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希空と真宙

2.休んじゃおう【P7】

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「学校に行くことを拒んでる?」


 ……‼


 突かれた……‼
 核心を……‼


 って。
 私、そんなにもわかりやすい態度をとっていたのかな⁉


「もしかして、赤信号に気付かずに車道に出てしまうまで考え事をしていたことと関係あるの?」


 ……‼

 すっ……鋭い……‼


「もし、そうなら……」


 もし、そうなら……?


「何か悩みがあるなら俺に話してよ。
 話しか聞けないかもしれないけど、
 話すことによって少しは気が楽になるかもしれない」


 男の子は親切に言ってくれている。

 けれど。
 話せるわけがない。
 本当のことなんて。


「そうだ、学校、休んじゃおう。
 それで君の話を聞く」


『大丈夫』
 そう返答しようと思った。

 のだけど。


 突然、男の子がそう言ったから。

 驚き過ぎて言葉が出てこない。


 確かに私自身は学校を休みたい気持ちではあるけれど。

 まさか男の子から、そう言われるなんて。


 男の子が言った言葉に、どう対応すればいいのか。

 わからなくて頭の中が上手く働かない。

 どうしよう。
 こういうときは、どう対応すれば……。


「じゃあ、行こう」


 まだ何も返事をしていないのに。
 男の子は私の腕を掴み。
 駅とは反対の方向へ歩き出した。


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