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82. チャンネル登録者10万人への熱い夏⑦
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82. チャンネル登録者10万人への熱い夏⑦
そして時間は21時。タイムリミットまでは残り1時間。オレはパソコンの設定をいつものように直しながら、持ってきたマイクを繋ぎ調整をする。玲奈ちゃんはそんなオレの様子すら気にならないくらい呆然としている。
コメント
『ソフィたん?』
『どうしたんだ?』
『大丈夫かな?』
「……」
コメント欄がざわつき始めるが、玲奈ちゃんはまだ俯いたままだ。きっと不安なんだろう。だけど……ここで諦めたら彼女はもう二度『葉桐ソフィア』ではいられなくなる。そんなことは絶対にさせない。だからこそ、オレが背中を押してやる。
オレは深呼吸をして、マイクのスイッチをONにする。
「……こんばんは。ソフィアちゃんの10万人耐久歌枠配信を観ているみんな。姫宮ましろです」
コメント
『おお?きたあああぁ!姫だ!』
『おい。ましろ姫来たぞ』
『え?どういうこと?』
すると玲奈ちゃんは声は出さないが驚きながらオレを見る。そんな玲奈ちゃんを見てそのまま話を続ける。
「ソフィアちゃん。良く頑張ったね。でもね、ここまで来るのに本当に多くのリスナーさんが協力してくれたんだよ。もちろんFmすたーらいぶのメンバーもさ。だから……最後までましろや他のみんなに応援させて」
「……そ……姫先輩……」
「そして今ね。1期生はリリィさんの配信、2期生はさくらちゃんの配信、3期生はオフコラボ配信で集まって、ソフィアちゃんの配信を観て応援してくれてるんだよ?」
~同時間 魔月リリィの配信~
「みんな少しだけいいかしら?今日はね。裏でソフィアが耐久配信してるからそれを応援するわ。あっ来た。こんばんは」
《こんばんは~。ひなたでーす》
《ポアロ探偵もいるよ!》
コメント
『おお!ひなちゃんとポアロ探偵来た!』
『1期生集合?』
『ソフィたんの配信に姫おる!』
「私からのお願い。もし端末が2つある人や配信を観れる人はソフィアの配信を観てほしいわ。ましろが歌うから、私たちと一緒に歌ってソフィアを応援してほしい」
~同時間 遠山さくらの配信~
「おう!揃ったな!」
《こんばんは。トマト食べてる?黒夜ルナです》
《遠山警察不正捜査の被害者伊集院クララですわ》
《どうも輝聖いのりです。今日は他の仕事で応援できなかったので、一生懸命歌います》
コメント
『まさかの2期生集合w』
『自由人たちが良く集まった』
『姫がソフィたんといる!』
『まさか……いのピンが聞けるなんて』
「そうだぜい。ソフィアの配信観れるやつは観てな!これからましろん先輩がソフィアと一緒に歌うからよ。Fmすたーらいぶのメンバー全員で最後の応援をするぜい!みんなも一緒に歌って応援してくれい!」
~同時間 3期生オフコラボ配信~
「さぁみんな!一緒にソフィアちゃんを応援するわよ!」
「お願い。最後までよろしく!」
「ココアも一生懸命歌うよ!」
コメント
『おお!3期生も気合い入ってるぞ!』
『がんばれ!』
『ソフィアちゃんのチャンネル登録しに行こ』
「ソフィアちゃんのチャンネル登録お願いします!みんなでましろん先輩と歌おう!かのんも頑張るから!」
~葉桐ソフィア10万人耐久歌枠配信~
コメント
『本当だ!みんな集まってる』
『Fmすたーらいぶ全員集合!』
『ソフィアちゃん頑張れ』
『ソフィ友も歌うぞ!』
『初見さん登録してくれ!』
『頼む!』
「みんな……」
「大丈夫。メンバーもリスナーさんも10万人いくって信じてるから。ソフィアちゃんも一緒に歌って。そして……みんなでその瞬間を迎えよう!それじゃ聞いてください『ホワイトプリンセス』」
そして前奏が始まり、オレは歌いだす。今、この瞬間他の配信でもみんなが歌ってくれている。それこそ配信を観ているリスナーも。その想いを込めてオレは精一杯歌う。玲奈ちゃんにも伝わるように。その想いが届いたのか、玲奈ちゃんはゆっくりと立ち上がり、そして一緒に歌い始める。
その間にも葉桐ソフィアのチャンネル登録者はどんどん増えていく。それはまるで全員の歌がソフィアちゃんを支えているようで、彼女の瞳には輝きが戻っていた。
コメント
『ソフィアちゃんの声綺麗』
『これだよ!』
『頑張れソフィたん!』
何時間歌ってきただろうか、もう喉も限界だろう。それでもオレの目の前にいるたった高校生の少女は『葉桐ソフィア』として最後の一曲を歌いきった。
その瞬間がくる……。
きっと配信画面を全員が観ているだろう『葉桐ソフィア』は無事にチャンネル登録者10万人を達成した。
コメント
『おめでとう!ソフィたん』
『10万人達成!!』
『最高だったよソフィアちゃん!』
『感動しました』
『ソフィ友で良かった!』
その言葉を見た玲奈ちゃんは、緊張の糸が切れたのかそのまま床に座り込んでしまった。オレはすぐに駆け寄り、彼女を立たせるとそのまま抱き寄せる。彼女の目からは大粒の涙が流れており、嗚咽を漏らしていた。オレはそのまま頭を撫でてやり、優しく声を掛ける。
「良く頑張ったねソフィアちゃん」
すると玲奈ちゃんはオレの顔を見上げてこう言った。それはオレにではなく、姫宮ましろに向けての言葉だった。
「姫先輩……ソフィア……必ず姫先輩に追いつきますから!これからも……よろしくお願いします!ソフィ友のみんな~!ソフィアやったよ~!応援してくれたFmすたーらいぶのみんな、リスナーさん本当にありがとう!」
時間は21時25分。こうして玲奈ちゃんこと『葉桐ソフィア』はFmすたーらいぶ史上最速で、チャンネル登録者10万人を達成したのだった。
そして時間は21時。タイムリミットまでは残り1時間。オレはパソコンの設定をいつものように直しながら、持ってきたマイクを繋ぎ調整をする。玲奈ちゃんはそんなオレの様子すら気にならないくらい呆然としている。
コメント
『ソフィたん?』
『どうしたんだ?』
『大丈夫かな?』
「……」
コメント欄がざわつき始めるが、玲奈ちゃんはまだ俯いたままだ。きっと不安なんだろう。だけど……ここで諦めたら彼女はもう二度『葉桐ソフィア』ではいられなくなる。そんなことは絶対にさせない。だからこそ、オレが背中を押してやる。
オレは深呼吸をして、マイクのスイッチをONにする。
「……こんばんは。ソフィアちゃんの10万人耐久歌枠配信を観ているみんな。姫宮ましろです」
コメント
『おお?きたあああぁ!姫だ!』
『おい。ましろ姫来たぞ』
『え?どういうこと?』
すると玲奈ちゃんは声は出さないが驚きながらオレを見る。そんな玲奈ちゃんを見てそのまま話を続ける。
「ソフィアちゃん。良く頑張ったね。でもね、ここまで来るのに本当に多くのリスナーさんが協力してくれたんだよ。もちろんFmすたーらいぶのメンバーもさ。だから……最後までましろや他のみんなに応援させて」
「……そ……姫先輩……」
「そして今ね。1期生はリリィさんの配信、2期生はさくらちゃんの配信、3期生はオフコラボ配信で集まって、ソフィアちゃんの配信を観て応援してくれてるんだよ?」
~同時間 魔月リリィの配信~
「みんな少しだけいいかしら?今日はね。裏でソフィアが耐久配信してるからそれを応援するわ。あっ来た。こんばんは」
《こんばんは~。ひなたでーす》
《ポアロ探偵もいるよ!》
コメント
『おお!ひなちゃんとポアロ探偵来た!』
『1期生集合?』
『ソフィたんの配信に姫おる!』
「私からのお願い。もし端末が2つある人や配信を観れる人はソフィアの配信を観てほしいわ。ましろが歌うから、私たちと一緒に歌ってソフィアを応援してほしい」
~同時間 遠山さくらの配信~
「おう!揃ったな!」
《こんばんは。トマト食べてる?黒夜ルナです》
《遠山警察不正捜査の被害者伊集院クララですわ》
《どうも輝聖いのりです。今日は他の仕事で応援できなかったので、一生懸命歌います》
コメント
『まさかの2期生集合w』
『自由人たちが良く集まった』
『姫がソフィたんといる!』
『まさか……いのピンが聞けるなんて』
「そうだぜい。ソフィアの配信観れるやつは観てな!これからましろん先輩がソフィアと一緒に歌うからよ。Fmすたーらいぶのメンバー全員で最後の応援をするぜい!みんなも一緒に歌って応援してくれい!」
~同時間 3期生オフコラボ配信~
「さぁみんな!一緒にソフィアちゃんを応援するわよ!」
「お願い。最後までよろしく!」
「ココアも一生懸命歌うよ!」
コメント
『おお!3期生も気合い入ってるぞ!』
『がんばれ!』
『ソフィアちゃんのチャンネル登録しに行こ』
「ソフィアちゃんのチャンネル登録お願いします!みんなでましろん先輩と歌おう!かのんも頑張るから!」
~葉桐ソフィア10万人耐久歌枠配信~
コメント
『本当だ!みんな集まってる』
『Fmすたーらいぶ全員集合!』
『ソフィアちゃん頑張れ』
『ソフィ友も歌うぞ!』
『初見さん登録してくれ!』
『頼む!』
「みんな……」
「大丈夫。メンバーもリスナーさんも10万人いくって信じてるから。ソフィアちゃんも一緒に歌って。そして……みんなでその瞬間を迎えよう!それじゃ聞いてください『ホワイトプリンセス』」
そして前奏が始まり、オレは歌いだす。今、この瞬間他の配信でもみんなが歌ってくれている。それこそ配信を観ているリスナーも。その想いを込めてオレは精一杯歌う。玲奈ちゃんにも伝わるように。その想いが届いたのか、玲奈ちゃんはゆっくりと立ち上がり、そして一緒に歌い始める。
その間にも葉桐ソフィアのチャンネル登録者はどんどん増えていく。それはまるで全員の歌がソフィアちゃんを支えているようで、彼女の瞳には輝きが戻っていた。
コメント
『ソフィアちゃんの声綺麗』
『これだよ!』
『頑張れソフィたん!』
何時間歌ってきただろうか、もう喉も限界だろう。それでもオレの目の前にいるたった高校生の少女は『葉桐ソフィア』として最後の一曲を歌いきった。
その瞬間がくる……。
きっと配信画面を全員が観ているだろう『葉桐ソフィア』は無事にチャンネル登録者10万人を達成した。
コメント
『おめでとう!ソフィたん』
『10万人達成!!』
『最高だったよソフィアちゃん!』
『感動しました』
『ソフィ友で良かった!』
その言葉を見た玲奈ちゃんは、緊張の糸が切れたのかそのまま床に座り込んでしまった。オレはすぐに駆け寄り、彼女を立たせるとそのまま抱き寄せる。彼女の目からは大粒の涙が流れており、嗚咽を漏らしていた。オレはそのまま頭を撫でてやり、優しく声を掛ける。
「良く頑張ったねソフィアちゃん」
すると玲奈ちゃんはオレの顔を見上げてこう言った。それはオレにではなく、姫宮ましろに向けての言葉だった。
「姫先輩……ソフィア……必ず姫先輩に追いつきますから!これからも……よろしくお願いします!ソフィ友のみんな~!ソフィアやったよ~!応援してくれたFmすたーらいぶのみんな、リスナーさん本当にありがとう!」
時間は21時25分。こうして玲奈ちゃんこと『葉桐ソフィア』はFmすたーらいぶ史上最速で、チャンネル登録者10万人を達成したのだった。
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