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●理不尽な行為の理由

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   ◇ ◇ ◇

「あ……っ、くぅ……ン……ぅぅ……」

 ベルゼム陛下は毎夜、私を甘く啼かせてその声を楽しむ。
 必ず与えられる蜜愛の果実のせいで、この行為に嫌悪すら抱かせてもらえない。

 愛はないというのに、結ばれた悦びに沸くかのような連日の睦み合い。

 ――まったく分からないわ。
 弄んでいる割には私のすべてを奪わず、痛みも与えず、快楽の悦びをどこまでも教えてくれる。

 でも愛は口にしない。
 陛下は、私が蕩けて甘く啼き続ける声が聴きたいと囁くばかり。

 もう私を奪えばいいのにと思わせる熱い肉棒を、陛下はうつ伏せた私の大腿の間へ挿し込み、腰を振るう。

 パチュッ、パチュッ、と。滴ってくる愛液がよく絡み、ベルゼム陛下のものが滑る。私の小さな肉芽も一緒にこすれて、敷布を掴んで身悶えるしかなかった。

「陛下ぁ……っ、お、お待ち下さ……ッ……なにか、きて……ぁ、ぁぁあア……ッ」

 声が抑えられない。陛下は止まるどころか動きを速めて、私の下腹を容赦なく弾けさせてしまう。

 頭は真っ白。でも腰の奥がたまらないと脈打って、続きを待ち望む。

 まだ陛下は達していない。腰の振りを続けたまま、耳を舌で嬲りながら告げてくる。

「サティア……お前は本当に、愛を知らぬのか?」

「……っ……私は、何も……ァァ……っ」

「お前の声は、こんなにも淫らで甘い。何も信じぬ私の胸を掻き乱す。それなのに何も知らぬなどと……っ……」

 陛下の体が強張り、動きを止める。じわりと熱いものが私を濡らしていく。

 精を放ったばかりでもまだ陛下の昂りは硬いまま。
 乱れた息を整えてから、陛下は私のうなじに歯を立て、甘くしゃぶりつく。

「んぁ……へ、いか……ぁっ……も、おゆるしを……んン……ッ」

「許すものか。お前が嘘を止めぬまで、どこまでも堕としてやる」

「うそ、なんて……っ……ぁ」

「本当は知っているのだろ? 知らぬふりをして私を揺さ振り、手の平で転がしているのだろう、お前は……っ」

 ひどい勘違いを続けたまま、陛下は私の胸と愛液まみれの肉芽に手を滑り込ませてこねくり回す。

「はぁ、んっ、ア、や、やぁ……っ、へいかぁ……ッ」

 終わらせてくれない。でも、これじゃあまるで――。
 快感で訳が分からなくなった頭に浮かんだことを、私は思わず口にする。

「わた、しに……あいされ、たいの……ですか……?」

 ベルゼム陛下が息を詰める。

 答えてはくれなかった。
 ただ苛立たしげに私を喘がせ、甘い快感に溺れさせるばかりだった。
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