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第2章 正義のヒーロー!ベテラン盾騎士の約束
5. ご褒美をあげますよ
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5. ご褒美をあげますよ
エドガーさんが仲間になってから1週間。クエストボードには『正義のヒーローお貸しします。追加銅貨3枚~要相談』という貼り紙が貼ってある。
「あの!ありがとうございました!初めて私の魔法で魔物討伐できました!すごく嬉しいです!」
「ああ。威力もタイミングも悪くなかったぞ。一応もう少し魔法陣を速く描けるように頑張るといい。そうしたら魔物討伐だけじゃなく、ダンジョン攻略もできるかもしれん。」
「はい!」
初級冒険者の女の子魔法使いとエドガーさん。あの子は初めて自分の魔法で魔物討伐できたみたいだ。これで自信をつけてくれるといいよな。そんな様子を微笑ましくオレは見ていると、ジェシカさんがエドガーさんに声をかける。
「あっおかえりエドガーさん。ごめん。次お願いできる?こちらの二人組の冒険者なんだけど、内容はホワイトウルフの討伐。二人のジョブは格闘家とクレリック。」
「分かった。よろしく頼むエドガーだ。オレが前衛で攻撃を防ぐから、急所の首元を打撃で仕留めよう。ホワイトウルフは素早いから、魔法は光の攻撃魔法より回復や補助魔法メインで頼むな」
「「はい!お願いします!」」
そして休む間もなく再びギルドを出ていく。なんか……エドガーさん楽しそうだなそれに教えるの上手いし。さすがベテラン盾騎士。すると受付カウンターにいるリリスさんが不服そうに呟く。
「……なんだか私よりもベテラン感があるんですけど……これじゃ私が先輩面できないじゃないですか。というかアドバイスしすぎです。私のおすすめワンポイントが意味ないじゃないですか。もしかして私のパクってません?」
「いやそれはないと思いますよ……」
「というか銅貨3枚は安すぎです。金貨1枚にした方がいいですよ。」
リリスさんはぶつくさ文句を言い始める。こらこらリリスさんのギルド『フェアリーテイル』だからねここは?なんでそんな仕事なくなるようなことするのさ。
「まぁまぁリリスさん。エドガーさんのおかげで少しずつ利益がでているのは事実ですから。新人冒険者も安心して依頼できるし、ギルド『フェアリーテイル』も有名になる。これでいいじゃないですか?」
うまく成功するか分からなかったけど、エドガーさんの『正義のヒーロー』作戦は今のところ大成功している。まず最初に依頼を受けた初心者冒険者が、エドガーさんの話を他の冒険者に紹介してくれるようになったのだ。そして、頼みたい冒険者がこのギルド『フェアリーテイル』にやってくる。これは予想以上の成果といえるだろう。
「でもやっぱり納得いきません。ちょっとエミルくん!この貼り紙剥がしても……」
「ダメですよ!」
「なら『世の男を虜にするスタイル抜群の銀髪美女お貸しします。金貨10枚~要相談』って貼り紙作ります!」
「金貨10枚って……うちが扱ってる依頼よりも遥かに高すぎです。誰も依頼しませんよ……」
「むぅ……」
頬を膨らませながら不満そうな顔をするリリスさん。スタイル抜群ってのは置いておこう。でも、こんな事で張り合うなんてちょっと可愛いと思ってしまったのは内緒である。
そんなこんなで今日も1日が終わる。オレは今日の報酬をエドガーさんに支払う。給料は話し合ってエドガーさんには日払いで払う歩合制にしている。
「これ今日の分です」
「ああ。ありがとうマスター」
「明日は休んでください。リリスさんにも伝えておきますので」
「分かった。」
そしていつものようにオレは後片付けをしている。やっと『フェアリーテイル』は軌道に乗った。このまま順調に行けば、王都でも有名になるのは夢じゃないはずだ。
「エミルくん」
「うわっ!?リリスさん?」
突然後ろから声をかけられ驚くオレ。リリスさんはいつの間にか後ろに立っていた。
「ジェシカちゃんとエドガーさんはもう帰ったんですか?」
「はい。帰りましたよ。2人とも用事があるらしいので」
「ふーん。エドガーさんはただの孤児院バカとしても、まったくジェシカちゃんは付き合い悪いですね。そんなんだから男が出来ないんですよね。ギルドで暇な時は難しそうな本を読んでインテリアピールしてますし、気は強いですし、絶対付き合ったらメンヘラで面倒ですよあの子。少しくらい私を見習って女磨きをすればいいのに」
なんでリリスさんはエドガーさんとジェシカさんに毒を吐きまくるんだろう……まあ確かにリリスさんの方がモテそうだけど。見た目は美人だし胸は……あまりないけど。
「それでどうしたんですか?オレに何か話があるとか?」
オレがそう言うとリリスさんがオレを見つめてくる。な……なんだ?
「どっどうしたんですかリリスさん?」
「いえ別に。ただ最近よく頑張ってるなと思いまして。私の中でエミルくんの評価が上がってます。偉いです!」
そう言うリリスさん。その表情はとても嬉しそうである。
「そっそんな急に褒められても……」
「照れなくてもいいですよ。素直に受け取ってください」
なんか凄く恥ずかしいな。オレは思わず目を逸らす。そんな様子を見たリリスさんが微笑みながら呟く。本当に優しい人だよな。
「さて、そんなエミルくんにご褒美をあげますよ。エミルくん何食べたいですか?特別に夕飯を私が作ってあげます!」
「え?マジですか!」
「はい。ただし……残したらネクロマンサーのスキルで永遠に眠らせますけどね」
そう言ってリリスさんは不敵に笑った。怖すぎ……。こうしてオレはリリスさんご褒美の手料理を食べることになった。料理はどれも美味しくてオレが永遠に眠ることはなかった。
ギルド『フェアリーテイル』は色々なものに挑戦し、順調に経営をし始めているのだった。
エドガーさんが仲間になってから1週間。クエストボードには『正義のヒーローお貸しします。追加銅貨3枚~要相談』という貼り紙が貼ってある。
「あの!ありがとうございました!初めて私の魔法で魔物討伐できました!すごく嬉しいです!」
「ああ。威力もタイミングも悪くなかったぞ。一応もう少し魔法陣を速く描けるように頑張るといい。そうしたら魔物討伐だけじゃなく、ダンジョン攻略もできるかもしれん。」
「はい!」
初級冒険者の女の子魔法使いとエドガーさん。あの子は初めて自分の魔法で魔物討伐できたみたいだ。これで自信をつけてくれるといいよな。そんな様子を微笑ましくオレは見ていると、ジェシカさんがエドガーさんに声をかける。
「あっおかえりエドガーさん。ごめん。次お願いできる?こちらの二人組の冒険者なんだけど、内容はホワイトウルフの討伐。二人のジョブは格闘家とクレリック。」
「分かった。よろしく頼むエドガーだ。オレが前衛で攻撃を防ぐから、急所の首元を打撃で仕留めよう。ホワイトウルフは素早いから、魔法は光の攻撃魔法より回復や補助魔法メインで頼むな」
「「はい!お願いします!」」
そして休む間もなく再びギルドを出ていく。なんか……エドガーさん楽しそうだなそれに教えるの上手いし。さすがベテラン盾騎士。すると受付カウンターにいるリリスさんが不服そうに呟く。
「……なんだか私よりもベテラン感があるんですけど……これじゃ私が先輩面できないじゃないですか。というかアドバイスしすぎです。私のおすすめワンポイントが意味ないじゃないですか。もしかして私のパクってません?」
「いやそれはないと思いますよ……」
「というか銅貨3枚は安すぎです。金貨1枚にした方がいいですよ。」
リリスさんはぶつくさ文句を言い始める。こらこらリリスさんのギルド『フェアリーテイル』だからねここは?なんでそんな仕事なくなるようなことするのさ。
「まぁまぁリリスさん。エドガーさんのおかげで少しずつ利益がでているのは事実ですから。新人冒険者も安心して依頼できるし、ギルド『フェアリーテイル』も有名になる。これでいいじゃないですか?」
うまく成功するか分からなかったけど、エドガーさんの『正義のヒーロー』作戦は今のところ大成功している。まず最初に依頼を受けた初心者冒険者が、エドガーさんの話を他の冒険者に紹介してくれるようになったのだ。そして、頼みたい冒険者がこのギルド『フェアリーテイル』にやってくる。これは予想以上の成果といえるだろう。
「でもやっぱり納得いきません。ちょっとエミルくん!この貼り紙剥がしても……」
「ダメですよ!」
「なら『世の男を虜にするスタイル抜群の銀髪美女お貸しします。金貨10枚~要相談』って貼り紙作ります!」
「金貨10枚って……うちが扱ってる依頼よりも遥かに高すぎです。誰も依頼しませんよ……」
「むぅ……」
頬を膨らませながら不満そうな顔をするリリスさん。スタイル抜群ってのは置いておこう。でも、こんな事で張り合うなんてちょっと可愛いと思ってしまったのは内緒である。
そんなこんなで今日も1日が終わる。オレは今日の報酬をエドガーさんに支払う。給料は話し合ってエドガーさんには日払いで払う歩合制にしている。
「これ今日の分です」
「ああ。ありがとうマスター」
「明日は休んでください。リリスさんにも伝えておきますので」
「分かった。」
そしていつものようにオレは後片付けをしている。やっと『フェアリーテイル』は軌道に乗った。このまま順調に行けば、王都でも有名になるのは夢じゃないはずだ。
「エミルくん」
「うわっ!?リリスさん?」
突然後ろから声をかけられ驚くオレ。リリスさんはいつの間にか後ろに立っていた。
「ジェシカちゃんとエドガーさんはもう帰ったんですか?」
「はい。帰りましたよ。2人とも用事があるらしいので」
「ふーん。エドガーさんはただの孤児院バカとしても、まったくジェシカちゃんは付き合い悪いですね。そんなんだから男が出来ないんですよね。ギルドで暇な時は難しそうな本を読んでインテリアピールしてますし、気は強いですし、絶対付き合ったらメンヘラで面倒ですよあの子。少しくらい私を見習って女磨きをすればいいのに」
なんでリリスさんはエドガーさんとジェシカさんに毒を吐きまくるんだろう……まあ確かにリリスさんの方がモテそうだけど。見た目は美人だし胸は……あまりないけど。
「それでどうしたんですか?オレに何か話があるとか?」
オレがそう言うとリリスさんがオレを見つめてくる。な……なんだ?
「どっどうしたんですかリリスさん?」
「いえ別に。ただ最近よく頑張ってるなと思いまして。私の中でエミルくんの評価が上がってます。偉いです!」
そう言うリリスさん。その表情はとても嬉しそうである。
「そっそんな急に褒められても……」
「照れなくてもいいですよ。素直に受け取ってください」
なんか凄く恥ずかしいな。オレは思わず目を逸らす。そんな様子を見たリリスさんが微笑みながら呟く。本当に優しい人だよな。
「さて、そんなエミルくんにご褒美をあげますよ。エミルくん何食べたいですか?特別に夕飯を私が作ってあげます!」
「え?マジですか!」
「はい。ただし……残したらネクロマンサーのスキルで永遠に眠らせますけどね」
そう言ってリリスさんは不敵に笑った。怖すぎ……。こうしてオレはリリスさんご褒美の手料理を食べることになった。料理はどれも美味しくてオレが永遠に眠ることはなかった。
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