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第2章 聖女。灼熱の王国を駆け巡るのです!

1. 灼熱の王国へ

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1. 灼熱の王国へ



 私たちはソルファス王国へ渡るため魔法船で港町ラインストーンに向かっているのです。色々準備してきたので旅は問題ないのです。とりあえずは観光を目的としましょうか。古代遺跡群の中にある「キルシュ古城」は人気のスポットですからぜひ行ってみたいのです!

 あとこの前、本で調べていたらソルファス王国の王都には「魔導大図書館」なる建物があるのを知りぜひ行きたくなったのです!すごく楽しみなのです! あそこなら私のまだ読んでいない本がたくさんあるはずなのですよ……うふふ

 そんな私の様子を見てフィオナが話しかけてくるのです。

「アリーゼ様?さっきから楽しそうにニヤニヤしてるけど何か良いことでもあったの?」

「いえ、何でもないのですよ。ただ楽しみなだけなのです!」

 いけないのです。また顔に出てしまいましたか。そんな私を見てミルディとロゼッタ様が言う。

「どうせ、この前読んでた本に書いてあった『魔導大図書館』楽しみなのです!とか思ってたんでしょ?」

「アリーゼは単純じゃな。ワシを抜けば最年長のくせして。まぁ単純なのがお主の良いところでもあるがの」

 ヒドイ言われようなのです。でも当たってるから反論できないのですよ……。

 しばらく進むと目の前に大きな港が見えてきたのです。あれがラインストーンですね。そしてその前に停泊している大きな船が見えたのです。おそらくあれは大型魔法船なのです。本に書いてあったのです!国の王族専用なのだと書いてありましたね。

 その大型魔法船は全長200メートルくらいあって、マストも4つほどあります。それに帆ではなく風属性魔法の《エア・シールド》を使っているのです。これなら攻撃からも守れる素晴らしい魔法船なのです。

 船を近くで見るとかなり大きい事がわかるのです。ロゼッタ様の後ろにあると更に大きく見えるのです。でもそれを言うと怒るので私は黙っておくのです。

「ほう。大型魔法船かめずらしいの……」

「普段は王都近くの港にでしか見れないってボク聞いたことある。本当に大きい……師匠が凄く小さく見えるね?」

「あっ!」

 フィオナ!それを言っちゃだめなのです!ロゼッタ様の杖で叩かれるのです!そんな事を私は思っているとロゼッタ様はフィオナを叩くこともなくこう言ったのです。

「そうか?お主も小さく見えるぞフィオナ」

「えへへ。ボクもそうだよね」

「何でなのです!?ロゼッタ様、フィオナには優しいのです!贔屓はダメなのです!」

「うるさいのじゃアリーゼ!いきなり大きな声をだしおって!なんなのじゃ!」

 ロゼッタ様は杖で私を叩く。なんで……ヒドイのです。それを見てミルディが呆れた顔をしているのです。とりあえず私たちはまず宿屋へ向かうことにしたのです。泊まれないと大変なのです。

「港町クレスタも結構賑やかだったけどラインストーンもすごい人だね!」

「そうなのです!それに暑いのです!」

「言ったじゃろ。ソルファス王国は灼熱の王国と呼ばれていると。」

「それでも暑いものは暑いのですよ……溶けるのです」

「え?溶けちゃうのアリーゼ様?」

 少し歩いただけなのに暑さのせいでぐったりなのです。まぁ仕方ないのです。とりあえず宿を探しましょう。

 私たちは街中にある宿屋に向かったのです。そこは昔ながらの木造建築の建物だったのです。風情があっていい感じなのです!中に入ると宿屋の中は涼しくて快適なのです。

「いらっしゃいまし!ようこそ『月光の止まり木亭』へ!」

 奥から恰幅の良いおばさんが出てきたのです。きっとこの人がここの女将さんなのです。ミルディが代表で話す。なんかこの前のギルドの時以来こういう役はミルディがやるようになったのです……私も出来るのに……それに私のほうがお姉さんなのです

「あの部屋はあるかな?4名1室でお願いしたいのだけど……」

「はいよ~!部屋なら空いてるわよ~」

「それは良かった。一先ず3日分宿泊したいんだけど大丈夫?」

「もちろんだよ!このラインストーンは旅行客や冒険者が多いからね、空き部屋はいくらでもあるんだよ!」

 それから私たちの分の料金を払うと鍵を受け取ったのです。階段を上がっていく。そして部屋に入る。

「おお、ベッドがあるのです!これは良いのです!フカフカなのです!!」

 私はベッドを手で押しながら確認する。低反発なのです。気持ちよく寝れそうなのです!ベッドの上で喜んで跳び跳ねている私を見てみんなはあきれてるのです。なんですか……別にいいじゃないですか。

「さて宿もとったし、これからどうしようかアリーゼ?」

「古代遺跡群と魔導図書館には絶対行きたいのです!」

「それなら王都までの砂漠鉄道の乗車賃を稼がないとだね?」

「はぁ暑い中、魔物討伐をギルドでうけるのか……しんどいのぉ……」

「師匠。ボクも頑張るから!」

 そうなのです。ソルファス王国には砂漠鉄道というものがあり、街の移動は全て鉄道で行っているようなのです。さすがに歩きや馬車で砂漠を越えるのは危険なのです。もちろんラインストーンも鉄道が通っているのです。鉄道の旅……凄くいいのです!

 その後、私はフィオナと共に街を見ることにするのです。ミルディはやることがあると言って、ロゼッタ様は昼寝すると言ってたのです。フィオナは私の手を引っ張りながら楽しそうにしている。そんな姿を見ているとこっちまで楽しくなってくるのです。

 まぁ……気持ちは少し分かるのです。フィオナは誰からも認めてもらえなかった。そんな自分を初めて認めてくれたのでしょうからね。

 それから2人でしばらく散策すると、大通りに出たのです。ここは露店も多く、食べ物屋もあるのです。ソルファス王国特有の香辛料なのですかね?凄い美味しそうな匂いがしてくるのです。

 しばらく歩くと違う通りに出るのです。ここにはいろんなお店があるお店でフィオナが足を止める。そこには可愛らしいイヤリングがあったのです。フィオナは目をキラキラと輝かせてそのイヤリングを見つめている。やはり年頃の女の子なのですね。するとお店の女店主が話しかけてきたのです。

「あら可愛いお嬢ちゃんたち。何か気になるものでもあったかい?」

「これ!凄く可愛くて綺麗!でもボクには似合わないかな……こんな可愛いの……」

 フィオナが見てるのは星形のイヤリングなのです。どれどれ……ふむ。銀貨3枚ですか……確かに少し値段は高いのですね。でもフィオナが嬉しそうにしていますし、何よりフィオナは可愛いので似合うと思うのです。

「これをくださいなのです」

「えっ?アリーゼ様も気に入ったの?あっでもアリーゼ様なら似合うと思うよ!」

「いえ。これは私からフィオナにプレゼントなのです」

「でも……少し高いし……」

「私がフィオナにプレゼントしたいのです。遠慮せずに受け取ってほしいのです」

 私はお金を払ってそれを渡したのです。フィオナは早速つけることにしたみたいで耳につけている。うん、やっぱり良く似合ってるのです。私が微笑んでいるとフィオナは照れながらこう言ったのです。

「ありがとうアリーゼ様……ボク大切にする!」

 すごく嬉しそうにしてるのです。フィオナはどことなく心配だったのですが、心配はないようなのです。これから一緒に頑張るのです!
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