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第四章 節約生活?

九十六話

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「鮫みたいだなぁ」

  え?

 夕食終え、妖精さん達と、片付けをしている間に、瑞樹や母さんが、昼間の話をしていたんだけど…俺達の身体の事を話したら、正兄が、ポツリと呟いた。

「あら、鮫って、そうなの?」

「あっ、いや、少し前にニュースで、見たんだ。メスばかり飼育している水槽で、子供が生まれたって…で、検査してみたら、母親の遺伝子情報しかなかったとかなんとか、書いてあったんだ。しかも、初めて発見されたわけではなくて、度々、見られるらしいんだよ」

「へぇ、そんなこと、あるんだ…」

 人ではないけれど、そういう生き物がいると聞けば、不思議なもので、なんだか、自分達の存在も、そんなに変ではないのかもと思えてしまう。そういえば、こんな風に情報を教えて気持ちを楽にして貰ったことが度々あったなぁ…これが、導き手としての正兄の力なのかな?

「ふーん、俺達だけって、わけじゃないんだ」

 瑞樹も何か感じたのか、そんなことを呟いた。

「まぁ、そういうことなら、病院には、なるべく行かないようにしよう。っていっても、もともと、お前達、ほとんど行ったことないしな、今さらか…」

「そうだね。機会があれば、竜神様にお礼言わないとね」

「ふふ、竜神様は、甘味好きよ。あんこのおはぎが好物なのよ」

 それじゃぁ、もち米収穫したら、おはぎが作って、お社まで遊びに行こうかな…
 俺が、そんなことを思っていると、正兄が、うーん、と唸りだした。

「しかし、十年か…思っていたより、忙しいな」

「何が?」

「何がって、店の準備さ、お前達にも資金集め手伝って貰って、十年後くらいまでには。自分達の店を持って、二十年後ぐらいには、安定してれば良いなぁ、なんて漠然と思っていたけど、そんな、悠長な事してられないな、本格的にちゃんと計画たてないといけないって事か…はぁー、忙しくなるぞぅ」

 おっと、最近仕入れた情報をどうしよう、これからの生活は?なんて、考えていたけど、正兄は、もっと先の事考え出してる凄いな…しかも、十年ってことは、俺達を基準にして計画を立てるって事だよな。お店事態は、もともと、正兄が、個人で作製してる作家さん達の作品を集めて雑貨屋を開く夢を持っていて、俺達が、それに便乗して、隣で、レストラン開くなんて言っていただけだったのに…

「まぁ、なんだか、楽しそうね。私も手伝って良い?」

「えっ?姉さんが?」

「何よ。その顔、そもそも、あなたが雑貨に興味持ったのは、私の影響でしょ。夢を与えてあげたんだから感謝されてい良いハズなのに、何が不満」

「いっ、いや、不満て言うか…あっ、じゃぁ、作家として、なんか作って置いて欲しいかなぁー」

「何か、気になる言い方だけど、まぁ、そうね。それぐらいしか、手伝えないか…まぁ、見てなさい。皆が気に入るモノ沢山作るわねぇ」

 おっ、おお、今を悩むより、先の目標が決まったっぽい、って事は、俺も、もっと料理しないと、バイトも、探した方がいいな。うん、早い方が良い、早速、探してみよう。







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