観に生まれ変わったヒロインポジションらしきソフィア。けれどそれはやったことも、読んだこともない物語だった。  ソフィアは予想し、回避し、やっと平和なエンディングにたどり着いたと思われたが・・・  実は攻略対象者や悪役令嬢の好感度を総上げしてしまっていたヒロインが、翻弄される物語。最後は誰に捕まるのか。  頭をからっぽにして、時間あるし読んでもいいよーという方は読んでいただけたらと思います。ヒロインはアホの子ですし、コメディタッチです。それでもよければ、楽しんでいただければ幸いです。  初めの土日は二話ずつ更新。それから毎日12時更新です。完結しています。短めのお話となります。  感想欄はお返事が出来ないのが心苦しいので閉じてあります。豆腐メンタルの作者です。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi
恋愛
第二王女のレアンヌは、母親が元男爵令嬢で国王の愛人だったことから、王妃や異母姉、さらには父親でもある国王からも冷遇されていた。 母を殺され、たった1人で生きてきたレアンヌだが、動物たちに支えられ、ひっそりと暮らしていた。そんな中、王族に珍しく呼び出された。 どうやら長きにわたり続いていた戦争に終止符を打った我が国の英雄、アントニオの元に嫁げという命令だった。 話を聞くと、この戦争を終わらせることが出来た人物には、公爵位と好きな領地、さらに娘でもある王女を嫁にやると陛下が公言していたそうだ。 ただアントニオは恐ろしいほど強い反面、平民出身なうえ、鉄の仮面を被った不愛想な男性との事。異母姉でもあるカトレナがそんな男に嫁ぐのは嫌だと言ったため、レアンヌに白羽の矢が立ったのだ。 もちろん、彼女には断る権限などない。有無も言わさず、彼の元に嫁ぐことになったレアンヌ。 そんな彼女を待ち受けていたのは… 動物たちに支えられ人間の温もりをほとんど知らないレアンヌと、悲しい過去を抱え、ただ平和だけを願って戦い続けて来た国の英雄アントニオが、本当の夫婦になり幸せを掴むまでのお話しです。 10万文字程度、ご都合主義強めのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

公爵家に生まれて初日に跡継ぎ失格の烙印を押されましたが今日も元気に生きてます!

小択出新都
ファンタジー
 異世界に転生して公爵家の娘に生まれてきたエトワだが、魔力をほとんどもたずに生まれてきたため、生後0ヶ月で跡継ぎ失格の烙印を押されてしまう。  跡継ぎ失格といっても、すぐに家を追い出されたりはしないし、学校にも通わせてもらえるし、15歳までに家を出ればいいから、まあ恵まれてるよね、とのんきに暮らしていたエトワ。  だけど跡継ぎ問題を解決するために、分家から同い年の少年少女たちからその候補が選ばれることになり。  彼らには試練として、エトワ(ともたされた家宝、むしろこっちがメイン)が15歳になるまでの護衛役が命ぜられることになった。  仮の主人というか、実質、案山子みたいなものとして、彼らに護衛されることになったエトワだが、一癖ある男の子たちから、素直な女の子までいろんな子がいて、困惑しつつも彼らの成長を見守ることにするのだった。

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

転生皇太子は、虐待され生命力を奪われた聖女を救い溺愛する。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

悪役のはずだった二人の十年間

海野璃音
BL
 第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。  破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。  ※ムーンライトノベルズにも投稿しています。

悪意か、善意か、破滅か

野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。 婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、 悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。 その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。

処理中です...