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しおりを挟む結局、コンビニスイーツを大人買いして帰り、咲夜に渡すと「蓮と食べます」と嬉しそうに笑いながら袋に選んで詰めていた。
透と共にすやすや眠る湧を見て足早に風呂を済ませ、彼とベッドに入る。
電気を消して寝ようかとしていたところで彼が呟く。
「…今回の発情期は薬飲んで、普段通り過ごそうかなって…思ってるんですけど」
「ぇ…いいのか、しんどいだろう」
「…大丈夫」
彼がモゾモゾと胸元に収まる。
顔が見えない。けれど元気がないのは確かだ。
疲れている、といえばそうなのかもしれないが何と何かしらネガティブになっているのだろうと思う。
「透、こっち向け」
「…」
ゆっくりと、渋った後に彼が顔を上げる。何やら考え込んでいる顔だ。
「…本当は?」
「…ほんとは…久しぶりだから、潤也さんと一緒にいたい…」
彼が思い悩んでいる中で申し訳ないが、可愛いと思ってしまう。
だが俺は、この数年の結婚生活の中でニヤニヤを抑える、または誤魔化すということを学んだ。
表情筋を引き締め、表情を保ちながら彼を抱きしめ頭を撫でる。
最近こんなに甘えてくれなかったから、ここまで溜めてしまったのも俺に責任があり、反省すべきこともあるが少し嬉しい。
「けど、湧もいるし…咲夜君だっている。みんなに僕のわがままで迷惑かけたくないです。…みんな可愛い子たちですから、優先したいです」
お前が1番可愛いぞ、なんて叫びたくなるが飲み込む。
しかし、彼が言わんとしていることも分かる。彼も自分も咲夜を実子のように大切にしているし、湧は物心つき始めているからあまり寂しい思いもされたくない。
しかし、自分にとって透も何に替えようのない唯一無二の宝物だ。
いくら子供たちが大切でも、それによって彼が辛いのなら俺が何とかするべきだ。
「透、確かに俺も湧のことも昨夜のことも優先したい。だがそれでお前が辛い思いをするのは不本意だ。…大丈夫、俺が何とかする。お前は昔からわがままを言わなさすぎる。俺ばかり甘やかされてしまうから…お前ももっとわがままを言って甘えてくれ」
「…ありがとうございます」
「俺に出来ることは何でもして、お前の願いは叶えるよ 」
「そんな大層な願いはないですけど…」
「例えばだ」
「じゃあ今日はこのまま抱かれたまま寝たいです」
「毎晩してるだろう」
たしかに、と笑う彼に安堵する。
毎晩お前を襲ってもいいんだ、俺はと冗談半分で言うと「それは体力が…」と苦笑される。
「けど…たまには僕だってしたいんですよ。週一じゃ寂しいです」
色々お互いの仕事も忙しく、確かに週一で終わってしまう。その分1回がなかなか終わらない。
次の日が、必ず彼が休みの日にしかやらないと決めている。
戯れ程度に3回ほど短くキスを落とすと柔らかく笑った彼が「おやすみなさい」と抱きついてくる。
「あぁ、おやすみ」
彼が自分の胸に顔を埋めたのをいいことに顔を思い切り緩ませ、廣瀬にバカにされそうなほどニヤニヤした状態でしばらく彼の甘えを堪能していた。
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