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頼んでいた物を設置してもらうために、キルさんに家の中に入って貰った。
「まず、お風呂に取りかかりますね。」
「はい。」
お風呂へ向かい、まずは浴槽内のタイルを直すらしい。
割れてるもの、剥がれかけてるものを全て取り除き、新しいタイルをはめ込み、セメントの様なものを上から塗り込む。
その後、手をかざして魔法をかけると、柔らかそうだったそれが、みるみる堅くなっていくのがわかった。
「これで大丈夫です。」
「これは、今日入っても問題ないんですか?」
「問題ありませんよ。魔法で乾燥と定着をしているので、即時完成なんです。」
「おぉ!凄いですね!」
タイルを直すと次は、薪でお湯を沸かすための場所に移動し、取り出した魔道具を手際よく取り付けていく。
その作業が終わると、蛇口の所へ行き、新たなボタンを取り付ける。
「これでよしっと。次は魔法石だね。」
こっちは簡単で、蛇口の後ろに付いてる蓋をあけ、出てきた窪みに水の魔法石を入れるだけだった。
キルさんが蛇口を捻ると、ザァ!と水が出た。
ある程度溜まった所で水を止めて、新たに取り付けたボタンを押す。
するとものの数秒で湯気が立ち始めた。
思わず手を入れてみたが、とてもホカホカとしていてとても気持ちがいい。
「お湯だぁ!」
「問題なさそうですね。こちらの魔道具は、とても単純な作りになっているので、稼働している間中温め続けます。かなり高温までなるので、適温で止めてください。」
「分かりました!」
「それじゃぁ、次はベッドを置きに行きましょうか。」
まってました!!
「置きましょう!すぐ置きましょう!」
部屋に案内して、設置してもらう。
「よいしょっと」
カバンからベットを取り出す。
とんでもない大きさの物が鞄から出てくる様は、どこか青色のロボットを思わせる。
キルさんは軽々と持ち上げて、そっと部屋に置いた。
「うん、サイズは問題なさそうだ。」
確かにお願いした通り部屋の幅ぴったりのベッド。
「ベッドって重くないんですか?」
「ん?いや、リアルと同じ重さがあるよ。今回は強度を持たせる為に更に重いしね。」
「どうやって持ってるんですか?」
「身体強化のスキルだよ。木工などは意外に体力勝負な所があるからね。」
「へぇ!」
確かに木材一つとっても、かなりの重さだろうしね。
「さて、このマットを置いて完成だ。」
「ありがとうございます!」
「おっと、忘れる所だった。これも一緒に使ってくれるかい?」
そう言って鞄から取り出したのは、折り畳まれた大きそうなタオルだった。
「これ、なんですか?」
広げてみると、本当に大きなタオル。とても鮮やかな色で、所狭しと刺繍がしてある。ベッドと一緒にって事はタオルケットかな?
「先日貰った羊毛を奥様方に納品したらね、とても上質で喜んでくれて、ケイト君が持ってきてくれたんだと伝えたら、お礼がしたいって言って持ってきてくれたんだ。」
「え?でも、あれは、ちゃんと報酬頂いてますよ?」
「もちろん、それは皆んな分かってるよ。引越し祝いとでも思っておけば良いんじゃないかな。」
「それこそ、歓迎会して貰ってるのに。」
「まぁまぁ、きっと今後に期待してるって事なんだよ。また羊毛とかよろしくね。」
「う~、そういう事なら頂きます。それにしても、この刺繍凄いですね!」
「本当だよね。これは、この村の女性の手仕事なんだ。」
「なるほど。」
村の人たちの為にも、頑張らないとだな!
「それじゃあ、頼まれてたのは以上だけど、問題なさそうかな?」
「はい!ありがとうございました!」
俺の礼に合わせて、皆んなも頭を下げる。これ、固定されてきたなぁ。
「あ、そう言えば、支払いって現金ですか?カードでも大丈夫ですか?」
最初に確認するの忘れてたよ!
「カードで大丈夫だよ。ちゃんと端末持ってきたしね。」
キルさんが、鞄から支払い機を取り出し操作する。
「全部で31,000$になります。」
「お願いします。」
カードを機械に触れさせると、ピロリロリーンといつもの音がなる。
「はい、確かに。またどうぞ。」
そう言ってキルさんは帰っていった。
「みんな!早速お風呂入ろう!」
「まず、お風呂に取りかかりますね。」
「はい。」
お風呂へ向かい、まずは浴槽内のタイルを直すらしい。
割れてるもの、剥がれかけてるものを全て取り除き、新しいタイルをはめ込み、セメントの様なものを上から塗り込む。
その後、手をかざして魔法をかけると、柔らかそうだったそれが、みるみる堅くなっていくのがわかった。
「これで大丈夫です。」
「これは、今日入っても問題ないんですか?」
「問題ありませんよ。魔法で乾燥と定着をしているので、即時完成なんです。」
「おぉ!凄いですね!」
タイルを直すと次は、薪でお湯を沸かすための場所に移動し、取り出した魔道具を手際よく取り付けていく。
その作業が終わると、蛇口の所へ行き、新たなボタンを取り付ける。
「これでよしっと。次は魔法石だね。」
こっちは簡単で、蛇口の後ろに付いてる蓋をあけ、出てきた窪みに水の魔法石を入れるだけだった。
キルさんが蛇口を捻ると、ザァ!と水が出た。
ある程度溜まった所で水を止めて、新たに取り付けたボタンを押す。
するとものの数秒で湯気が立ち始めた。
思わず手を入れてみたが、とてもホカホカとしていてとても気持ちがいい。
「お湯だぁ!」
「問題なさそうですね。こちらの魔道具は、とても単純な作りになっているので、稼働している間中温め続けます。かなり高温までなるので、適温で止めてください。」
「分かりました!」
「それじゃぁ、次はベッドを置きに行きましょうか。」
まってました!!
「置きましょう!すぐ置きましょう!」
部屋に案内して、設置してもらう。
「よいしょっと」
カバンからベットを取り出す。
とんでもない大きさの物が鞄から出てくる様は、どこか青色のロボットを思わせる。
キルさんは軽々と持ち上げて、そっと部屋に置いた。
「うん、サイズは問題なさそうだ。」
確かにお願いした通り部屋の幅ぴったりのベッド。
「ベッドって重くないんですか?」
「ん?いや、リアルと同じ重さがあるよ。今回は強度を持たせる為に更に重いしね。」
「どうやって持ってるんですか?」
「身体強化のスキルだよ。木工などは意外に体力勝負な所があるからね。」
「へぇ!」
確かに木材一つとっても、かなりの重さだろうしね。
「さて、このマットを置いて完成だ。」
「ありがとうございます!」
「おっと、忘れる所だった。これも一緒に使ってくれるかい?」
そう言って鞄から取り出したのは、折り畳まれた大きそうなタオルだった。
「これ、なんですか?」
広げてみると、本当に大きなタオル。とても鮮やかな色で、所狭しと刺繍がしてある。ベッドと一緒にって事はタオルケットかな?
「先日貰った羊毛を奥様方に納品したらね、とても上質で喜んでくれて、ケイト君が持ってきてくれたんだと伝えたら、お礼がしたいって言って持ってきてくれたんだ。」
「え?でも、あれは、ちゃんと報酬頂いてますよ?」
「もちろん、それは皆んな分かってるよ。引越し祝いとでも思っておけば良いんじゃないかな。」
「それこそ、歓迎会して貰ってるのに。」
「まぁまぁ、きっと今後に期待してるって事なんだよ。また羊毛とかよろしくね。」
「う~、そういう事なら頂きます。それにしても、この刺繍凄いですね!」
「本当だよね。これは、この村の女性の手仕事なんだ。」
「なるほど。」
村の人たちの為にも、頑張らないとだな!
「それじゃあ、頼まれてたのは以上だけど、問題なさそうかな?」
「はい!ありがとうございました!」
俺の礼に合わせて、皆んなも頭を下げる。これ、固定されてきたなぁ。
「あ、そう言えば、支払いって現金ですか?カードでも大丈夫ですか?」
最初に確認するの忘れてたよ!
「カードで大丈夫だよ。ちゃんと端末持ってきたしね。」
キルさんが、鞄から支払い機を取り出し操作する。
「全部で31,000$になります。」
「お願いします。」
カードを機械に触れさせると、ピロリロリーンといつもの音がなる。
「はい、確かに。またどうぞ。」
そう言ってキルさんは帰っていった。
「みんな!早速お風呂入ろう!」
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