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2 Blue Brain BBomber
#2α
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俺の名はリョウスケ、現在K大付属高等学校2年生、新学期には晴れて3年生だ。俺は狙われている!
丁度3日前、3月26日、俺たちは春休みを利用して、廃都市郊外のT駅廃墟へ肝試しに向かった。
T駅はもともとT市近郊のハブ駅で、20年前の「大混乱」で街の機能が失われる前は日本全国からの人流で栄えたたらしい。
今は線路の軌条は持ち去られ何の役にも経たない瓦礫とビル群だけが残り、そこに4階建てのT駅は佇んでいるのだ。
メンバーは俺を含めて5人、うち1人は女子で名前はナホコ、去年の夏からお付き合いしている俺の彼女だ(笑)。残りの3人はいつもつるんでいる友人で紹介は割愛させてもらう(爆笑)。
今回の目的は廃墟探索なのだが、実はその前にちょっとしたイベントがある。それは……。
今回の目的は廃墟探索なのだが、実はその前にちょっとしたイベントがある。それは……。ジーンサーモンの養殖場でのBBQ大会だ。
K大とT駅のほぼ中間にあるこの養殖場ではT市を流れていた一級河川S河を塞き止めた養殖池で遺伝子組み換えサーモン、通称ジーンサーモンの養殖を行っている。
この養殖場は「大混乱」の時に放棄されたのだが、その後、偶然にも生き残った魚たちが住み着き繁殖していたのだ。
それを、今回俺達の友人であるBの兄が養殖場の関係者なので格安で分けてもらったのだ。
お昼を少し回った頃、現地に到着した俺達は早速準備に取り掛かった。
数時間後、野味溢れるジーンサーモンを堪能し腹ごしらえを済ませた俺たちは、準備を整えいざ出発となった。
その時、事件は起こった。
養殖場の周囲は廃都市のものより小規模だが異形除けが張られた雑木林に守られている。しかし、この雑木林を抜ける
けるとすぐそこはもう旧市街地、つまり大混乱以前の町並みが広がっているのだ。
俺達がBの兄に借りた養殖場のバンで雑木林を抜けようとした時、ガサガサと茂みが大きく揺れ……刹那、突如異形が現れた!
異形は蛸のような脚をうねうねと動かしながらこっちに向かってくる
(ヤバイぞ!あれはヤバイ奴だ!)
そう思った瞬間、異形は触腕をこちらにシュッ!と伸ばしてきた。俺は咄嵯に財布、通信端末、おやつの入ったバックとナホコの腕をひっつかみ乱暴にバンのドアを閉めた。その頭上を異形の触手が通過した。触手はそのまま鞭のようにしなりBを捕らえた!
「あぐぅ!」
捕まったBはなすすべなく異形の体にズブズブと飲み込まれて
いく
「お…え……お、オノさん……な……ナホコ!!……たすけ……」
Bの声は次第に小さくなっていった。
なぜあいつがナホコを気安く名前で呼ぶ?そんな場違いな思考が一瞬頭をよぎったがすぐに現実に引き戻された。異形が今度はバンを狙ってきたからだ。
「ひぃいいいい!」
恐怖でパニック状態になったAは悲鳴をあげつつ養殖場の方角に駆け出していった
「くそお!」
俺は誰にともなく怒りをぶつけバンを急発進させた。いくつか異形除けをなぎ倒した気がするが構っている余裕はない。
3日後、どこをどう走ったのか全く覚えていないが俺達は廃都市の真っ只中にいた。道中何度か異形に襲われそうになったがなんとかやり過ごした。幸い誰も怪我はなかったが精神的疲労はかなりのものになった。
あの日から3日間、俺達はT駅の立体駐車場跡ででじっとK大の救助を待っていた。テレビル物質の霧や異形を警戒してのことだ、何より俺たちはBの死という突然の出来事に頭が混乱し落ち着くのにそれだけの時間を要したのだろう。
「旨いものが食べたい」Cが唐突に言った。
「ああ、いたのかC」
「なんでやねん、ずっとそばにいたやんけ」
Cは2年前、大阪の「病院」から親の異動に伴って引っ越してきた生粋の関西人だが影が薄い男でメディアミックスの際は非常に苦労するだろう。実写化の際、キャストは杉◯遥祐君でお願いします。
「リョウスケ、コンビニに行って弁当買ってきてくれへんか」
「……お前つまらないギャグ言う元気はあるんだな」
「ギャグちゃうわボケ」
幸いバンにはこうした事態を想定して、一週間分程度の食料や水が常備されており
もうしばらく飢えることはない。おやつの柿の種もあるしご機嫌な野宿生活だ。
と「お風呂あいたよ~♪」
バンの据え付けのバスルームから出てきたのはナホコだった。ナホコは
あの日以来、どこか様子がおかしい。何か思いつめているような感じであまり口も利いてくれない。
まぁ、こんな状況じゃ無理もないとは思うが……。
「おっ!次は俺の番や!」
そう言っていそいそとバンに乗り込もうとするCの肩をつかんで俺はこう告げた。
「待った!お前の順番は最後だ」
「えっ!?なんでや?」
「それはだな……」俺はナホコに聞こえないように小声でCに耳打ちした。
「(今ナホコと一緒に入るのはまずいだろ)」
「(あっ!せやった、すっかり忘れとった!)」
俺達のやりとりを見たナホコが怪しげにこちらを見ていたが 俺達は気付かないふりをして雑談を続けた。それからしばらくして俺はバスルームを使うためバンに乗り込もうとした……その時、俺の背後から凄まじい衝撃が襲ってきた!振り返るとそこには……Bがいた。
「うがあああああ!!」
Bは雄叫びをあげながら俺に飛び掛かってくる!
「うおお!」
間一髪で避けるが、Bは執拗に俺を追ってくる!
「うぉりゃあああ!!」
Bはまるで獣のように襲いかかってくる!着の身着のままバンを飛び出した俺は外にいるCとナホコに助けを求めようとしたが……
「おらあ!」
CがBに殴りかかる!しかし、あっさりとかわされ逆にCが吹っ飛ばされた!
「ぎゃばあ!」
Cはそのまま動かなくなった。
「ナホコ逃げろ!」
俺は叫ぶがナホコは腰を抜かしその場にへたり込んだまま動けなくなっていた。Bは口の端を吊り上げナホコに歩み寄るとゆっくりと手を伸ばし……その時Bの頭が突然弾けとんだ……!
「あっちゃ~二枚抜き仕損じた~」
「バカっ!生存者に当たっちまうだろ」
「は~~!?あんたが早く撃てって言ったんでしょ、 バカ!クロエのバカっ!」
「んにゃろ~!!」
緊張感のないやり取りをしながらその場に現れたのは、黒く艶めかしい細身のパワードスーツに、直に有機的な鎧を肉付けしたような「異形」の二人組だった。
丁度3日前、3月26日、俺たちは春休みを利用して、廃都市郊外のT駅廃墟へ肝試しに向かった。
T駅はもともとT市近郊のハブ駅で、20年前の「大混乱」で街の機能が失われる前は日本全国からの人流で栄えたたらしい。
今は線路の軌条は持ち去られ何の役にも経たない瓦礫とビル群だけが残り、そこに4階建てのT駅は佇んでいるのだ。
メンバーは俺を含めて5人、うち1人は女子で名前はナホコ、去年の夏からお付き合いしている俺の彼女だ(笑)。残りの3人はいつもつるんでいる友人で紹介は割愛させてもらう(爆笑)。
今回の目的は廃墟探索なのだが、実はその前にちょっとしたイベントがある。それは……。
今回の目的は廃墟探索なのだが、実はその前にちょっとしたイベントがある。それは……。ジーンサーモンの養殖場でのBBQ大会だ。
K大とT駅のほぼ中間にあるこの養殖場ではT市を流れていた一級河川S河を塞き止めた養殖池で遺伝子組み換えサーモン、通称ジーンサーモンの養殖を行っている。
この養殖場は「大混乱」の時に放棄されたのだが、その後、偶然にも生き残った魚たちが住み着き繁殖していたのだ。
それを、今回俺達の友人であるBの兄が養殖場の関係者なので格安で分けてもらったのだ。
お昼を少し回った頃、現地に到着した俺達は早速準備に取り掛かった。
数時間後、野味溢れるジーンサーモンを堪能し腹ごしらえを済ませた俺たちは、準備を整えいざ出発となった。
その時、事件は起こった。
養殖場の周囲は廃都市のものより小規模だが異形除けが張られた雑木林に守られている。しかし、この雑木林を抜ける
けるとすぐそこはもう旧市街地、つまり大混乱以前の町並みが広がっているのだ。
俺達がBの兄に借りた養殖場のバンで雑木林を抜けようとした時、ガサガサと茂みが大きく揺れ……刹那、突如異形が現れた!
異形は蛸のような脚をうねうねと動かしながらこっちに向かってくる
(ヤバイぞ!あれはヤバイ奴だ!)
そう思った瞬間、異形は触腕をこちらにシュッ!と伸ばしてきた。俺は咄嵯に財布、通信端末、おやつの入ったバックとナホコの腕をひっつかみ乱暴にバンのドアを閉めた。その頭上を異形の触手が通過した。触手はそのまま鞭のようにしなりBを捕らえた!
「あぐぅ!」
捕まったBはなすすべなく異形の体にズブズブと飲み込まれて
いく
「お…え……お、オノさん……な……ナホコ!!……たすけ……」
Bの声は次第に小さくなっていった。
なぜあいつがナホコを気安く名前で呼ぶ?そんな場違いな思考が一瞬頭をよぎったがすぐに現実に引き戻された。異形が今度はバンを狙ってきたからだ。
「ひぃいいいい!」
恐怖でパニック状態になったAは悲鳴をあげつつ養殖場の方角に駆け出していった
「くそお!」
俺は誰にともなく怒りをぶつけバンを急発進させた。いくつか異形除けをなぎ倒した気がするが構っている余裕はない。
3日後、どこをどう走ったのか全く覚えていないが俺達は廃都市の真っ只中にいた。道中何度か異形に襲われそうになったがなんとかやり過ごした。幸い誰も怪我はなかったが精神的疲労はかなりのものになった。
あの日から3日間、俺達はT駅の立体駐車場跡ででじっとK大の救助を待っていた。テレビル物質の霧や異形を警戒してのことだ、何より俺たちはBの死という突然の出来事に頭が混乱し落ち着くのにそれだけの時間を要したのだろう。
「旨いものが食べたい」Cが唐突に言った。
「ああ、いたのかC」
「なんでやねん、ずっとそばにいたやんけ」
Cは2年前、大阪の「病院」から親の異動に伴って引っ越してきた生粋の関西人だが影が薄い男でメディアミックスの際は非常に苦労するだろう。実写化の際、キャストは杉◯遥祐君でお願いします。
「リョウスケ、コンビニに行って弁当買ってきてくれへんか」
「……お前つまらないギャグ言う元気はあるんだな」
「ギャグちゃうわボケ」
幸いバンにはこうした事態を想定して、一週間分程度の食料や水が常備されており
もうしばらく飢えることはない。おやつの柿の種もあるしご機嫌な野宿生活だ。
と「お風呂あいたよ~♪」
バンの据え付けのバスルームから出てきたのはナホコだった。ナホコは
あの日以来、どこか様子がおかしい。何か思いつめているような感じであまり口も利いてくれない。
まぁ、こんな状況じゃ無理もないとは思うが……。
「おっ!次は俺の番や!」
そう言っていそいそとバンに乗り込もうとするCの肩をつかんで俺はこう告げた。
「待った!お前の順番は最後だ」
「えっ!?なんでや?」
「それはだな……」俺はナホコに聞こえないように小声でCに耳打ちした。
「(今ナホコと一緒に入るのはまずいだろ)」
「(あっ!せやった、すっかり忘れとった!)」
俺達のやりとりを見たナホコが怪しげにこちらを見ていたが 俺達は気付かないふりをして雑談を続けた。それからしばらくして俺はバスルームを使うためバンに乗り込もうとした……その時、俺の背後から凄まじい衝撃が襲ってきた!振り返るとそこには……Bがいた。
「うがあああああ!!」
Bは雄叫びをあげながら俺に飛び掛かってくる!
「うおお!」
間一髪で避けるが、Bは執拗に俺を追ってくる!
「うぉりゃあああ!!」
Bはまるで獣のように襲いかかってくる!着の身着のままバンを飛び出した俺は外にいるCとナホコに助けを求めようとしたが……
「おらあ!」
CがBに殴りかかる!しかし、あっさりとかわされ逆にCが吹っ飛ばされた!
「ぎゃばあ!」
Cはそのまま動かなくなった。
「ナホコ逃げろ!」
俺は叫ぶがナホコは腰を抜かしその場にへたり込んだまま動けなくなっていた。Bは口の端を吊り上げナホコに歩み寄るとゆっくりと手を伸ばし……その時Bの頭が突然弾けとんだ……!
「あっちゃ~二枚抜き仕損じた~」
「バカっ!生存者に当たっちまうだろ」
「は~~!?あんたが早く撃てって言ったんでしょ、 バカ!クロエのバカっ!」
「んにゃろ~!!」
緊張感のないやり取りをしながらその場に現れたのは、黒く艶めかしい細身のパワードスーツに、直に有機的な鎧を肉付けしたような「異形」の二人組だった。
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