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127. 『ましポん48』~オフパート 支えるということ~
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127. 『ましポん48』~オフパート 支えるということ~
時間は13時45分。彩芽ちゃんの配信が終わり、次は日咲さんの配信『緊急!Fmすたーらいぶグッズ企画会議』になる。そのあとはオレと彩芽ちゃんも参加する『第一回姫宮ましろ選手権』だ。
48時間という配信も残り時間があと7時間と迫ってきている。最初はどうなることかと思ったが何とか最後までやり遂げられそうだ。そんなことを考えていると、部屋に日咲さんがやってくる。
「どうした?」
「颯太お腹空いてない?」
「え?まぁ。そうだな今日はまだ何も食べてないからな……でも日咲さんはこのあと配信だろ?」
「あたしは食べたよ?彩芽ちゃんが配信終わったらコンビニに行くって言ってたからさ?ほら……ご飯食べに行ってきたら?あたしの配信の次は2人の配信だから、時間はあまりないけど少しくらいゆっくりできるでしょ?」
そう日咲さんは言う。なんでこんなにもお節介なのかは分からないが、確かにコンビニでご飯を買うのなら、彩芽ちゃんを誘ってもいいかもな。オレは部屋を出て、隣にいる彩芽ちゃんの部屋をノックする。
コンコン……。するとドアが開かれ、彩芽ちゃんが出てくる。
「あ。颯太さん?」
「あのさ。彩芽ちゃん今からお昼だろ?良かったら一緒にどこか食べに行かない?」
「え?……いいんですか……?」
「もちろん。1時間くらいしかないから、そんなにゆっくり出来ないけどさ。ラーメンとか牛丼屋とかで良ければ」
「はい。行きます。あ……あの……少しだけ……待っててください……」
そう言うと扉を閉め、またすぐに扉が開かれる。するとさっきまでのラフな格好とは違い、夏らしいワンピース姿の彩芽ちゃんが現れる。可愛いな。
わざわざ着替えてくれると言うことは少しでもオレのことを異性として見てくれてるんだな。とか思ったりもする。
そして近所のラーメン屋さんまで歩いて向かう。外は残暑が厳しく、まだ暑い。そんな中、2人で並んで歩く。特に会話はないが、沈黙も気まずくはない。むしろ心地よい。
ラーメン屋さんに着くと、カウンター席に座り注文をする。彩芽ちゃんはいつも通り大盛りを頼んでいた。
「ごめん。ラーメンで」
「いえ。私ラーメン好きです」
「そっか。良かった。そう言えば次の配信は『第一回姫宮ましろ選手権』だけど大丈夫?」
「?……それは……私が負けるかもって……心配ですか?」
「運営から問題もらったけど、本人のオレですら半分くらいしか覚えてなかったよ?」
「大丈夫です。ましろん先輩のことで分からないことは、ほとんどないので」
それは頼もしい限りだけどな。確かに彩芽ちゃんが『姫宮ましろ』のことで誰かより知らないことなどありえるはずがないよな。
「彩芽ちゃん。そろそろ『双葉かのん』の1周年だな。」
「はい。長いようで……短かったです。特に……ましろん先輩と……颯太さんと出会ってからは」
そう言いながら笑顔を見せる彼女を見て、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に陥る。そして店員さんの『いらっしゃいませ』という元気の良い声で現実に引き戻される。
「あ……。そうだ!彩芽ちゃんの1周年もそうだけど、公式ホームページで4期生の募集も始まったよな。また新しい仲間が増える。彩芽ちゃんも先輩だぞ?」
「嬉しいことですけど……すごく……緊張します……」
「彩芽ちゃんはいつも緊張してるけどな。まぁそれももう慣れたけどさ?オレは『双葉かのん』のマネージャーでもあるからさ?」
「はい……」
少し恥ずかしそうにする彩芽ちゃん。でも心から思う。Fmすたーらいぶはこれから。それこそ彩芽ちゃんがいずれは引っ張っていくようなトップVtuberになると思うと嬉しくもあるから。だからオレは彩芽ちゃんを支えてやりたい。それは……仕事仲間としてじゃなく……だ。
時間は13時45分。彩芽ちゃんの配信が終わり、次は日咲さんの配信『緊急!Fmすたーらいぶグッズ企画会議』になる。そのあとはオレと彩芽ちゃんも参加する『第一回姫宮ましろ選手権』だ。
48時間という配信も残り時間があと7時間と迫ってきている。最初はどうなることかと思ったが何とか最後までやり遂げられそうだ。そんなことを考えていると、部屋に日咲さんがやってくる。
「どうした?」
「颯太お腹空いてない?」
「え?まぁ。そうだな今日はまだ何も食べてないからな……でも日咲さんはこのあと配信だろ?」
「あたしは食べたよ?彩芽ちゃんが配信終わったらコンビニに行くって言ってたからさ?ほら……ご飯食べに行ってきたら?あたしの配信の次は2人の配信だから、時間はあまりないけど少しくらいゆっくりできるでしょ?」
そう日咲さんは言う。なんでこんなにもお節介なのかは分からないが、確かにコンビニでご飯を買うのなら、彩芽ちゃんを誘ってもいいかもな。オレは部屋を出て、隣にいる彩芽ちゃんの部屋をノックする。
コンコン……。するとドアが開かれ、彩芽ちゃんが出てくる。
「あ。颯太さん?」
「あのさ。彩芽ちゃん今からお昼だろ?良かったら一緒にどこか食べに行かない?」
「え?……いいんですか……?」
「もちろん。1時間くらいしかないから、そんなにゆっくり出来ないけどさ。ラーメンとか牛丼屋とかで良ければ」
「はい。行きます。あ……あの……少しだけ……待っててください……」
そう言うと扉を閉め、またすぐに扉が開かれる。するとさっきまでのラフな格好とは違い、夏らしいワンピース姿の彩芽ちゃんが現れる。可愛いな。
わざわざ着替えてくれると言うことは少しでもオレのことを異性として見てくれてるんだな。とか思ったりもする。
そして近所のラーメン屋さんまで歩いて向かう。外は残暑が厳しく、まだ暑い。そんな中、2人で並んで歩く。特に会話はないが、沈黙も気まずくはない。むしろ心地よい。
ラーメン屋さんに着くと、カウンター席に座り注文をする。彩芽ちゃんはいつも通り大盛りを頼んでいた。
「ごめん。ラーメンで」
「いえ。私ラーメン好きです」
「そっか。良かった。そう言えば次の配信は『第一回姫宮ましろ選手権』だけど大丈夫?」
「?……それは……私が負けるかもって……心配ですか?」
「運営から問題もらったけど、本人のオレですら半分くらいしか覚えてなかったよ?」
「大丈夫です。ましろん先輩のことで分からないことは、ほとんどないので」
それは頼もしい限りだけどな。確かに彩芽ちゃんが『姫宮ましろ』のことで誰かより知らないことなどありえるはずがないよな。
「彩芽ちゃん。そろそろ『双葉かのん』の1周年だな。」
「はい。長いようで……短かったです。特に……ましろん先輩と……颯太さんと出会ってからは」
そう言いながら笑顔を見せる彼女を見て、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に陥る。そして店員さんの『いらっしゃいませ』という元気の良い声で現実に引き戻される。
「あ……。そうだ!彩芽ちゃんの1周年もそうだけど、公式ホームページで4期生の募集も始まったよな。また新しい仲間が増える。彩芽ちゃんも先輩だぞ?」
「嬉しいことですけど……すごく……緊張します……」
「彩芽ちゃんはいつも緊張してるけどな。まぁそれももう慣れたけどさ?オレは『双葉かのん』のマネージャーでもあるからさ?」
「はい……」
少し恥ずかしそうにする彩芽ちゃん。でも心から思う。Fmすたーらいぶはこれから。それこそ彩芽ちゃんがいずれは引っ張っていくようなトップVtuberになると思うと嬉しくもあるから。だからオレは彩芽ちゃんを支えてやりたい。それは……仕事仲間としてじゃなく……だ。
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