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kaoru

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第一章 黒猫の夢?

二十五話

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 その後、慌ててホテルに向かい、預けていた荷物を受け取り、帰路についた。
 そして、新幹線の中、寝たふりをして、念話で話をしていた。

 [精霊が、人の姿をしてるのって、そんなに、珍しいの?]

[あぁ、時々いるにはいるんだか、小さいんだ。俺達の認識で言うと、十五、六センチの透き通った妖精っていう感じて見えていた。でも、あんなに、ハッキリ、しかも、デカイのは、見たことないし、聞いたこともない…]

[…前世の記憶とか、言っていたけど、昔は、普通だったのかな?]

[口伝でいろいろ脚色されたり、忘れられたりしたみたいで、俺が聞いているのは、初代の名前持ちの精霊が現れたら、話を聞く事。双子が生まれた時は、特に気をつけて、精霊達の動きを観る事]

[どういう事?双子って、何か特別な意味合いがあるの?]

[その辺の詳しい事は、分からないんだよ。だから、親父も、お前達が生まれてから、いろいろ調べたみたいなんだが、ハッキリとした事は分からなかったらしい。ただ、普通は一種族の力を借りられるのが、たまに、数種族の力を借りれる術を受け継ぐ奴がいるんだ、それが、双子で生まれた者の中に多いらしいんだ。その事が関係しているのかもしれないと、言っていた]

[サラマンドラの他にも、現れるという事?]

[その辺は、分からない。ただ、言えるのは、俺や、親父が考えていたよりも、お前達が、精霊に対して影響力がある可能性がある]

[…なんか、怖いんだけど、しかも、夢で見た通り、俺、殺されたんじゃん。そんな相手に、どうしろって言うのさ]

[しかし、絶対服従みたいな態度だったじゃないか、お前を主と認めていたんじゃないか?]

[でも、そんな精霊が、何故、主殺しを?]

[うーん、話を聞かないと、分からないな]

[はぁー、瑞樹が猫になったってだけでも、おかしくなりそうなのに、更に、厄介な事、抱えた感が凄くあるんだけど…]

[……だな、今まで、精霊を使えて、ちょっと普通とは違うっていう事に、少なからず優越感があったのにな。今回は、何も、分からないない、俺も、不安でしょうがない]

[ちょっ、正兄~]

[取り敢えず、帰ったら、お前達が見てきた夢の説明をして、それから、サラマンドラを呼んで、お前達の前世が何をやったのか聞こう。そして、お前が、サラマンドラをどうするか、決めれば良いだろう]

[そうだね。話を聞いてから…うん、まず、聞かないとね]
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