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異世界人拾っちゃいました…
メリロット
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街の大通りをぬけ、岩山の中央にある大門を潜る。
役所と言っているが、一階部分は市場だ。裾野にまだ建物の無かったときの名残で、昔は住居だった空間も、今は、全て店となっている。
そのまま、人の流れに沿って、市場内に行こうとするリョウを半ば抱き上げて、壁沿いの階段を上る。
「ああ…、なんか、メチャいい臭いしてるんだけど?お昼でしょ?食べてからにしようよぉ」
「ん?ああ、この街の名物、マトンの串焼きだな。店舗毎に秘伝のタレがあって、自分好みの味を探すのが、観光客の楽しみの一つになっているんだ」
「わっ、面白そう。僕もやりたい」
「ただし、自分が摂取出来る材料を使っているか、下調べが必要なんだ。店側も使用した材料全てを提示しないといけない決まりがある。破ると最悪営業権をとられる」
「……」
大人しくなったリョウを抱え、役所区間の扉を潜る。扉を閉めると、一階の賑やかな音がピタリと聞こえなくなる。
広く掘られた空間、入口すぐの所にソファーや書類を書く為の机なかが並んでいる。その向こうに長いカウンターがあり、その奥では、職員が三十名程、仕事をしている。
俺は受付と表示された所に向かう。
「ディル?」
突然かけられた声に反応して顔を向けると、ウィル族出身の役所職員がいた。
「メリロット、久しぶり元気だった?」
メリロットは、長兄の幼馴染みで婚約者、成人の義で集落を出て、そのままこのシーズの役所に就職した。
フルネームは、メリロット・ハバー・ウィル・ベリー、エルフ族の中でも珍しいストロベリーブロンドの血筋だ。
その昔、ベリー家の祖先の美しい髪が気に入り、美の女神が舞い降り加護を与えたと言う。その為、ベリー家の人々は、容姿端麗と言われるエルフのなかでも、とびきりの美貌を誇る…その一族であるメリロットも、言伝えを肯定するような美貌の持ち主だ。
「元気よ。ディルも元気そうね。今日はどうしたの?長老様のお使い?」
「違うよ。成人の義で集落を出て来たんだ」
「あっ、あら、もう、そんな年なのね。まだ、まだ、子供だと思っていたのに。ふふふ、おめでとう。で、どうするの?ここに住む?」
そう言って、人の頭を撫でてくる。今では、俺の方が背が高いのに、まだ、子供扱いだ。
「成人したんだから、子供扱いやめてよ。俺は、冒険者になるんだから」
「なによ、かわいくないわね。冒険者?リッジの影響ね。それなら、ギルドでしょ?ギルドはお隣よ」
「そうだけど、森でこの子を拾ったんだ。だから、その手続きを先に済ませようと思って」
俺の横で、あんぐりと口を開け、メリロットを見上げているリョウを前に押し出し、自己紹介させる。
メリロットの美貌のせいか、リョウは、顔を真っ赤にして、しどろもどろで、自分の名を名乗った。
「あら、かわいい。迷子?珍しいわね。あれ、人族?人族の冒険者や研究者の入国許可は出してないし、観光客は、五日後に予定してたハズだけど?」
リョウの目線に合わせるように、膝を曲げたメリロットが、今度はリョウの頭を撫でながら、呟いてる。リョウは、耳まで真っ赤にして俯いたまま、固まってしまった。
「どうやら、転移者らしいんだ。元居た国は、ニホンだって、言ってる」
「え?ウソ!この大陸は、転移門が開き難いのに?この前発見されたのは…確か、五百年程前のハズよ」
役所と言っているが、一階部分は市場だ。裾野にまだ建物の無かったときの名残で、昔は住居だった空間も、今は、全て店となっている。
そのまま、人の流れに沿って、市場内に行こうとするリョウを半ば抱き上げて、壁沿いの階段を上る。
「ああ…、なんか、メチャいい臭いしてるんだけど?お昼でしょ?食べてからにしようよぉ」
「ん?ああ、この街の名物、マトンの串焼きだな。店舗毎に秘伝のタレがあって、自分好みの味を探すのが、観光客の楽しみの一つになっているんだ」
「わっ、面白そう。僕もやりたい」
「ただし、自分が摂取出来る材料を使っているか、下調べが必要なんだ。店側も使用した材料全てを提示しないといけない決まりがある。破ると最悪営業権をとられる」
「……」
大人しくなったリョウを抱え、役所区間の扉を潜る。扉を閉めると、一階の賑やかな音がピタリと聞こえなくなる。
広く掘られた空間、入口すぐの所にソファーや書類を書く為の机なかが並んでいる。その向こうに長いカウンターがあり、その奥では、職員が三十名程、仕事をしている。
俺は受付と表示された所に向かう。
「ディル?」
突然かけられた声に反応して顔を向けると、ウィル族出身の役所職員がいた。
「メリロット、久しぶり元気だった?」
メリロットは、長兄の幼馴染みで婚約者、成人の義で集落を出て、そのままこのシーズの役所に就職した。
フルネームは、メリロット・ハバー・ウィル・ベリー、エルフ族の中でも珍しいストロベリーブロンドの血筋だ。
その昔、ベリー家の祖先の美しい髪が気に入り、美の女神が舞い降り加護を与えたと言う。その為、ベリー家の人々は、容姿端麗と言われるエルフのなかでも、とびきりの美貌を誇る…その一族であるメリロットも、言伝えを肯定するような美貌の持ち主だ。
「元気よ。ディルも元気そうね。今日はどうしたの?長老様のお使い?」
「違うよ。成人の義で集落を出て来たんだ」
「あっ、あら、もう、そんな年なのね。まだ、まだ、子供だと思っていたのに。ふふふ、おめでとう。で、どうするの?ここに住む?」
そう言って、人の頭を撫でてくる。今では、俺の方が背が高いのに、まだ、子供扱いだ。
「成人したんだから、子供扱いやめてよ。俺は、冒険者になるんだから」
「なによ、かわいくないわね。冒険者?リッジの影響ね。それなら、ギルドでしょ?ギルドはお隣よ」
「そうだけど、森でこの子を拾ったんだ。だから、その手続きを先に済ませようと思って」
俺の横で、あんぐりと口を開け、メリロットを見上げているリョウを前に押し出し、自己紹介させる。
メリロットの美貌のせいか、リョウは、顔を真っ赤にして、しどろもどろで、自分の名を名乗った。
「あら、かわいい。迷子?珍しいわね。あれ、人族?人族の冒険者や研究者の入国許可は出してないし、観光客は、五日後に予定してたハズだけど?」
リョウの目線に合わせるように、膝を曲げたメリロットが、今度はリョウの頭を撫でながら、呟いてる。リョウは、耳まで真っ赤にして俯いたまま、固まってしまった。
「どうやら、転移者らしいんだ。元居た国は、ニホンだって、言ってる」
「え?ウソ!この大陸は、転移門が開き難いのに?この前発見されたのは…確か、五百年程前のハズよ」
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