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134. 日本語が難しい

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134. 日本語が難しい



 今日は学校の校内清掃の日だ。まぁいわゆる大掃除みたいなものだな。全校生徒が一斉に行う。そして、オレはクラスメートとともに今はその校内清掃中だ。もちろん黒崎もいる。

「神原君。そこ届くかしら?」

「ん?ああ……ほらよ」

「ありがとう」

 最近、オレと黒崎はよく話すようになった。しかも、他のやつらがいる前でも普通に話してくる。正直言ってオレとしては少し困っているのだが……。

「さて、終わったわね。みんなは教室に戻っていて、神原君。清掃道具を戻すのを手伝ってくれるかしら?」

「ああ……」

 オレはそう返事して、黒崎と一緒に用具室へと向かった。ふと黒崎を見ると、その表情が少し嬉しそうな気がした。

「あのさ黒崎。なんでオレに構うんだ?」

「え?だって私たち親友じゃない。友チョコあげたわよね?」

「そ、それはありがたいけどよ……オレなんかと友達になって楽しいのか?」

「ええ!楽しいわ!」

 即答だった。いや、嬉しいんだけどさ……。本当にいいのか?オレなんかに構ってる暇があるなら彼氏でも作ったらいいと思うんだが……

「それにあなたには色々と感謝しているのよ?」

「感謝?何をだよ?」

「恥ずかしい話なのだけど、私今まで男の子とこうやって話したことないからすごく新鮮なの。だから毎日楽しく過ごせているわ」

 なんだか照れくさい。確かに、夏帆と出会わなかったら、オレもこんな風に女子と話したことはあまりなかったかもしれない。しかし黒崎がまさかオレに感謝するなんて思ってもなかった。

「それに。あなたには夏帆ちゃんがいるじゃない?だから安心してあなたと付き合えるの」

「付き合う!?」

「へっ!?ちっ違うわよ!?その友達付き合いのことよ!?勘違いしないでほしいのだけど!?」

 思わず声が出てしまった。しかしなぜだろう。なぜか顔が熱くなる。オレと黒崎は顔を赤くしながら用具室に行くと、最悪なことにあいつがいた。

「あれ?先輩!冬花先輩も!学校で会うなんて珍しいですね!……ん?なんで二人とも顔赤いんですか?」

「赤くねぇだろ!」

「その日本語が難しくて、恥ずかしい思いをしただけなの。夏帆ちゃん、私と神原君は何もしてないわ!本当に本当よ?信じて!」

「黒崎!やめろ!勘違いするだろ!」

「やっぱりなんかあったんですね!?先輩!?浮気ですか!?」

 なんでこんな面倒なことに……オレは夏帆の言葉を必死に否定するとなんとかその場は収まった。全く勘弁してほしい……。
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