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第4章 アイテム屋を救え!元商人のポーション大作戦!
2. 現状把握
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2. 現状把握
「こんにちは。おじさん」
「おう来てくれたんだなジェシカ。あとマスターさんも」
「はい。それでオレたちに頼みたいことがあるって聞いたんですけど?」
「そうなんだよ。実は……この通りにある昔からの馴染みのあるアイテム屋があるんだ。今は亡くなって娘さんが経営してるんだが……最近はギルドにアイテム屋が複合されてることが多いだろ?冒険者の数も少なくなって経営が厳しいらしいんだ。そこで商品をいくつか置いてもらって、売り上げに協力して欲しいって頼まれたんだよ。でもオレは素材屋だろ?置いたところでって感じでよ?もしよかったら力を貸してくれないか?」
なるほど。そういうことか。確かにギルドとアイテム屋が合体した店はよく見かける。ギルドのアイテム屋には回復薬や装備など冒険に必要なものを売っているからわざわざ街のアイテム屋に行かなくても便利だしな。
「でも私もギルドのことは多少詳しいけど販売とかは……あ。そう言えばマスターは元商人だったよね?」
「そうなのかいマスターさん?」
「まぁ一応。力になれるかは分かりませんが、いつもお世話になってますし、もちろん協力します。オレたちの方からお店の方に挨拶に行きますね」
「おう!そうしてくれると助かる。アイテム屋の店主の名前はメルってやつだ。性格は大人しいやつだから頼むな!」
オレたちは素材屋のおじさんに別れを告げてそのままそのアイテム屋に向かうことにする。しばらく通りを歩くと、一軒のアイテム屋にたどり着く。立地は他の商業施設が立ち並ぶ通りに建っていて、客の入りも問題無さそうだな。オレは早速そのアイテム屋の扉を開ける。
「すいませーん。」
「はーい。あっ素材屋のドミニクさんの紹介のギルド『フェアリーテイル』の方ですか?」
「はい」
あの素材屋のおじさん、ドミニクって名前なのか。まぁそんなことは置いといて。オレは店内を見渡す。冒険者に必要な道具が一通り揃っている。ポーション類や解毒剤など冒険に欠かせないものから、ランタンやテントなど野営で使うものもある。
「はじめまして。私はこのアイテム屋を経営していますメルです。今日はよろしくお願いしますね」
「こちらこそ。オレはギルド『フェアリーテイル』のマスターのエミルです。こちらはジェシカさん」
「早速ですけど、最近経営が厳しいと聞きましたけど?」
「はい。お恥ずかしながら……複合ギルドとの競争が激しくて……」
「なるほど……」
複合ギルドのアイテム屋の方が手軽。しかし、回復薬のポーションや状態回復の解毒剤などの基本的なものはあるのだが、それ以外のものがあまりないのが欠点。とはいってもギルド冒険者が必要とするものは8割が回復薬のポーションや状態回復の解毒剤なのも事実。
「ここは代々私の家系で続いてきたのですが、数年前に父が亡くなった時に、父が残してくれた遺産も尽きてしまって。残ったのはこのアイテム屋の経営書だけなんです。でもこれでは……」
「このままではいずれ潰れてしまうと?」
「はい。残念ながらそうなりますね」
とは言っても、商品の価格帯も問題はない。品揃えの面から考えてもかなりの商品があって、逆に無いものが無いくらいのはずだ。となると品揃えが原因ではなさそうだ。
「ねぇマスター。なんとか出来そう?」
「……明日。1日オレもこのアイテム屋で働いていいですか?」
「あっはい。マスターさんがいいのなら、私は構いませんけど……」
「じゃあ決まりですね」
まずは現状把握と原因を見つけないとな。こうしてオレはメルさんのアイテム屋で働くことになった。
「こんにちは。おじさん」
「おう来てくれたんだなジェシカ。あとマスターさんも」
「はい。それでオレたちに頼みたいことがあるって聞いたんですけど?」
「そうなんだよ。実は……この通りにある昔からの馴染みのあるアイテム屋があるんだ。今は亡くなって娘さんが経営してるんだが……最近はギルドにアイテム屋が複合されてることが多いだろ?冒険者の数も少なくなって経営が厳しいらしいんだ。そこで商品をいくつか置いてもらって、売り上げに協力して欲しいって頼まれたんだよ。でもオレは素材屋だろ?置いたところでって感じでよ?もしよかったら力を貸してくれないか?」
なるほど。そういうことか。確かにギルドとアイテム屋が合体した店はよく見かける。ギルドのアイテム屋には回復薬や装備など冒険に必要なものを売っているからわざわざ街のアイテム屋に行かなくても便利だしな。
「でも私もギルドのことは多少詳しいけど販売とかは……あ。そう言えばマスターは元商人だったよね?」
「そうなのかいマスターさん?」
「まぁ一応。力になれるかは分かりませんが、いつもお世話になってますし、もちろん協力します。オレたちの方からお店の方に挨拶に行きますね」
「おう!そうしてくれると助かる。アイテム屋の店主の名前はメルってやつだ。性格は大人しいやつだから頼むな!」
オレたちは素材屋のおじさんに別れを告げてそのままそのアイテム屋に向かうことにする。しばらく通りを歩くと、一軒のアイテム屋にたどり着く。立地は他の商業施設が立ち並ぶ通りに建っていて、客の入りも問題無さそうだな。オレは早速そのアイテム屋の扉を開ける。
「すいませーん。」
「はーい。あっ素材屋のドミニクさんの紹介のギルド『フェアリーテイル』の方ですか?」
「はい」
あの素材屋のおじさん、ドミニクって名前なのか。まぁそんなことは置いといて。オレは店内を見渡す。冒険者に必要な道具が一通り揃っている。ポーション類や解毒剤など冒険に欠かせないものから、ランタンやテントなど野営で使うものもある。
「はじめまして。私はこのアイテム屋を経営していますメルです。今日はよろしくお願いしますね」
「こちらこそ。オレはギルド『フェアリーテイル』のマスターのエミルです。こちらはジェシカさん」
「早速ですけど、最近経営が厳しいと聞きましたけど?」
「はい。お恥ずかしながら……複合ギルドとの競争が激しくて……」
「なるほど……」
複合ギルドのアイテム屋の方が手軽。しかし、回復薬のポーションや状態回復の解毒剤などの基本的なものはあるのだが、それ以外のものがあまりないのが欠点。とはいってもギルド冒険者が必要とするものは8割が回復薬のポーションや状態回復の解毒剤なのも事実。
「ここは代々私の家系で続いてきたのですが、数年前に父が亡くなった時に、父が残してくれた遺産も尽きてしまって。残ったのはこのアイテム屋の経営書だけなんです。でもこれでは……」
「このままではいずれ潰れてしまうと?」
「はい。残念ながらそうなりますね」
とは言っても、商品の価格帯も問題はない。品揃えの面から考えてもかなりの商品があって、逆に無いものが無いくらいのはずだ。となると品揃えが原因ではなさそうだ。
「ねぇマスター。なんとか出来そう?」
「……明日。1日オレもこのアイテム屋で働いていいですか?」
「あっはい。マスターさんがいいのなら、私は構いませんけど……」
「じゃあ決まりですね」
まずは現状把握と原因を見つけないとな。こうしてオレはメルさんのアイテム屋で働くことになった。
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