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夏フェスに想いを乗せて

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 それから一週間が経って。
 あの日以来、脅迫状が下駄箱の中に入っていることはない。


 あれは何かの間違いだったのかもしれない。
 そう思うようになってきて。

 今日もいつものように登校している。


 学校に着いて昇降口に入り。
 下駄箱の扉を開けた。


 え……。


 あまりにも衝撃過ぎて。
 下駄箱の中から目を逸らしたくなった。


 下駄箱の中には。
 また入っている。
 四つ折りにしてある白い紙が。


 嫌でも。
 思い出されてしまう。
 一週間前のことを。

 そのときと全く同じ。
 まるで一週間前に戻ったかのよう。


 すごく嫌。
 見たくない。

 でも。
 見ないなら見ないで。
 別の恐怖が襲ってきそう。

 だから。

 恐る恐る下駄箱の中に手を伸ばし。
 四つ折りの白い紙を手に取った。

 震えている、手が。
 折りたたまれている紙の中を見ようと思うと。

 見たくない。
 でも見なければ。
 そんな二つの気持ちが葛藤していて。

 そこに恐怖心も混ぜ合わさって。
 心の中が嵐のように荒れている。


 どうしよう。
 下駄箱の前でじっと立ったままというわけにはいかない。

 とりあえず内容は見ないで教室へ向かおうか。



「おっはよ、夕鶴」


 そう思っていると。
 朝海が私の肩を軽くポンとした。


「……おはよ」


 今の。
 心境が表れてしまった。
 挨拶をしたときの声のトーンが、ものすごくどんよりとしてしまって。


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