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卒業という始まり
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夜になり。
夕飯を食べ終え。
入浴を済ませ。
今は。
隼理くんと一緒にベッドで横になっている。
隼理くんと過ごす時間。
すごく好き。
ドキドキし過ぎて心臓がどうにかなりそうなときがあるけれど。
それ以上に。
穏やかで癒されて心地良い。
それがすごく幸せで。
そんな気持ちに包まれながら隼理くんのことを見ると。
隼理くんも私のことを見た。
しばらく見つめ合ったあと。
私と隼理くんは、お互いを求め合うように深くて甘いキスを……。
「……夕鶴」
隼理くんはやさしく唇を離し、甘い声のトーンで私の名前を呼んだ。
「俺……」
隼理くんの熱を含んだ甘い眼差し。
そんな眼差しをしながら隼理くんは何かを言おうとしている。
「夕鶴が高校生のときは……
かなり抑えていた」
……?
抑えていた?
何のこと?
「もっと深く愛したかったのに……」
え……?
「高校生だったから、
やっぱり、それ以上は……と思っていた」
それ以上……?
「だけど、
昨日、夕鶴が高校を卒業して……
もう、そろそろ……いいかなと思った」
そろそろ?
いいかなと思った?
それは一体……?
「……夕鶴、
俺は、もっともっと夕鶴のことを深く愛したい」
「……?
隼理くん……?
私は充分に隼理くんから愛をもらっているよ」
「……そういう意味じゃない」
……?
そういう意味じゃないって……?
「……夕鶴……
……初めてだから緊張するだろうけど……」
……‼
しゅっ……隼理くんっ。
もっ……もしかして……っ。
「欲しい、
俺は夕鶴のすべてが欲しい」
隼理くん……。
初めてのことだから。
怖くないといえば噓になる。
だけど。
隼理くんと一緒なら……。
だから……。
「……私も……
隼理くんのすべてが……欲しい」
いつもよりも。
胸の鼓動が。
高鳴っている。
全身も熱くなっている。
私だけではなく。
隼理くんも……。
初めてのことだから。
わからないことだらけで。
戸惑うこともある。
だけど。
隼理くんが上手くリードしてくれていて。
そのおかげで。
私は隼理くんに心地良く包み込まれている。
「愛してる、夕鶴」
私も。
「愛してる、隼理くん」
何度も。
何度も何度も。
お互いの名前を呼び合い。
私と隼理くんは。
より愛を深めていった。
隼理くんとの深くて甘い夜は。
まだ始まったばかり。
今日だけじゃない。
これからも、ずっと。
♡end♡
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