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マクー大陸で家造り

スカウト 22

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「リョウ、頭抱えてどうした?」

 ウィン様が、声をかけてきたけど…あの魔術は、あの時だけのものだからなぁ。しかも、あの時と違い背も伸びて、声変わりもしたから、恥ずかしさが勝って再現してくれなんて事になったら…

 どうしよう…

「リョウくん」

 うわっ、シス様の声が少し下がった。

「はい…あの時の魔術は、偶然の産物というか…いろいろと条件が良かっただけというか…」

 ノワールさんが、深く頷いて口を開く。

「確かにあれは特殊な魔術でした。魔王に聞き同じような環境下で試してみましたが、リョウ様のように、生まれたての精霊だけを集めることは出来ませんでした」

「えーと、さっきから、ノワールさんは、あの魔術を見たような事を言ってますけど、どうしてですか?」

「それは、私から説明します」

 僕の質問に、ダラスさんが答える。

「あのダンジョンには、特殊な仕掛けがしてあり、ダンジョン内の事は映像としてしばらく保管されています。特に魔王部屋は、一定期間保管することを義務付けており、リョウ様の魔術は永久保存版として決定しております」

「えーーーマジかぁ」

 僕はまた頭を抱えた。

 ミンテやシリュウ(地竜の剣)が言っていた事って、もしかして、ビデオカメラみたいなモノだったとか?
 しかし、アレが残っているのか…うわっ、恥ずかしい…
 実際に子供相手にやっているなら良いけど、たぶんそうじゃないよね…消去して欲しいよぉ~

「どうされましたか?」

 ノワールさんが、近づいてきた気配があった。僕は、思わずジト目で見てしまう。

「リョウ様?」

「あれは、本当にあの時だけの魔術で、普段は、普通の生活魔法ぐらいしか使いませんよ」

「何を仰います。ダンジョン内の映像を拝見しましたが、どれも洗練された魔術で、感服いたしました。ですから、従者として仕えさせてください」

「わっわっわっ、そんな、跪かないで下さい。お願いします」

 成人したとはいえ、まだまだ、子供の僕にそんな態度をとられても、困ってしまう。

「では、雇い入れて貰えるのですね?」

「え?いや、まだ、それは…」

「では、まだ主ではないので従えません。このままで」

 そんなことを言って、片膝ついたまま頭まで下げてしまった。

 えー、ズルい…やはり、年上の人には敵わないか…

「あっ、では、僕達がダンジョンに挑戦した時の映像を消去してもらえますか?消去してもらえたら、ノワールさんをパーティーメンバーに入れても良いです」

「「え?」」

 ノワールさんと、ダラスさんの声が重なった。

「それは…」

「ダビングとかもナシでお願いします。特に、最後の魔術対決は、完全消去でお願いします!」

「いやっ、それは…」

 ダラスさんが、凄く焦った顔で、ノワールさんを見ている。頭の中は、いろいろな策を考えているんだろうなぁ。
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