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攻撃魔法が思いつかない
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背後に広がる氷の世界。一方でナターシャは、ドラゴンと闘えと言う。
慌てる美亜とは対照的に、傍に突っ立っているツカサは、何食わぬ表情で美亜を見ている。
「な、何見てんのよ! 聞いてたでしょ? なんか。なんか無いの? 気の利いた魔法とか。あんたも考えなさいよ!!」
若干イラついて、ツカサに当たり散らした美亜。ツカサは無表情なまま首を傾げただけだった。
足が速いのはわかっているけれど、見るからに非戦闘系な雰囲気のツカサ。ドラゴンに向かって行けとも、アレックスを助けに行けとも言い難い。むしろ、いざと言う時の救護係として安全なところに隠れていてくれた方がいいかもしれない。
ドラゴンと激しく戦うガストール。両刃の斧を振り回して、ドラゴンに叩き付けている。だが、ドラゴンの体には傷が殆ど付いていないように見える。それでも連続して攻撃を繰り返しているのは、ドラゴンにブレスを吐かせる隙を与えない為なのか。明らかに苦しい状況だ。ここで少しでも休めばドラゴンの激しい攻撃が降ってくるだろう。そうなったら倍返しどころの騒ぎじゃない。
ドラゴンに効きそうな攻撃って……。攻撃魔法って……。
一体なんなんだ。全く思いつかない。
隣ではナターシャが弓を放っている。弓の先端は魔法による薄緑色の光を纏っている。薄緑色の光はドラゴンに効くのだろうか。けれどそれは何の魔法なんだろう。ここでいちいち、その仕組みを聞いている場合でもない。
攻撃魔法……。攻撃……。ドラゴン? 恐竜? 怪獣? 怪獣相手の攻撃……。
美亜の頭の中では、円谷プロやらハリウッド映画やら、怪獣だか何だかと激しく戦う映像が走馬灯のように駆け巡る。
ビルみたいな高さの怪獣に向かって飛んでいく……。武器……。兵器……。
それってやっぱり……。
ロケットランチャーしか思いつかない!
慌てる美亜とは対照的に、傍に突っ立っているツカサは、何食わぬ表情で美亜を見ている。
「な、何見てんのよ! 聞いてたでしょ? なんか。なんか無いの? 気の利いた魔法とか。あんたも考えなさいよ!!」
若干イラついて、ツカサに当たり散らした美亜。ツカサは無表情なまま首を傾げただけだった。
足が速いのはわかっているけれど、見るからに非戦闘系な雰囲気のツカサ。ドラゴンに向かって行けとも、アレックスを助けに行けとも言い難い。むしろ、いざと言う時の救護係として安全なところに隠れていてくれた方がいいかもしれない。
ドラゴンと激しく戦うガストール。両刃の斧を振り回して、ドラゴンに叩き付けている。だが、ドラゴンの体には傷が殆ど付いていないように見える。それでも連続して攻撃を繰り返しているのは、ドラゴンにブレスを吐かせる隙を与えない為なのか。明らかに苦しい状況だ。ここで少しでも休めばドラゴンの激しい攻撃が降ってくるだろう。そうなったら倍返しどころの騒ぎじゃない。
ドラゴンに効きそうな攻撃って……。攻撃魔法って……。
一体なんなんだ。全く思いつかない。
隣ではナターシャが弓を放っている。弓の先端は魔法による薄緑色の光を纏っている。薄緑色の光はドラゴンに効くのだろうか。けれどそれは何の魔法なんだろう。ここでいちいち、その仕組みを聞いている場合でもない。
攻撃魔法……。攻撃……。ドラゴン? 恐竜? 怪獣? 怪獣相手の攻撃……。
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