34 / 45
34
しおりを挟む
「こーんにちはー!」
訪れたのは、勿論キルさんの便利屋さん。
昨日は寝るのが遅かったので、昼近くまでゴロゴロし、昼ご飯をゆっくり食べて出てきたのである。
「いらっしゃい。今日はどうしたの?」
声をかけてすぐ、キルさんが奥から出てきてくれた。
「実は箱型のアイテムボックスが欲しいんですけど、蓋が無いものか、テイムしてる子達でも使える物が欲しいんです。そんなのできます?」
みんなが自由にご飯を食べれるボックスが欲しいのだ。
「うーん、確か契約している子はアイテムの共有ができるので、普通のアイテムボックスなら問題ないと思ったけれど。」
そう言って、売り物の中から木箱を取り出した。その箱は軽く塗装されているだけなのだが、蓋が半円になっていて、見るからに宝箱です!と言わんばかりの形をしている。
多分これはキルさんお手製の物だろう。
何を隠そう!キルさんはアイテムボックスを自作できる職人さんなのだ!
凄いよね!いずれはいっぱい入るリュック型のアイテムボックスもお願いするつもりなんだ。
「とりあえず、これにアイテム入れてみてくれる?」
「はい。」
言われるまま、その箱にジャーキーを1つ入れる。
「じゃぁ、それを誰かに開けてもらって。」
「はい。ハティ、この中の物取り出せる?」
『ふむ、やってみよう。』
そう言うと、ハティは片足を上げて、器用に蓋を開ける。
他の人から見たら一見空箱なんだけど、俺から見ればボックスの枠が表示されて、その一箇所に今入れたジャーキーが表示されている。
果たしてどうだ?と見守っていると、ハティは箱の中に顔を突っ込み、ジャーキーを咥えて顔を上げた。
『問題なさそうだ。』
「みたいだね。」
咥えたジャーキーを見せたかと思ったらパクリと食べてしまった。
さっき昼ご飯を食べたばかりなのによく食べるなぁ。
「問題なさそうです。」
キルさんに向き直ると、うんうんと頷いてくれていた。
「みたいだね。箱型だし、枠も10しかないから5,000$でどうだろう?」
「そんなに安くていいんですか?」
確かに箱という事で、需要は少ないのかもしれないけど、アイテムボックスだよ?
時間の経過が無くて、食品が腐ったりという心配がない優れものだ。そんな格安でいいのだろうか?
「問題ないよ。むしろ、遊び心で作ってしまったんだけど全然売れないから、在庫処分という事で。」
少し照れながらキルさんが教えてくれる。
そういう事ならと、ありがたくその値段で購入させてもらった。
「ベッドも、もう少しで完成するからね。」
「はい!楽しみにしてます!」
軽く挨拶をして店を出た。
さてと。
帰ったら、みんなに使い方を説明しなくちゃね!
訪れたのは、勿論キルさんの便利屋さん。
昨日は寝るのが遅かったので、昼近くまでゴロゴロし、昼ご飯をゆっくり食べて出てきたのである。
「いらっしゃい。今日はどうしたの?」
声をかけてすぐ、キルさんが奥から出てきてくれた。
「実は箱型のアイテムボックスが欲しいんですけど、蓋が無いものか、テイムしてる子達でも使える物が欲しいんです。そんなのできます?」
みんなが自由にご飯を食べれるボックスが欲しいのだ。
「うーん、確か契約している子はアイテムの共有ができるので、普通のアイテムボックスなら問題ないと思ったけれど。」
そう言って、売り物の中から木箱を取り出した。その箱は軽く塗装されているだけなのだが、蓋が半円になっていて、見るからに宝箱です!と言わんばかりの形をしている。
多分これはキルさんお手製の物だろう。
何を隠そう!キルさんはアイテムボックスを自作できる職人さんなのだ!
凄いよね!いずれはいっぱい入るリュック型のアイテムボックスもお願いするつもりなんだ。
「とりあえず、これにアイテム入れてみてくれる?」
「はい。」
言われるまま、その箱にジャーキーを1つ入れる。
「じゃぁ、それを誰かに開けてもらって。」
「はい。ハティ、この中の物取り出せる?」
『ふむ、やってみよう。』
そう言うと、ハティは片足を上げて、器用に蓋を開ける。
他の人から見たら一見空箱なんだけど、俺から見ればボックスの枠が表示されて、その一箇所に今入れたジャーキーが表示されている。
果たしてどうだ?と見守っていると、ハティは箱の中に顔を突っ込み、ジャーキーを咥えて顔を上げた。
『問題なさそうだ。』
「みたいだね。」
咥えたジャーキーを見せたかと思ったらパクリと食べてしまった。
さっき昼ご飯を食べたばかりなのによく食べるなぁ。
「問題なさそうです。」
キルさんに向き直ると、うんうんと頷いてくれていた。
「みたいだね。箱型だし、枠も10しかないから5,000$でどうだろう?」
「そんなに安くていいんですか?」
確かに箱という事で、需要は少ないのかもしれないけど、アイテムボックスだよ?
時間の経過が無くて、食品が腐ったりという心配がない優れものだ。そんな格安でいいのだろうか?
「問題ないよ。むしろ、遊び心で作ってしまったんだけど全然売れないから、在庫処分という事で。」
少し照れながらキルさんが教えてくれる。
そういう事ならと、ありがたくその値段で購入させてもらった。
「ベッドも、もう少しで完成するからね。」
「はい!楽しみにしてます!」
軽く挨拶をして店を出た。
さてと。
帰ったら、みんなに使い方を説明しなくちゃね!
0
お気に入りに追加
929
あなたにおすすめの小説
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
生産職から始まる初めてのVRMMO
結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。
そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。
そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。
そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。
最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。
最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。
そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。
三男のVRMMO記
七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。
その名も、【Seek Freedom Online】
これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。
※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。
※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。
※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。
※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。
※お察しの通りご都合主義で進みます。
※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。
この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)>
変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。
内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
転生キッズの魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
西園寺若葉
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
憧れの世界でもう一度
五味
ファンタジー
かつて一世を風靡したゲームがあった。
多くのゲーム好きが待望してやまない仮想世界へ自分自身が入り込んだと、そう錯覚するほどのゲーム。
これまで視覚を外部から切り離し、没頭しやすい、それだけでVRゲームと呼ばれていた物とは一線を画したそのゲーム。
プレイヤーは専用の筐体を利用することで、完全な五感をゲームから得ることができた。
月代典仁もそのゲーム「Viva la Fantasia」に大いに時間を使った一人であった。
彼はその死の間際もそのゲームを思い出す。
そこで彼は多くの友人を作り、語らい、大いに楽しんだ。
彼が自分の人生を振り返る、その時にそれは欠かせないものであった。
満足感と共に目を閉じ、その人生に幕を下ろした彼に、ある問いかけがなされる。
「あなたが憧れた世界で、もう一度人生を送ってみませんか」と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる