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<第四章 第2話:フィアンセ登場>
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<第四章 第2話:フィアンセ登場>
サーニャ・ノルドハーフェンは、ノルドハーフェン準男爵の次女だ。クマートと同い年だ。
ノルドハーフェン準男爵領の北方の海に、ドラゴンがいる島がある。
いや、あった、と言ったほうが適切だ。
なぜなら、ドラゴンは、もういないからだ。
クマートが、殺したからだ。
そのドラゴンがいた島が、三番目のダンジョンだ。
今年の夏、ノルドハーフェン準男爵領を訪れた。
目的はもちろん、三番目のダンジョンを攻略し、究極魔法具の魔法のマントを入手するためだ。
クマートの二歳年上の姉クマーナと、サーニャの二歳年上の姉サーシャが、帝国学園で同学年で友人同士だった。
そのコネを使い、クマートは、ノルドハーフェン準男爵領のダンジョンを攻略する機会を得た。
クマートが、魔法のマントを入手したことは、誰も知らない。
魔法のマントは、ダンジョンのそれまで知られていなかった地下階層に、あった。
サーニャが見たのは、ダンジョンの地上で、クマートがドラゴンを倒した光景だけだ。
話し始めた。サーニャが。ドラゴン狩りの前に、クマートが巨大海獣を倒した話を。
これは、長くなる。
そう、思った。
前回も、そうだったからだ。
サーニャの話は。
嬉々として、サーニャが話し始めた。
北の島に、ダンジョン攻略に行った。同じ船に乗って、クマートたちを案内した。
ダンジョンとは、古代文明人の遺跡だ。
北の島の古代文明人の遺跡は、地上は巨大海獣に、地下は巨大魔蟲に、占拠されている。
ダンジョンの港の船着き場に、巨大海獣の魔獣、一角トドがいた。
三十メートル級の巨大海獣だ。
サーニャが、クマートに助言した。
「あれがいる間は、ダンジョン攻略は無理やで。あれがエサを喰らいに、海に狩りに出た隙をついて、攻略するしか、ないで」
サーニャの帝国共通語は、訛りが強い。
そのため彼女の訛りは、なぜか、関西弁のように聞こえる。
アニメ版の影響だ。
サーニャは、アニメ版で、脇役として途中から出ていた。
ヒロインと王子、それに、イケメン貴公子四天王が、三番目のダンジョンを攻略する際、案内役をしていた。場所が自分の父の領地で、ヒロインたちと同学年だからだ。
アニメ版のサーニャは、関西弁だった。
そのせいで、クマートの脳内で、サーニャの訛りの強い帝国共通語は、自動的に、変な関西弁に翻訳されてしまうのだ。
サーニャが、言葉を続けた。
「ダーリンは、巨大な弓を手に取ったんや。ダーリンは、三種類の大きさの弓矢を持参していたんや。そのうち、一番大きな弓や。二メートルはある大きな弓や。角度四十五度で、弓を構えたんや。思わず、声をかけたで。この距離じゃ、あたらへんで、って」
さらにサーニャが、言葉を続けた。
「けどな、ダーリンが言うんや。標的は大きいから、あたるで、って」
サーニャが、身振り手振りを交えた。
「巨大な弓矢を放ったら、矢がビューンと飛んで行って、突き刺さったんや。一角トドの背中に」
「そのあと、船を近づけたんや。近づいてから、そうは言っても、百メートル以上離れてたで。一角トドの目に、矢を射込んで、とどめを刺したんや」
そのあと、さらにドラゴン狩りの話に移行した。
とは言っても、ドラゴン狩りも、武勇伝としては、盛り上がりに欠ける。遠距離から、弓矢で倒したのだから。しかも、魔法の腕輪の念力を使って。
サーニャ・ノルドハーフェンは、ノルドハーフェン準男爵の次女だ。クマートと同い年だ。
ノルドハーフェン準男爵領の北方の海に、ドラゴンがいる島がある。
いや、あった、と言ったほうが適切だ。
なぜなら、ドラゴンは、もういないからだ。
クマートが、殺したからだ。
そのドラゴンがいた島が、三番目のダンジョンだ。
今年の夏、ノルドハーフェン準男爵領を訪れた。
目的はもちろん、三番目のダンジョンを攻略し、究極魔法具の魔法のマントを入手するためだ。
クマートの二歳年上の姉クマーナと、サーニャの二歳年上の姉サーシャが、帝国学園で同学年で友人同士だった。
そのコネを使い、クマートは、ノルドハーフェン準男爵領のダンジョンを攻略する機会を得た。
クマートが、魔法のマントを入手したことは、誰も知らない。
魔法のマントは、ダンジョンのそれまで知られていなかった地下階層に、あった。
サーニャが見たのは、ダンジョンの地上で、クマートがドラゴンを倒した光景だけだ。
話し始めた。サーニャが。ドラゴン狩りの前に、クマートが巨大海獣を倒した話を。
これは、長くなる。
そう、思った。
前回も、そうだったからだ。
サーニャの話は。
嬉々として、サーニャが話し始めた。
北の島に、ダンジョン攻略に行った。同じ船に乗って、クマートたちを案内した。
ダンジョンとは、古代文明人の遺跡だ。
北の島の古代文明人の遺跡は、地上は巨大海獣に、地下は巨大魔蟲に、占拠されている。
ダンジョンの港の船着き場に、巨大海獣の魔獣、一角トドがいた。
三十メートル級の巨大海獣だ。
サーニャが、クマートに助言した。
「あれがいる間は、ダンジョン攻略は無理やで。あれがエサを喰らいに、海に狩りに出た隙をついて、攻略するしか、ないで」
サーニャの帝国共通語は、訛りが強い。
そのため彼女の訛りは、なぜか、関西弁のように聞こえる。
アニメ版の影響だ。
サーニャは、アニメ版で、脇役として途中から出ていた。
ヒロインと王子、それに、イケメン貴公子四天王が、三番目のダンジョンを攻略する際、案内役をしていた。場所が自分の父の領地で、ヒロインたちと同学年だからだ。
アニメ版のサーニャは、関西弁だった。
そのせいで、クマートの脳内で、サーニャの訛りの強い帝国共通語は、自動的に、変な関西弁に翻訳されてしまうのだ。
サーニャが、言葉を続けた。
「ダーリンは、巨大な弓を手に取ったんや。ダーリンは、三種類の大きさの弓矢を持参していたんや。そのうち、一番大きな弓や。二メートルはある大きな弓や。角度四十五度で、弓を構えたんや。思わず、声をかけたで。この距離じゃ、あたらへんで、って」
さらにサーニャが、言葉を続けた。
「けどな、ダーリンが言うんや。標的は大きいから、あたるで、って」
サーニャが、身振り手振りを交えた。
「巨大な弓矢を放ったら、矢がビューンと飛んで行って、突き刺さったんや。一角トドの背中に」
「そのあと、船を近づけたんや。近づいてから、そうは言っても、百メートル以上離れてたで。一角トドの目に、矢を射込んで、とどめを刺したんや」
そのあと、さらにドラゴン狩りの話に移行した。
とは言っても、ドラゴン狩りも、武勇伝としては、盛り上がりに欠ける。遠距離から、弓矢で倒したのだから。しかも、魔法の腕輪の念力を使って。
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