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後悔男たちの嘆き

気付いた時には遅かった【side 子爵家次男】

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 「大好きな貴方、婚約を解消しましょう」の加筆予定話です。
 子爵家次男は主人公の元婚約者です。

~~~~~~~~~~~~
 
 婚約が解消されて、二年が経過した。
 僕は相変わらず暇さえあれば領地に赴いた。

 現地に行って実際を見れば答えは溢れていたのに、机にかじりついたまま動かなかったとか本当にバカだった。

 そもそも何の為に勉強ばかりしていたのか。
 胸の奥にある燻るものは何なのか。

 この時の僕は本当の想いにまだ気付けていなかった。


「侯爵令嬢が結婚式を挙げたそうだ」

 兄さんの言葉に思考が止まった。
 同時に胸に刺すような痛みを感じる。

「俺の婚約者が彼女の従姉妹だろう。だから結婚式に行ってきたんだ。
 幸せそうに笑っていたらしい」

 ……僕が見た最後の彼女は笑っていたけど泣いていた。
 ──そうか。
 新たな婚約者は彼女を笑わせてくれる人なんだ。

 良かったな、と思うと同時にズキズキと胸が痛んだ。

 これで、もう、本当に終わってしまったのだと思うと、力が抜けたはずなのに拳を強く握り締めた。


「よお、久しぶりだな」

「あ……久しぶり。元気だった?」

 王都へ買い物に出掛けた僕に話し掛けてきたのは、「元婚約者の気持ちを考えろ」と最後まで言ってきた友人だった。

「ああ、うん。……お前、は、仕事、頑張ってるみたいだな」

「うん」

 学園を卒業してそのまま疎遠になっていたから話し掛けられて驚いた。
 ちらりと隣を見ると、確か友人の当時からの婚約者の彼女が僕に気まずそうな目線を向け、友人の服の裾を引っ張った。

「ああ、結婚したんだよ。お前は……まだだよな、すまん」

「いや、いいよ。おめでとう」

「来年子どもも産まれるんだ。よかったら見に来いよ。積もる話もしたいし」

 幸せそうな友人の表情に、胸の奥にモヤがかかる。それが何故なのか。
 気付きたくない感情を呼び覚ますようだった。

 返事を曖昧に濁して別れ、帰途に着く。


『侯爵令嬢が結婚式を挙げたそうだ』


 兄さんの言葉が甦り、自然と足が早くなる。
 けれど、ふと、振り返ったら。
 友人と奥さんが二人、幸せそうに寄り添っていた。


『幸せそうに笑っていたらしい』


 何故か目頭が熱くなる。
 何かに追い掛けられるような感覚を振り払うように馬車に乗り込み御者を急かした。


 せり上がってきたものを、必死に飲み込む。
 けれどそれは嗚咽となって溢れてきた。

 自業自得。

 自分の行いの結果が、いま、返って来ているだけだ。

 落ち着いて、視界が開けたら、遺っていたものはたった一つ。


『貴女の事が好きなんだ』


「──………っ」


 今更気付いても遅過ぎた。
 僕を好きだとずっと言ってくれていた人は、僕の元から去って他に行ってしまった。

 どうして気付かなかったんだろう。
 どうして見なかったんだろう。

 あんなにも、僕を求めてくれていたのに。
 あんなにも、好意に溢れていたのに。

 もう、二度と届かない。
 もう、二度と会えるはずもない。

 溢れるものを必死に拭う。

『もう、泣き虫さんね、貴方は……』

 そう言いながらハンカチで涙を拭ってくれそうな人は、もう側にいない。




「お前に釣書が来てるけど、どうする」

 ぱさりと1冊、机に置かれる。
 侯爵令嬢との婚約を無為にした僕を欲しがるなんて奇特な方だ。

「……うん、……」

 あれからまた一年が経過した。
 報われない想いを抱いたまま、いい加減忘れたほうがいいのに、未だに僕は独り身だった。
 早く忘れられるように月の半分以上は領地に住み、足繁く領民の下へ通い、身体を動かしている。そうじゃないと夜、色々考えて眠れなくなるから。

 いい縁談があるなら受けるべきだ。それが家の為、兄さんの為になるのだから。
 けど、頭では理解できていてもナニカが全身で拒否してしまう。
 口を開いて「受ける」と言うべきなのは分かっているけれど、思うように動かない。

「まだ、忘れられないなら断っておくぞ」

 その言葉に弾かれたように顔を上げる。

「好きだったんだろう、侯爵令嬢の事。……今は公爵夫人になったが」

 言われて僕は歯を噛み締めた。

「好きだった……。好き、だった、ずっと、最初から、本当は、今でも、彼女だけ、彼女の為に、僕は……」

 それは一年前に自覚しながらも口にしなかった想い。
 言葉にしたらどんどん溢れて止まらない。

「ずっと、彼女に並び立ちたくて、恥ずかしくないように、隣に、いられるように努力していたはずなのに、いつの間にか苦しくなって、彼女のせいにして、僕は……
 バカだよね、今頃気付いても、遅いのに……」

 ぎゅっと拳を握り締める。
 泣こうが喚こうが足掻こうが、もう彼女は戻らない。
 きっと僕の事を忘れて、幸せになっている。

 それでいいんだ。
 彼女が幸せになれたなら、それで。

 でも、本当は隣にいたかった。
 僕が、彼女を幸せにしたかった。
 友人が連れ合っているのを見た時、僕の隣に彼女がいたら、と思った瞬間本当の想いに気付いた。

 後悔しても遅いのに「あの時こうしていれば」と考えてしまう。


 自分で手を振り払ったくせに。


「……別に断っていいぞ。一生独身でもいい。
 今のまま家令としていてもらう。お前のおかげでだいぶ税収も増えたしな」

 今のままの気持ちでは、例え結婚しても相手を傷付ける。
 政略的なものでも相手に不誠実な真似は二度としたくなかった。
 僕の想いを尊重してくれた兄さんは、縁談を断った。

 いつか、この想いが無くなる事はあるんだろうか。
 大好きな貴女を、忘れる事ができるんだろうか。


 机の引き出しを開けて、封筒の束を取り出す。
 書き溜めてきた、届く宛の無い手紙。
 未練がましく彼女の瞳の色の便箋に、日々の想いを書き綴る。

 いつもは領地の発展状況を書いていたけれど、今日は自分の本当の気持ちを書いた。


『侯爵令嬢様

 貴女に届く事の無い手紙を書く事をお許し下さい。

 僕は、貴女の事が好きでした。
 僕と、婚約してくれて、本当は嬉しかった。
 素直になれず、ごめんなさい。
 僕は貴女を沢山傷付けました。
 許されるとは思っていません。
 僕を憎んでくれても構いません。

 でも。
 貴女を好きな気持ちは本当でした。

 こんな僕を好きになってくれて、ありがとう。
 貴女に出逢えた事が、僕にとって一番の幸せでした。


 貴女がこれからも幸せでありますように。
 遠くから祈っています。』


 書いてから、くしゃりと握りつぶしたくなった。
 綺麗事ばかりの手紙。
 けれど、嘘でもない、僕の気持ち。

 ぽたりと、紙に雫がこぼれた。
 紙を胸に抱き、嗚咽をあげる。
(ゴメンナサイ)
 どうか、醜い心を涙と共(アナタガスキデ)に全て流してほしい。
 心の底(ホントウハ)から願う貴女の幸せを、僕の黒い感(クルシイ)情で塗り潰さないように。


 本当は、幸せを、貰っていた。
 貴女と出逢えただけで、幸せだったのに。


 後悔だけが押し寄せる。
 けれど


 もう、振り切らなければいけない。




 手紙を戻して名前を記す。


『追伸


 貴女は、今、笑えていますか?

 もし、次に会えたなら──』


 封筒に手紙をしまいこみ、封をしてから引き出しに入れた。
 届く事の無い手紙。

 封じ込めた、僕の想い。


 いつか、昇華できたら燃やしてしまおう。
 どうか、貴女は幸せに、なって。



 さよなら、大好きな貴女。


 さよなら、僕の初恋。
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