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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 3
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蜘蛛絹の村から北に伸びる道を歩いていくと、左手に見覚えのある建物と、大きくて白いモノが見えてきた。
「あっ、リノ牧場だ!」
「わぁ、あれが羊ですね。大きくてモコモコですね」
一日目のお昼は、見学に訪れた事のあるリノ牧場に連絡しておいた。ここで、昼食をとり、日持ちのする肉を買う予定だ。
『あっ、父さんです。迎えに来てくれました』
皆で大きな羊を眺めていると、その間から、更に大きなミンテの父親のシスが軽い足取りで近付いてきた。
ココは、あまりの迫力に全身の毛を逆立てた。
「ココ、ミンテの父親だから、そんなに、怖がらなくて、大丈夫だよ」
『わ、分かりました…』
と、答えるも、ココは後退り、俺の後ろに隠れる。
『久しぶりです。どうですか?ウチの子は』
「こんにちは、ミンテは優秀ですよ。いろいろ器用にこなしますし、空間魔法も、すごく助かってます」
『それは、良かった。お昼の準備が出来てますので、皆さん背に乗ってください』
ミンテが、喜び父親の背に一番で飛び乗り、クラリーちゃん、リョウの順で乗り、何故か、俺がココを抱っこして乗ることに…
『か、格が違いすぎますよ。ハーフとはいえ神の子じゃないですかぁ。ワタシはペットとして作られただけですよ。魔術も初級の光魔法だけですから…ちょっと、吠えられれば、消えてしまいますよぉー』
と、半泣きで訴えてきた。
「大袈裟だなぁ、ミンテとは、しょっちゅう、じゃれ合っているのに」
『ミンテは、まだ、子供ですから…』
ココをなだめつつ、シスの背に揺られていくと、見学の時に料理をした建物の前で下ろされた。
「やぁ、やぁ、いらっしゃい。待ってましたよ。今日は、リョウ君がレシピ登録したふわふわパンケーキを用意しましたので、堪能していってください」
セルバンさんが、両手を広げ上機嫌で迎えてくれた。
「ありがとうごさまいます。その後どうでしたか?」
「ハッハッハ、あの後、ギルドと相談して、シスの湖畔でペンションと喫茶店をしている知り合いに教えてたら、瞬く間に話題になって、すごい勢いで広まりつつありますよ。シーズの市場にも出店する話も出ていますし、他の喫茶店主も習いに来てるので、新しい名物になるのは間違いないですね。ウチとしても、ブランド化した商品を使った食事処のを出す計画をしているので、また、リョウ君の意見を聞きたいのですよ。この旅から帰ってきたら、指名依頼出しますから、お願いします」
凄い勢いで話されて、思わず頷いてしまったけれど、ん?リョウに指名依頼?
「え?僕?料理は、こっちに来てからやり始めたから、よく分からないよ」
「いえいえ、調理はこちらでやりますから、味見と盛り付けの方の指導をお願いします」
「えっ?えっ?ますます、分からないことなんだけど…」
セルバンさんの勢いにリョウも戸惑ってしまい、いつの間にか俺の後ろにしがみつきなから、首を横に振っている。
「大丈夫ですよ。リョウ君の記憶を元に、パンケーキを作った従業員が転移者レシピに興味を持ちましてね。ギルドでいろいろ入手したら、ウチの製品を活かせるレシピが沢山あったんですよ。ですので、その料理の味見をお願いしたいのです。あと、その料理がどう盛り付けされていたのか、参考の為に知りたいのですよ」
「なるほど、転移者レシピのモノだから、リョウにか、それなら出来るんじゃないか?」
「う、うん、わかる範囲なら…」
「もちろんそれで十分ですので、さぁ、さぁ、中にどうぞ、直ぐに焼きますので、サラダとかスープも好きなのを選んで、待っていてください」
「うわぁ、ビュッフェって、この世界にもあったんだ」
リョウは慣れた様子で、椀を持ち早速サラダを盛っている。
「ビュッフェ?立って食べるのか?」
「え?違うよぉ、こうやって食べたいものを好きに選んで食べる事だよ」
「それは、バイキングだろ?ビュッフェは、立食パーティーや、立ったまま食べる軽食って聞いたけどなぁ…」
「ディルさん、ディルさん、どっちでも良いようですよ。昔は、そんな風に分けて考えてましたけど、最近、来た異世界人が言うには、一緒になっているようです。まぁ、違いがあるとしたら、バイキングより、ビュッフェの方が、洒落た料理が並んでいるという感じでしょうか」
「立食ではなくなったということですか?」
「そうです。ですから、好きに取って、あちらの席で召し上がってください。あっ、クラリーちゃんは、こっちに、蒸し野菜や茹で野菜がありますよ。ドレッシングも全て火を通してあるから、好きに選んで良いですよ」
「ありがとうございます」
クラリーちゃんも、笑顔で椀を取り、選び始める。
「凄いね。野菜やトッピング、ドレッシングの種類も多いし、見て見て、スープの鍋も五種類もあるし、ジュースも凄い並んでるよぉ」
凄いを連発しながらリョウが選んだのは、ルッコラを中心とした香味野菜のサラダにカリカリベーコンと粉チーズをトッピングしとものと、コンソメスープ。
クラリーちゃんは、根菜を中心とした蒸し野菜に、転移者が広めた味噌を使ったソースをかけたものと、同じく味噌を使ったスープを持ってきた。
「え?クラリーちゃん、パンケーキだよ」
「何か、おかしいですか?」
リョウがクラリーちゃんの料理をみて眉を寄せた。
「どうした?」
「んー、ニホンの感覚だと、味噌汁はご飯の時に飲むスープって思っていたから、なんか、違和感が…」
「そうなのですか?パンケーキには、合いませんか?」
「う、うーん、試してみるのはいいかも…」
「あっ、リノ牧場だ!」
「わぁ、あれが羊ですね。大きくてモコモコですね」
一日目のお昼は、見学に訪れた事のあるリノ牧場に連絡しておいた。ここで、昼食をとり、日持ちのする肉を買う予定だ。
『あっ、父さんです。迎えに来てくれました』
皆で大きな羊を眺めていると、その間から、更に大きなミンテの父親のシスが軽い足取りで近付いてきた。
ココは、あまりの迫力に全身の毛を逆立てた。
「ココ、ミンテの父親だから、そんなに、怖がらなくて、大丈夫だよ」
『わ、分かりました…』
と、答えるも、ココは後退り、俺の後ろに隠れる。
『久しぶりです。どうですか?ウチの子は』
「こんにちは、ミンテは優秀ですよ。いろいろ器用にこなしますし、空間魔法も、すごく助かってます」
『それは、良かった。お昼の準備が出来てますので、皆さん背に乗ってください』
ミンテが、喜び父親の背に一番で飛び乗り、クラリーちゃん、リョウの順で乗り、何故か、俺がココを抱っこして乗ることに…
『か、格が違いすぎますよ。ハーフとはいえ神の子じゃないですかぁ。ワタシはペットとして作られただけですよ。魔術も初級の光魔法だけですから…ちょっと、吠えられれば、消えてしまいますよぉー』
と、半泣きで訴えてきた。
「大袈裟だなぁ、ミンテとは、しょっちゅう、じゃれ合っているのに」
『ミンテは、まだ、子供ですから…』
ココをなだめつつ、シスの背に揺られていくと、見学の時に料理をした建物の前で下ろされた。
「やぁ、やぁ、いらっしゃい。待ってましたよ。今日は、リョウ君がレシピ登録したふわふわパンケーキを用意しましたので、堪能していってください」
セルバンさんが、両手を広げ上機嫌で迎えてくれた。
「ありがとうごさまいます。その後どうでしたか?」
「ハッハッハ、あの後、ギルドと相談して、シスの湖畔でペンションと喫茶店をしている知り合いに教えてたら、瞬く間に話題になって、すごい勢いで広まりつつありますよ。シーズの市場にも出店する話も出ていますし、他の喫茶店主も習いに来てるので、新しい名物になるのは間違いないですね。ウチとしても、ブランド化した商品を使った食事処のを出す計画をしているので、また、リョウ君の意見を聞きたいのですよ。この旅から帰ってきたら、指名依頼出しますから、お願いします」
凄い勢いで話されて、思わず頷いてしまったけれど、ん?リョウに指名依頼?
「え?僕?料理は、こっちに来てからやり始めたから、よく分からないよ」
「いえいえ、調理はこちらでやりますから、味見と盛り付けの方の指導をお願いします」
「えっ?えっ?ますます、分からないことなんだけど…」
セルバンさんの勢いにリョウも戸惑ってしまい、いつの間にか俺の後ろにしがみつきなから、首を横に振っている。
「大丈夫ですよ。リョウ君の記憶を元に、パンケーキを作った従業員が転移者レシピに興味を持ちましてね。ギルドでいろいろ入手したら、ウチの製品を活かせるレシピが沢山あったんですよ。ですので、その料理の味見をお願いしたいのです。あと、その料理がどう盛り付けされていたのか、参考の為に知りたいのですよ」
「なるほど、転移者レシピのモノだから、リョウにか、それなら出来るんじゃないか?」
「う、うん、わかる範囲なら…」
「もちろんそれで十分ですので、さぁ、さぁ、中にどうぞ、直ぐに焼きますので、サラダとかスープも好きなのを選んで、待っていてください」
「うわぁ、ビュッフェって、この世界にもあったんだ」
リョウは慣れた様子で、椀を持ち早速サラダを盛っている。
「ビュッフェ?立って食べるのか?」
「え?違うよぉ、こうやって食べたいものを好きに選んで食べる事だよ」
「それは、バイキングだろ?ビュッフェは、立食パーティーや、立ったまま食べる軽食って聞いたけどなぁ…」
「ディルさん、ディルさん、どっちでも良いようですよ。昔は、そんな風に分けて考えてましたけど、最近、来た異世界人が言うには、一緒になっているようです。まぁ、違いがあるとしたら、バイキングより、ビュッフェの方が、洒落た料理が並んでいるという感じでしょうか」
「立食ではなくなったということですか?」
「そうです。ですから、好きに取って、あちらの席で召し上がってください。あっ、クラリーちゃんは、こっちに、蒸し野菜や茹で野菜がありますよ。ドレッシングも全て火を通してあるから、好きに選んで良いですよ」
「ありがとうございます」
クラリーちゃんも、笑顔で椀を取り、選び始める。
「凄いね。野菜やトッピング、ドレッシングの種類も多いし、見て見て、スープの鍋も五種類もあるし、ジュースも凄い並んでるよぉ」
凄いを連発しながらリョウが選んだのは、ルッコラを中心とした香味野菜のサラダにカリカリベーコンと粉チーズをトッピングしとものと、コンソメスープ。
クラリーちゃんは、根菜を中心とした蒸し野菜に、転移者が広めた味噌を使ったソースをかけたものと、同じく味噌を使ったスープを持ってきた。
「え?クラリーちゃん、パンケーキだよ」
「何か、おかしいですか?」
リョウがクラリーちゃんの料理をみて眉を寄せた。
「どうした?」
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