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二章 ガチムチ占い師のお導き~お前が占い師なのかよっ!~

ガチムチ神の占い

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 おっさん――ガチムチ神は水晶に両手をかざし、小さくうなり始める。

 なんか体の周りがもやもやしてきたなと思っていたら、次第に髪や服がわずかに浮く。力が溢れているんだな。これぞファンタジーって感じで、ちょっとテンション上がる。

 どんな結果が出るんだ? と密かにワクワクしていると――パァンッ! なぜかガチムチ神のローブが弾け飛び、見事なガチムチの裸体が露わになった。

「うぉぉぉいっ! 何してんだよ、おっさん!」

「し、仕方ないだろ。こうでもしなければ結果が出てこないのだからな」

「いや、弾けるって分かってんなら、もっと丈夫な装備にしろよ」

「どれほど強い防具でもこうなる。それだけ儂の力は強いのだ……だから最安値のローブ一枚で十分だ」

 ……つまり、ローブの下は真っ裸だったってことか? 転生前に見たパンツなしの生装備のままってことか? せめて履けよパンツは。おっさんには神の威厳っていうものはないのかよ。

 心の中でツッコむしかできないオレをよそに、ガチムチ神は水晶玉に映ったものを指さす。

 うっそうとした森の中に、小さくキラリと輝く緑色の光。
 なんだこれ? とオレが水晶を覗き込むと、クウガとアグードも近づいて見つめてきた。

「この輝きは? 見ているだけで心が落ち着くような……」

 ガチムチ神の真っ裸に慣れてしまったのか、何事もなかったようにクウガが平然と話しかける。先にこの光景を見たから冷静でいられるんだろうけど、これは何回目の当たりにしても慣れないだろ。スゲーな、クウガ。

 オレが変な感心をしていると、ガチムチ神も平然と答える。

「聖玉と呼ばれる力を秘めた石だ。ここより北の山を二つ越えた森の奥深くにあるのだが、魔物と対峙する前に手に入れることが先決だ」

「これがなければ倒せないのか?」

「うむ。魔物の力が強すぎて、会った瞬間に呪いに蝕まれて肉体を奪われるだろう……この森を抜けてさらに北へ向かった先に魔物の城があるが、焦って行くのではないぞ」

 魔物の城って……サダナックって城持ちなのかよ。魔王じゃねーのか、それ?オレたち三人だけでどうにかできる相手なのか?

 内心首を傾げながら、オレは不安を覚えてしまう。もし倒せなかったらクウガは魔物に肉体を奪われるし、オレは淫紋でクウガに入った魔物にヤられる――うわあああっ、絶対ヤダ! 百歩譲ってアグードはいいけど、クウガの体で好き勝手されるのはダメだ!

 オレは頬を引きつらせながら、ガチムチ神に尋ねてみる。

「なあ……オレも呪われちまったんだけど、どうすれば解ける?」

「なんだと? ちょっと待ってろ……フンッ!」

 ガチムチ神が水晶玉に手をかざして力を注いだ瞬間、パァンッ! と筋肉が弾けた。あと衝撃で思わずオレの体がフラついた。ヤバいな、ガチムチ神の占い。

「……こ、これは……」

「どうやったら解けるんだ? やっぱりクウガと同じで、魔物倒したら解けるのか?」

「違う……これは、所有の証。呪いではない。あと魔物が自らお主を捨てねば、これは消えることがない」

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