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第446話 ドリーム・シアター at 1996/2/2
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「……何見てるの?」
「………………えっ!?」
そう言われるまで、僕はすぐそばにロコがいることにまったく気づいていなかった。
あわてて視線をそらす――が、その誘惑はあまりに強烈すぎて。
「何見てるの、って聞いたんだけどなぁー」
そうフシをつけて歌うように言いながら、ロコは僕の視線の先にある、白いショートパンツに包まれたお尻を二つのてのひらで覆い隠してしまった。でも、嫌がっている、というよりはおもしろがっているように感じる。
「な――何も見てないってば」
「んー? ……やっぱ見てるじゃん?」
僕の頬がたちまち熱くなる。
怒ったようにそっぽを向いたが――すっ、とロコの手が離れたとたん、やっぱり僕はロコを見つめてしまっていた。まるで視線が見えるとでもいうように、ロコは敏感にそれを察知して、再びてのひらで覆い隠す。でも、さっきよりスキマだらけだ。
立ち止まっているのに、まわりの景色が変化していく。
ああ、どうやらエスカレーターに乗っているらしい。
再び前を向くと、やっぱりそこにはロコのお尻があって、リズムをとるように小刻みに揺れていた。段差のおかげでちょうど僕の目の前にそれがある。だから余計に気になってしまう。
「……ねえ?」
「……う、うん」
「そんなにあたしのお尻、スキ?」
「――っ!?」
違う、誤解だ! と叫ぼうとしたのだが、僕の舌は凍りついたように動かない。
わずかに開いたままの口からは荒い息遣いが漏れるだけだ。
それを聞き留めたロコは、くすり、と笑った。
「そっか……ケンタ、童貞だもんね。興味……あるよね………………触ってみる?」
「な――っ!?」
「いいよ、別に。ケンタだもん。ううん、ケンタだから……いいよ」
いやいやいやいや!
ダメに決まってるだろ――とココロでは思っているのに、僕の手は勝手に伸びていく。
「……ほら? あたしのお尻、カッコいいでしょ? 遠慮しないで……触って……ね?」
「い、いや、だから僕は――!」
「とか言って……ほら、あと……もうちょっとで……んっ……」
僕の手が触れたとたん、ロコはたまらず熱い吐息を漏らした。
熱い――やけどしそうなくらいに熱い。
その熱さに手を焦がしながら、僕はゆっくりとそのすべやかな曲線に合わせてゆっくりと手を滑らせていく。そのたび、ロコの内ももにさざ波のように震えが走った。
「あはっ……いいよ、ケンタ……そのまま……ううん、もっと……もっと強くして……」
肩に埋めるように顔を寄せたロコが、僕の耳に甘い囁きを流し込む。そのなまめかしさに僕は操られたかのように徐々に速度を上げて、徐々にチカラを込めて、ロコの導くままに――。
「んっ……! そこぉ……!」
これは夢だとわかっているのに。
現実感がありすぎて、僕はどうにかなりそうだった。
その甘い囁きも、そのなめらかでやわらかい感触も、すべてが、まるで現実のようで――。
そして、僕は――。
再び深い眠りの底へと落ちていった。
「………………えっ!?」
そう言われるまで、僕はすぐそばにロコがいることにまったく気づいていなかった。
あわてて視線をそらす――が、その誘惑はあまりに強烈すぎて。
「何見てるの、って聞いたんだけどなぁー」
そうフシをつけて歌うように言いながら、ロコは僕の視線の先にある、白いショートパンツに包まれたお尻を二つのてのひらで覆い隠してしまった。でも、嫌がっている、というよりはおもしろがっているように感じる。
「な――何も見てないってば」
「んー? ……やっぱ見てるじゃん?」
僕の頬がたちまち熱くなる。
怒ったようにそっぽを向いたが――すっ、とロコの手が離れたとたん、やっぱり僕はロコを見つめてしまっていた。まるで視線が見えるとでもいうように、ロコは敏感にそれを察知して、再びてのひらで覆い隠す。でも、さっきよりスキマだらけだ。
立ち止まっているのに、まわりの景色が変化していく。
ああ、どうやらエスカレーターに乗っているらしい。
再び前を向くと、やっぱりそこにはロコのお尻があって、リズムをとるように小刻みに揺れていた。段差のおかげでちょうど僕の目の前にそれがある。だから余計に気になってしまう。
「……ねえ?」
「……う、うん」
「そんなにあたしのお尻、スキ?」
「――っ!?」
違う、誤解だ! と叫ぼうとしたのだが、僕の舌は凍りついたように動かない。
わずかに開いたままの口からは荒い息遣いが漏れるだけだ。
それを聞き留めたロコは、くすり、と笑った。
「そっか……ケンタ、童貞だもんね。興味……あるよね………………触ってみる?」
「な――っ!?」
「いいよ、別に。ケンタだもん。ううん、ケンタだから……いいよ」
いやいやいやいや!
ダメに決まってるだろ――とココロでは思っているのに、僕の手は勝手に伸びていく。
「……ほら? あたしのお尻、カッコいいでしょ? 遠慮しないで……触って……ね?」
「い、いや、だから僕は――!」
「とか言って……ほら、あと……もうちょっとで……んっ……」
僕の手が触れたとたん、ロコはたまらず熱い吐息を漏らした。
熱い――やけどしそうなくらいに熱い。
その熱さに手を焦がしながら、僕はゆっくりとそのすべやかな曲線に合わせてゆっくりと手を滑らせていく。そのたび、ロコの内ももにさざ波のように震えが走った。
「あはっ……いいよ、ケンタ……そのまま……ううん、もっと……もっと強くして……」
肩に埋めるように顔を寄せたロコが、僕の耳に甘い囁きを流し込む。そのなまめかしさに僕は操られたかのように徐々に速度を上げて、徐々にチカラを込めて、ロコの導くままに――。
「んっ……! そこぉ……!」
これは夢だとわかっているのに。
現実感がありすぎて、僕はどうにかなりそうだった。
その甘い囁きも、そのなめらかでやわらかい感触も、すべてが、まるで現実のようで――。
そして、僕は――。
再び深い眠りの底へと落ちていった。
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