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2. 王立魔法学院
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2. 王立魔法学院
時間は早朝7時。オレはいつものように起こされる。
「お兄ちゃん、朝だよ起きて!」
今日も相変わらず可愛い声を聞き、眠い目をこすりながら体を起こす。仕事のあとはいつもこうだ。でも仕方がない。仕事を終えて夜中に帰ったオレはシャワーも浴びずに寝落ちした。そのままソファーの上で寝てしまい、今に至る。
「大丈夫?」
「ああ。それよりエミリーのほうこそ体調大丈夫なのか?」
「うん。今日はすごく体調がいいの、心配しないで」
エミリー=バーライト。オレの妹で唯一の家族だ。そしてオレの癒しの天使。生まれつき身体が弱く、あまり外に出ることができない。身寄りがいないオレとエミリーの生活を保つにはあの仕事をするしか選択肢がなかった。
「そうか……ならいいけどさ」
「朝ごはん作ったんだよ。一緒に食べよう?」
「ああ。その前にシャワーを浴びてくるよ」
オレはエミリーの頭を撫でて、部屋を出てシャワーを浴び、一緒に朝食を食べることにする。
「今日はお兄ちゃんの好きなフレンチトーストを作ったの!」
「マジか! ありがとうな」
「いえいえどういたしまして」
そう言って嬉しそうな顔をするエミリー。本当に可愛いと思う。それに料理だってできるし将来は美人間違いなしだし優しい。自慢の妹だと思う。ただ一つだけ欠点があるとすれば……
「おいしくない?私が作ったフレンチトースト」
少しムスッとした表情になるエミリー。
「いやいや超おいしいぜ! ほらこの通り完食したろ?」
「もう……。素直に美味しいって言えばいいじゃない。お兄ちゃんの意地悪!」
こんな感じですぐ拗ねるのだ。オレはその仕草を見る度に愛おしさを感じてしまう。そんな感情を抱きながらもオレ達は朝食を食べ終える。
「あのさお兄ちゃん……ごめんね。私のせいで、いつも危険な仕事をさせちゃって……」
「謝るのは、なしって言っただろ?別に給料はいいし、危険といってもオレにとっては大したことないしな?ほらオレの魔法ってほぼ無敵だろ?」
「でも……」
「だから気にすんなって。オレが好きでやってることなんだからさ」
「お兄ちゃん……ありがとう」
そう言いながら抱きついてくるエミリー。本当に可愛すぎる……。
「じゃあ行ってくるわ」
「行ってらっしゃい。気をつけてね?」
「おう!」
そう言って家を出る。これがいつもの日常だ。それにオレはまだ学生なのだ。まだ学生生活を満喫したい。だからオレはこの生活を守るためにも頑張ろうと決めている。これがオレが働く理由であり、生きる意味でもあるんだ。
そして学校に行き、いつもの自分の席に着く。『王立魔法学院』それがオレが通っている学校の名前だ。ここは魔法を使える人を育成するために作られた学校で、将来の騎士団や宮廷魔術師を育てるためのエリート校でもある。
ちなみにだが、アリスとは同じ学校に通っていて同じクラスだが、基本的にお互いには干渉しないことにしている。『この私があなたみたいな庶民と話すことなんて絶対ありえませんから』とか言ってたしな。まぁアイツはお嬢様で人気者、オレは平凡だから、元から絡むことなんてないけどな。
そしてオレの魔法『絶対領域』の事は一部の人間以外には伏せている。なので表向きは普通の学生として過ごしている。本当に目立つこともなく一般の生徒として。そして授業を受け、昼休みに入る。
オレは基本的に一人で昼食をとることが多い。友人がいないというわけではないのだが、なんとなく避けられているような気もする。でもまぁいいかと最近は割り切っている。
そして今日も一人寂しく屋上で愛しのエミリーが作ってくれた愛妹弁当を口に運ぶ。うますぎる!最高!するとそこに、見知った顔が現れる。
「やっほー!アデル君元気?」
そう言ってきたのは、銀髪ツインテールの少女だった。名前はセリア=グランメール。オレと同じクラスで、いわゆる学園カースト上位に位置する女子生徒だ。成績優秀で、容姿端麗、おまけに性格も良いときたらそりゃ男子の人気は高いわけで、当然のようにモテる。しかし本人は全く興味が無いらしく、告白された回数は片手では数え切れないほどらしい。
「ああ。お前は相変わらず元気そうだな」
「えへへ、私はいつだって元気だよ!それより一緒にご飯食べてもいいかな?」
そしてなぜかオレに絡んでくる。理由はわからないが、とにかくオレに話しかけてくる。正直かなり面倒くさいが、無下に断ることもできないから困りものだ。
「好きにしなよ。オレはここで飯食うだけだし」
「うん!じゃあ隣失礼します!」
そう言ってセリアが座る。どうせ一緒に食べるなら可愛い女の子のほうがいい。なんせ男というのはそういう生き物なのだ。
「ねぇねぇ、そのお弁当自分で作ってるの?」
「ああ。これは妹が毎日朝早く起きて用意してくれるんだよ」
「いいなぁ。私も妹いるんだけどさ、もう全然可愛げがないんだよ!? ほんっと生意気な奴でさ!」
「はは……それは大変だな」
そんな下らない会話をしながらセリアと昼食をとっていた時、不意に誰かの声が聞こえてくる。
「珍しい組み合わせですね」
そう言って現れたのは、担任の魔法学校の先生のレオン=アルムシュタインだ。青髪の美青年。年齢はまだ25歳とかそこらへんだったはず。
「あ、先生こんにちは!」
「はい。アデル君。少しよろしいでしょうか?」
「あー……はい」
オレは定期的にこうやってレオン先生に呼び出しを受ける。きっとこれのせいでオレは周りから問題児扱いされて誰も近寄ってこないんだろうな。
「では少し場所を変えましょうか」
そう言われてオレ達は場所を移す。そしていつもの空き教室へとやってきた。
「それで、今日は何の用ですか?またオレのイメージが下がるんですが?」
「それは申し訳ない。でも君からしか近況が聞けないからね?アリスはあまり話してくれないしね」
今の会話で分かる通りレオン先生は『レイブン』のメンバーでオレとアリスの協力者だ。
特殊悪魔討伐組織『レイブン』。それがオレ達の所属している組織の名であり、この王都に存在する唯一の裏組織の魔法ギルドでもある。そしてオレはこの学校で、表向きにはただの学生として、裏向きは『レイブン』の一員として活動しているのだ。
しかし学園に在籍しながら活動をするのは危険が大きいため、普段はレオン先生がオレとアリスをフォローするためにこの学校で教師をしている。もちろんそのことは限られた人間にしか知らされていない極秘事項だ。
「アリスとは仲良くやっているかい?さっきアリスに聞いたけど『特に』しか言わなくてね。彼女、人付き合いが苦手だから心配なんだ。」
「別に普通ですよ。あいつはただのお嬢様ですからね。オレみたいな一般人には理解できませんよ。それだけです」
「そうか。でも君が一番、彼女の魔法と相性がいいからね。期待しているんだよ?よろしく頼むね」
「はいはい。わかりましたよ。そんじゃオレはもう行きますね?」
「引き止めて悪かったね。あっそれとカタリナが放課後、店に寄るように言っていたよ?もしかして連絡忘れたのかい?」
「……忘れてた」
マジか……。なんで忘れてたんだオレ……。こうしてオレは憂鬱な気分になりながら、午後の授業を乗り切るのであった。
時間は早朝7時。オレはいつものように起こされる。
「お兄ちゃん、朝だよ起きて!」
今日も相変わらず可愛い声を聞き、眠い目をこすりながら体を起こす。仕事のあとはいつもこうだ。でも仕方がない。仕事を終えて夜中に帰ったオレはシャワーも浴びずに寝落ちした。そのままソファーの上で寝てしまい、今に至る。
「大丈夫?」
「ああ。それよりエミリーのほうこそ体調大丈夫なのか?」
「うん。今日はすごく体調がいいの、心配しないで」
エミリー=バーライト。オレの妹で唯一の家族だ。そしてオレの癒しの天使。生まれつき身体が弱く、あまり外に出ることができない。身寄りがいないオレとエミリーの生活を保つにはあの仕事をするしか選択肢がなかった。
「そうか……ならいいけどさ」
「朝ごはん作ったんだよ。一緒に食べよう?」
「ああ。その前にシャワーを浴びてくるよ」
オレはエミリーの頭を撫でて、部屋を出てシャワーを浴び、一緒に朝食を食べることにする。
「今日はお兄ちゃんの好きなフレンチトーストを作ったの!」
「マジか! ありがとうな」
「いえいえどういたしまして」
そう言って嬉しそうな顔をするエミリー。本当に可愛いと思う。それに料理だってできるし将来は美人間違いなしだし優しい。自慢の妹だと思う。ただ一つだけ欠点があるとすれば……
「おいしくない?私が作ったフレンチトースト」
少しムスッとした表情になるエミリー。
「いやいや超おいしいぜ! ほらこの通り完食したろ?」
「もう……。素直に美味しいって言えばいいじゃない。お兄ちゃんの意地悪!」
こんな感じですぐ拗ねるのだ。オレはその仕草を見る度に愛おしさを感じてしまう。そんな感情を抱きながらもオレ達は朝食を食べ終える。
「あのさお兄ちゃん……ごめんね。私のせいで、いつも危険な仕事をさせちゃって……」
「謝るのは、なしって言っただろ?別に給料はいいし、危険といってもオレにとっては大したことないしな?ほらオレの魔法ってほぼ無敵だろ?」
「でも……」
「だから気にすんなって。オレが好きでやってることなんだからさ」
「お兄ちゃん……ありがとう」
そう言いながら抱きついてくるエミリー。本当に可愛すぎる……。
「じゃあ行ってくるわ」
「行ってらっしゃい。気をつけてね?」
「おう!」
そう言って家を出る。これがいつもの日常だ。それにオレはまだ学生なのだ。まだ学生生活を満喫したい。だからオレはこの生活を守るためにも頑張ろうと決めている。これがオレが働く理由であり、生きる意味でもあるんだ。
そして学校に行き、いつもの自分の席に着く。『王立魔法学院』それがオレが通っている学校の名前だ。ここは魔法を使える人を育成するために作られた学校で、将来の騎士団や宮廷魔術師を育てるためのエリート校でもある。
ちなみにだが、アリスとは同じ学校に通っていて同じクラスだが、基本的にお互いには干渉しないことにしている。『この私があなたみたいな庶民と話すことなんて絶対ありえませんから』とか言ってたしな。まぁアイツはお嬢様で人気者、オレは平凡だから、元から絡むことなんてないけどな。
そしてオレの魔法『絶対領域』の事は一部の人間以外には伏せている。なので表向きは普通の学生として過ごしている。本当に目立つこともなく一般の生徒として。そして授業を受け、昼休みに入る。
オレは基本的に一人で昼食をとることが多い。友人がいないというわけではないのだが、なんとなく避けられているような気もする。でもまぁいいかと最近は割り切っている。
そして今日も一人寂しく屋上で愛しのエミリーが作ってくれた愛妹弁当を口に運ぶ。うますぎる!最高!するとそこに、見知った顔が現れる。
「やっほー!アデル君元気?」
そう言ってきたのは、銀髪ツインテールの少女だった。名前はセリア=グランメール。オレと同じクラスで、いわゆる学園カースト上位に位置する女子生徒だ。成績優秀で、容姿端麗、おまけに性格も良いときたらそりゃ男子の人気は高いわけで、当然のようにモテる。しかし本人は全く興味が無いらしく、告白された回数は片手では数え切れないほどらしい。
「ああ。お前は相変わらず元気そうだな」
「えへへ、私はいつだって元気だよ!それより一緒にご飯食べてもいいかな?」
そしてなぜかオレに絡んでくる。理由はわからないが、とにかくオレに話しかけてくる。正直かなり面倒くさいが、無下に断ることもできないから困りものだ。
「好きにしなよ。オレはここで飯食うだけだし」
「うん!じゃあ隣失礼します!」
そう言ってセリアが座る。どうせ一緒に食べるなら可愛い女の子のほうがいい。なんせ男というのはそういう生き物なのだ。
「ねぇねぇ、そのお弁当自分で作ってるの?」
「ああ。これは妹が毎日朝早く起きて用意してくれるんだよ」
「いいなぁ。私も妹いるんだけどさ、もう全然可愛げがないんだよ!? ほんっと生意気な奴でさ!」
「はは……それは大変だな」
そんな下らない会話をしながらセリアと昼食をとっていた時、不意に誰かの声が聞こえてくる。
「珍しい組み合わせですね」
そう言って現れたのは、担任の魔法学校の先生のレオン=アルムシュタインだ。青髪の美青年。年齢はまだ25歳とかそこらへんだったはず。
「あ、先生こんにちは!」
「はい。アデル君。少しよろしいでしょうか?」
「あー……はい」
オレは定期的にこうやってレオン先生に呼び出しを受ける。きっとこれのせいでオレは周りから問題児扱いされて誰も近寄ってこないんだろうな。
「では少し場所を変えましょうか」
そう言われてオレ達は場所を移す。そしていつもの空き教室へとやってきた。
「それで、今日は何の用ですか?またオレのイメージが下がるんですが?」
「それは申し訳ない。でも君からしか近況が聞けないからね?アリスはあまり話してくれないしね」
今の会話で分かる通りレオン先生は『レイブン』のメンバーでオレとアリスの協力者だ。
特殊悪魔討伐組織『レイブン』。それがオレ達の所属している組織の名であり、この王都に存在する唯一の裏組織の魔法ギルドでもある。そしてオレはこの学校で、表向きにはただの学生として、裏向きは『レイブン』の一員として活動しているのだ。
しかし学園に在籍しながら活動をするのは危険が大きいため、普段はレオン先生がオレとアリスをフォローするためにこの学校で教師をしている。もちろんそのことは限られた人間にしか知らされていない極秘事項だ。
「アリスとは仲良くやっているかい?さっきアリスに聞いたけど『特に』しか言わなくてね。彼女、人付き合いが苦手だから心配なんだ。」
「別に普通ですよ。あいつはただのお嬢様ですからね。オレみたいな一般人には理解できませんよ。それだけです」
「そうか。でも君が一番、彼女の魔法と相性がいいからね。期待しているんだよ?よろしく頼むね」
「はいはい。わかりましたよ。そんじゃオレはもう行きますね?」
「引き止めて悪かったね。あっそれとカタリナが放課後、店に寄るように言っていたよ?もしかして連絡忘れたのかい?」
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