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しすたーずとさいきょーぱーてぃー☆

さいきょーぱぁーてぃーの、ひにちじょおー

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「なあ…ここまで、みんなで冒険して来たわけだが…。」

 と、キョウ。

「早いもんねぇ。」

 と、ウミ。

「ほんと。」

 と、メイ。

「やはり、運命さだめであったか。」

 と、ドーラ。

「まさか、いちばんさいしょに、まおうのま、に、たどりついちゃうなんて…」

 と、テイカ。

 そう、彼らがいるのは…魔王の間である。
 この世界でのダンジョンは約150存在する。
 それらを、彼らは1日ずつ潰しているので、単純計算して、150日ということになる。
 よって、【こもん☆でぃすてにー】は今日で結成150日目なのである。

「そう思うと、感慨深いなぁ…
 じゃあ、行くぞ!」

 キョウは一人一人、ゆっくり目を合わせる。
 キョウの言葉に皆、頷く。
 キョウは、自分よりも数十倍大きい扉を開ける。

 ––––––すると––––––

「よく来たな、勇敢な冒険者よ。
 しかし、お前達の望みは叶わない。
 なぜなら、ここで、お前達は跡形もなく朽ち果てるからだ!」

 大きすぎて姿も見れないまま、魔王らしき人物が決めゼリフを言い放し、いきなり魔法を放ってきた。
 空間を突っ切るような、激しく強力な闇魔法のようだ。

「…!っぶね。結構強いもんだな。魔王ってヤツは…………」

 キョウは闇魔法の攻撃を避けて、そう呟きかけたのだが…
 
 闇を切り裂いて出て来たのは…ゴブリンだった。

「ん?????どういうこと⁉︎なんでここにゴブリン?」

 ウミはそう言って目が点になるほど驚いている。
 メイは頭を面倒くさそうにかく。
 ドーラは状況が読めず辺りをキョロキョロ。
 テイカは今にも敵を殺す手段を考えている。

「…まずは、こいつを、ぶっころす。
 それでいい?キョウにぃ。」

 冷静に状況を判断するテイカに、驚きながらも、彼女の提案に頷くキョウ。

「闇魔法だ。気をつけて。何が起こるか分からないから。」

 キョウはそれだけ注意換気をして、あとはテイカに任せる。

「うん。分かった。」

 テイカは頷くと、ゴブリンの方を真っ直ぐ睨みつけ、見据える。それを見て、ゴブリンは口を開く。

「ゴブリンだからと、侮っているのか?だが俺はゴブリンの中で一番強い。ダクネス様の護衛だってつとめている。
 さあ、俺の実力をとくと見るがよい!
 俺の名は、ラザn…ぃあ。…グハッ!」

 その時、ゴブリンは倒れた。
 その時、ゴブリンはられた。
 その時、ゴブリンは後悔した。
 その時、ゴブリンは…名を言いたかった。
 その時、ゴブリンは悟った。もっと早く言っていれば、と。
 
 もし、この勇者達が魔王を倒して、その伝記が、後世に記されるならば…ゴブリンとしか、書かれないだろうな。所詮、ゴブリン1にすぎないんだ。

 だが、少しでもゴブリンの言いかけた名を覚えてくれたなら…

 『ラザn…ぃあ。』…か。
 絶対、《ラザニア》と書かれるだろうな。あの料理、美味しいよな。そっちの方が黒歴史だな。
 ゴブリン1の方がマシだな。

 走馬灯を見て、そんな事を思って逝った、ゴブリンは、テイカにより、ぐりぐりされ、元あった形を変え、無残なものになっていた。
 

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