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本編
-90- プレゼン
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「コートの内側、裏地にマジックホワイトグースのダウンはいかがですか?
ダウンであるホワイトグースが魔物化したものなのですが、軽く温かい上に、魔法の付与が可能です。
耐久化、軽量化、防水魔法を付与してもいいでしょうし、防御や防火など、もしものときに身を守る魔法を付与することも可能です!
魔物化したのにホワイトグースよりひと回り小さい鳥ですし、最近繁殖に成功し普及し始めたばかりなのでお値段は張ります。ですが、コートですから長くお使いになられるでしょう?
デーモンと呼ばれることなくマジックと呼ばれているのは、本当に魔法のような素材だからなのです!絶対におすすめです!」
出だしは恐る恐るなのに、徐々に早さが増してく上に、彼女がキラキラと輝いて見えるから凄い。
押し売りじゃなくて、この生地がどうおすすめなのかっていうのがよくわかる。
アレックスもいい笑顔だ。
ジェシカさんは、うん、頭を抱えているけれど。
「ああ、是非それにしてもらおうか」
「もうしわけございません、アレックス様」
笑いながら答えるアレックスに対し、ジェシカさんがため息交じりに謝る。
「いや、魔法が付与できるならありがたい。他にもすすめのがあれば、遠慮せずに持ってきてくれ」
「はいっ!」
ズボンは、グリーン系のチェックのズボン、細身の黒いズボンが素材別に2種の、3本だ。
乗馬用にと、少し伸縮する生地をおすすめしてくれた眼鏡の店員さん。
「乗馬用でしたら、こちらの生地が断然おすすめです!
スライムを付与した糸から作られた生地です。もちろん魔法を付与することが可能です!
なにより織り方にも独自の拘りを持たせたことで、今までにない伸縮する生地が誕生しました!
乗馬用のパンツですと、膝にゆとりを持たせることが一般的でしたがこの生地と糸で作成すれば見た目にもスマートなパンツが可能です!おすすめです!!」
「そうか、ならそうしよう」
「はいっ!」
生地にはスライムが少量使われているみたいだ。
スライム!やっぱりいるんだね、スライムが。
これぞ異世界って感じがする。
少し伸縮するなら、そのうちゴムも出来ないかなあと期待しちゃうなあ。
ゴムの木はこっちの世界にないのかな?
せめて下着とパジャマにはゴムが欲しい。
「次は、ナイトウェアですわね。いかがしますか?」
「あ…」
「ん?」
「えーと…お揃いがよくて。色違いのお揃いのが良いなって」
突然割り込んじゃったからか、両方に顔を見られたからかなんだか顔が熱くなっちゃうけれど、お揃いが良いってのだけはいわなくちゃ。
若い店員さん二人が顔を赤くして僕を見てくる。
うー、なんか恥ずかしくなってきちゃったが、ジェシカさんとアレックスは柔らかく笑ってくれた。
「では、お揃いにいたしましょう。これから寒くなりますし、やはりシルクが一番のおすすめですがいかがですか?」
「ああ、そうしてくれ。色味は黒とオールドローズで前ボタンのものがいい。全部で5着ずつ、1組だけは急いでほしい。頼めるか?」
「はい、畏まりました」
「5着も買うの?」
「毎日着るんだから必要だろう?」
「そっか」
毎日お揃いのパジャマが着られるなんて嬉しい。
アレックスは元からパジャマを持ってると思うけれど、僕に合わせてくれるみたい。
「丈の長いご夫人用のも利便性から売れておりますが、いかがしますか?
襟元に刺繍を入れますし、ボタンや襟は同じ形状ですし、対としてご用意できますが」
「や、必要ないな……型は同じで構わない。一着ごとに襟の刺繍を変えることは出来るか?」
「はい、お任せください」
「服はこれで全部だな」
「あとは、下着やソックスですわね。レン様の拘りがなければ、アレックス様と私にお任せされますか?その間に、あちらの奥で採寸されることも出来ますが、いかがでしょう?もちろん、このままご一緒に選んで頂いても大丈夫ですよ」
どうするか、とアレックスが僕を見てくる。
時間も限られてるし、だったら採寸しちゃおうかな。
「じゃあ、そうしてもらおうかな」
「わかった。…セオ、頼んだ」
「はい、お任せください。ちょ…アレックス様、お顔が怖いですー」
「元からこんな顔だ」
セオに頼もうか、と思ったらアレックスが頼んでくれた。
セバスかアニーに、採寸時に傍にいてくれるようお願いしたのを聞いたのかな。
うーん、アレックスは、良く思ってない、というか、妥協点なのかもしれない。
むすっとしてる。
怖くは無いけど、ちょっと可愛いって思う。
「アレックス」
「ん?どうした?」
うん、僕にはとても甘い顔を見せてくれる。
これだけで特別だと思える。
「耳かして」
「?」
「あのね」
たぶん、こういえばアレックスは今後も安心するんじゃないかな。
こうやって何かあるときは、多分僕にセオを付けると思う。
こそこそと耳打ちして、アレックスと顔を見合わせる。
「ね?だからセオに頼んだんだよ」
「そうか、わかった。ならこれからも採寸時は、セオに頼もうか」
良かった、安心して納得してくれたみたい。
「レン様ー!なんてこと言うんですか!」
「聞こえちゃった?」
「俺は耳がいいんですっ!」
「うん、知ってる。でも、あってるでしょ?」
セオには聞こえちゃうだろうな、と思ったけど、僕が耳打ちにしたのは、レナードと、ジェシカさん、店員さんへの配慮だ。
たぶん、3人には聞こえなかったと思う。
レナードは部屋の出入口に立ってるし、距離があっただろうし、手で口元も隠したし。
セオが真っ赤になってる。
「そうですね、あってますよーあってますけど!」
「ちゃんとフォローしてって言ったの、セオでしょ?」
「そーですね、言いましたね。でも」
「もー、早く行こ?お姉さんが待ってるよ」
僕らのやり取りにくすくすと笑いながら、もう一人の店員さんが奥の部屋へと案内してくれた。
ダウンであるホワイトグースが魔物化したものなのですが、軽く温かい上に、魔法の付与が可能です。
耐久化、軽量化、防水魔法を付与してもいいでしょうし、防御や防火など、もしものときに身を守る魔法を付与することも可能です!
魔物化したのにホワイトグースよりひと回り小さい鳥ですし、最近繁殖に成功し普及し始めたばかりなのでお値段は張ります。ですが、コートですから長くお使いになられるでしょう?
デーモンと呼ばれることなくマジックと呼ばれているのは、本当に魔法のような素材だからなのです!絶対におすすめです!」
出だしは恐る恐るなのに、徐々に早さが増してく上に、彼女がキラキラと輝いて見えるから凄い。
押し売りじゃなくて、この生地がどうおすすめなのかっていうのがよくわかる。
アレックスもいい笑顔だ。
ジェシカさんは、うん、頭を抱えているけれど。
「ああ、是非それにしてもらおうか」
「もうしわけございません、アレックス様」
笑いながら答えるアレックスに対し、ジェシカさんがため息交じりに謝る。
「いや、魔法が付与できるならありがたい。他にもすすめのがあれば、遠慮せずに持ってきてくれ」
「はいっ!」
ズボンは、グリーン系のチェックのズボン、細身の黒いズボンが素材別に2種の、3本だ。
乗馬用にと、少し伸縮する生地をおすすめしてくれた眼鏡の店員さん。
「乗馬用でしたら、こちらの生地が断然おすすめです!
スライムを付与した糸から作られた生地です。もちろん魔法を付与することが可能です!
なにより織り方にも独自の拘りを持たせたことで、今までにない伸縮する生地が誕生しました!
乗馬用のパンツですと、膝にゆとりを持たせることが一般的でしたがこの生地と糸で作成すれば見た目にもスマートなパンツが可能です!おすすめです!!」
「そうか、ならそうしよう」
「はいっ!」
生地にはスライムが少量使われているみたいだ。
スライム!やっぱりいるんだね、スライムが。
これぞ異世界って感じがする。
少し伸縮するなら、そのうちゴムも出来ないかなあと期待しちゃうなあ。
ゴムの木はこっちの世界にないのかな?
せめて下着とパジャマにはゴムが欲しい。
「次は、ナイトウェアですわね。いかがしますか?」
「あ…」
「ん?」
「えーと…お揃いがよくて。色違いのお揃いのが良いなって」
突然割り込んじゃったからか、両方に顔を見られたからかなんだか顔が熱くなっちゃうけれど、お揃いが良いってのだけはいわなくちゃ。
若い店員さん二人が顔を赤くして僕を見てくる。
うー、なんか恥ずかしくなってきちゃったが、ジェシカさんとアレックスは柔らかく笑ってくれた。
「では、お揃いにいたしましょう。これから寒くなりますし、やはりシルクが一番のおすすめですがいかがですか?」
「ああ、そうしてくれ。色味は黒とオールドローズで前ボタンのものがいい。全部で5着ずつ、1組だけは急いでほしい。頼めるか?」
「はい、畏まりました」
「5着も買うの?」
「毎日着るんだから必要だろう?」
「そっか」
毎日お揃いのパジャマが着られるなんて嬉しい。
アレックスは元からパジャマを持ってると思うけれど、僕に合わせてくれるみたい。
「丈の長いご夫人用のも利便性から売れておりますが、いかがしますか?
襟元に刺繍を入れますし、ボタンや襟は同じ形状ですし、対としてご用意できますが」
「や、必要ないな……型は同じで構わない。一着ごとに襟の刺繍を変えることは出来るか?」
「はい、お任せください」
「服はこれで全部だな」
「あとは、下着やソックスですわね。レン様の拘りがなければ、アレックス様と私にお任せされますか?その間に、あちらの奥で採寸されることも出来ますが、いかがでしょう?もちろん、このままご一緒に選んで頂いても大丈夫ですよ」
どうするか、とアレックスが僕を見てくる。
時間も限られてるし、だったら採寸しちゃおうかな。
「じゃあ、そうしてもらおうかな」
「わかった。…セオ、頼んだ」
「はい、お任せください。ちょ…アレックス様、お顔が怖いですー」
「元からこんな顔だ」
セオに頼もうか、と思ったらアレックスが頼んでくれた。
セバスかアニーに、採寸時に傍にいてくれるようお願いしたのを聞いたのかな。
うーん、アレックスは、良く思ってない、というか、妥協点なのかもしれない。
むすっとしてる。
怖くは無いけど、ちょっと可愛いって思う。
「アレックス」
「ん?どうした?」
うん、僕にはとても甘い顔を見せてくれる。
これだけで特別だと思える。
「耳かして」
「?」
「あのね」
たぶん、こういえばアレックスは今後も安心するんじゃないかな。
こうやって何かあるときは、多分僕にセオを付けると思う。
こそこそと耳打ちして、アレックスと顔を見合わせる。
「ね?だからセオに頼んだんだよ」
「そうか、わかった。ならこれからも採寸時は、セオに頼もうか」
良かった、安心して納得してくれたみたい。
「レン様ー!なんてこと言うんですか!」
「聞こえちゃった?」
「俺は耳がいいんですっ!」
「うん、知ってる。でも、あってるでしょ?」
セオには聞こえちゃうだろうな、と思ったけど、僕が耳打ちにしたのは、レナードと、ジェシカさん、店員さんへの配慮だ。
たぶん、3人には聞こえなかったと思う。
レナードは部屋の出入口に立ってるし、距離があっただろうし、手で口元も隠したし。
セオが真っ赤になってる。
「そうですね、あってますよーあってますけど!」
「ちゃんとフォローしてって言ったの、セオでしょ?」
「そーですね、言いましたね。でも」
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