34 / 154
番外編 テオとカレル
-2
しおりを挟む「テオ、行ってらっしゃい」
「お見送りなんてよろしいのに。…ありがとうございます」
数日後の午前中。
カレルと共に2日間の休みを貰って狩りに出かけることにした。
わざわざ見送ってくれた皇帝陛下とエディ様。2人ともまだ
「では御二方、行って参ります。」
2人に頭を下げて裏門から馬に跨り王宮を出る。
久々に思いのまま馬を走らさるのはとても心地よかった。
それに隣には彼がいる。
「森まで競走だよ」
少し進んでそう声を上げると彼がニヤリと笑って馬の腹を蹴る。
勝負。
自分も馬の腹を蹴り、風を切って2人で競うように森へと走った。
「っ、俺の勝ちだね」
「そうだな、テオにはいつまでたっても敵わないよ」
2人でそう笑った後、少し地図を見て話し合ってから作成を立てて森へとはいる。
この森は昔から狩りによく来るところで、あまり人も来ず、自然豊かな為獲物も多い。
カレルの頭脳はこの上なく助かるものだ。
「そっちいったぞ」
「…っよし」
カレルが追い詰めたものを俺が撃ち落とす。
午前中は小さなものを狩って昼ごはんにする事にした。
「相変わらず捌くのも上手いな」
「最初は動物で練習させられるからね。何かとは言わないけど」
捌いた野ウサギと鳥を裁き、焚き火で焙る。
「…エディ様の様子はどうだ」
「薬湯は好きじゃないみたいだね。未だに不味そうに飲む。…まあ、体の変化は分からない。デニス様がいい香りがするって言ってただけ」
「デニス様が?…陛下は何も言っていなかったが…子供の言うことだが大人に分からないことを子供はわかると言うしな」
「そうだね…。でも俺はエディ様好きだよ。いい人だ」
「そうだな…。あの人も辛い人だ、初めて牢獄から連れ出した日から今日まで大変だった」
「あの事件もあったしね」
あの事件。
あの時はまだエディ様の付き人ではなくて、まだ精鋭隊にいた。
大事にしたくないのと、エディ様が隠者なのを理由に俺がエディ様の救出の護衛に行った。
陛下達の前にたって見張りやその仲間たちを倒し、捕らえたがどいつもこいつも弱かった。
そんな奴らでも、隠者は勝てない。自分は運がいいとも悪いとも言えないが、それに関してはいいと思う。
精鋭隊から2人、各自エディ様とデニス様の護衛が選出されたが、事件のこともあり俺がエディ様の護衛になった。
デニス様の護衛には1番若い男が。
デニス様には他に教育係がいるから歳の近いものを選んだのだろう。
「…そろそろ行くか」
「次は鹿?狐?」
火を消して後始末をし、立ち上がる。
午後からは大物を。
水辺の開けた場所へ行き、鹿を狙うことにした。
カレルの読み通り、水辺にこっそり行くと群れがいて、若くて大きなオスがいた、
大きいのでカレルが最初に撃って、俺がとどめを刺すことにした。
作成は成功。ツノのある雄を狩ることが出来た。他に狐やイノシシなどの他の動物も狩れた。
久しぶりに彼と1日一緒にいて、話したり笑いあったり。
とても幸せだ。
夕方になり、小屋に戻ることにした。
いつも使っている小屋で、池のほとりにある。自分が燻製小屋で肉を処理している間、彼が丁寧に皮を鞣す。
夜、持ってきた酒にパンとチーズ、それと燻製したての肉をつまみに夜が更けるまで話した。
途中、話が途切れても心地が良い。
「そろそろ寝るか?」
「…折角明日休みで…2人なのに」
酒のせいか、本音が出てしまう。
それでも最近、というよりお互いの仕事上、夜はそのまま寝ることが多い。
そういうことは滅多に出来ないことなんてよくある事だ。
「…そうだな。ゆっくり、夜更かしして朝寝坊でもするか」
微笑んだ彼が酒のせいか、赤らんだ顔で鼻先を擦り付けそのまま唇を重ねた。
0
お気に入りに追加
376
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ妃なので敵国に売られたら、激甘ボイスのイケメン王に溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
っておい
シロ
BL
別に書いている小説、『エターナニル魔法学園特殊クラス』これに登場する人物の別伝になります。カテゴリーから色々察せると思いますが、あの子とあの人の出会いを書いたものです。こちらだけでも楽しめる内容になっております。
なぉ、登場人物の名前は・・・非常にわかりやすく繋がりがありますが、まだ歴史的要素はほとんどありません、皆無と言ってもいいです。
こちらのみでも楽しめます(大切なことなのでry)。
俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる