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魔王たちの来訪
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「すまぬがここのカケアミ頼めるか? あとこのページとこのページのベタと点描も頼む!」
「このページの後ろの人混みのペン入れー誰か手空いてるー?」
「あ、もう森描き終わるんで私オッケーでーす!」
「ポテチせんせー、主人公の服どうしますかー?」
初めてのマンガが出てから半年余りが過ぎた。
マンガは発売後、びっくりするぐらいの勢いでホーウェン国各地の町に広まり大人気となった。売り上げも怖いほど絶好調だそうだ。
ホール出版社も、最初の零細企業の様相はどこへやらで、新たに土地を購入し、大きな本社を建設中。
人手も機器も足りずに、工場として別の場所を一時的に借りていたのだが、どうやらそこも手狭になったらしい。
デンゼル社長も人一倍働く人ではあるのだが、雇った従業員たちの残業が増えて来たことにずっと心を痛めていた。
「いくら会社の成長は大事とはいえ、体を壊すまで働いても何にもならんですからな。長く勤めて貰えるよう社員も大事にせんと」
と大量の雇用を決めて、せっせと新人育成に勤しんでいる。若干スリムになった体でえっほ、えっほと率先して走り回っているデンゼル社長を見て、新人も思うところがあるのだろう。一緒になって一生懸命働いているようだ。ホワイト企業ここにあり、といったところだろうか。
クレイドが返さなくて良いからと言っていたのにも関わらず、ある程度金額がまとまると返済にもやって来るようになった。下手すると数年で完済してしまいそうな勢いらしい。
デンゼル社長、本当に常識のある勤勉で真面目な人なんだなー。社員の人たちが社長の悪口を言っているのを聞いたこともないし、働きやすい環境で忙しくものびのびと笑顔で仕事をしている社員たちを見ていても、まとめ上げる人の出来って分かるような気がする。
──そして、ホワイトとは程遠い職業のマンガ家たち。
余りに急速にマンガ人気が出て、月に一度というペースは変わらないものの、作品の数を増やして欲しい、というニーズによる要望が高まり、生徒たちがかなり忙しくなってしまった。
月に一度二十、三十ページというと、PCのグラフィックソフトの普及やトレース台、膨大な資料などがある現代日本では大したことないと思うだろうが、トーンもなければ背景の景色のトレースなども出来ない。全部アナログ体制で何とかしなくてはいけないのだ。ネームを練ってペン入れも全部一人では時間的にかなり難しい。
私はここまで一気に来るとは思っていなかったので、先々アシスタントも……などと考えていたが、呑気過ぎた。
生徒の中でも、「ちょっとハード過ぎる」とか、「このペースで描き続けるのは無理がある」などと愚痴をこぼし始める人たちが増えて来た。
マンガ家それぞれも、デビューはしたものの、客商売だ。残酷ではあるが人気がある人、そうでもない人、と言うのが少しずつ顕著になっていることもあり、余り人気がない人は、自分でマンガを描くのに限界を感じたりもして来ている。私も教師として、全員を人気マンガ家にしたいものの、受けがいいとか悪いとかは好みの個人差があるのでいかんともし難い部分だ。
そんなある日、マンガ家としてはさほど人気があるとは言えない生徒の一人がこう発言した。
「リリコ先生、私はプロとしてマンガを描くのはもう諦めようと思います。でも、仲間のマンガ家を応援する形でマンガと関わりたいんです。そういうのって仕事になりますか?」
「え? 他のマンガ家のサポートをするということですか?」
「はい。マンガは大好きだけど、急かされて描くのはしんどいし、嫌いになっちゃいそうで趣味でいいかなって。私の場合は本が出てもそんなに売れないし。売り上げから貰う金額も大したことがないから、安定して暮らしていくのは厳しいと思うんですよね。それなら締め切りに追われている仲間の手伝いを仕事としてお金貰ってやりたいなって。背景とか建物とか得意だし」
おお、ここにアシスタント希望者が!
私個人としても締め切りに間に合わないと思うと生徒たちのアシスタントはしていたが、きちんと職業としてやる、と思う人が現れたことで目の前がぱあっと開けたような気がした。
改めて生徒にアンケートを取ると、生徒たちの中でも自身の才能の見極めをつけている人もいて、三割ほどの生徒がアシスタントとして安定した生活をしたい、と考えていることが分かった。思った以上にリアリストで先生安心したわ。
ここで、売れっ子になりつつある生徒たちに話を聞くことに。
「いや助けてくれるならバイト料払ってでもお願いしたい」
と予想通りの答えを返されて、彼らと一緒に時給や就業形態など色々と相談して取り決めた。
学校の掲示板には求人コーナーを設置し、風景が得意な人、人物(特に髪型)が得意な人、などと募集をかけ、それに応じた人がアシスタントとして働く、というシステムが出来上がった。
プロ志望の人も、自分の作品が本になって、収入が入るようになるまでは無職と同じなので、技術も向上して仲間の手助けも出来てお金が入る、という相互メリット状態の仕事を喜んでいるらしい。
お陰で常に修羅場になりそうな際には、生徒同士が上手くやり取りしてアシスタントする、という大変素晴らしい連携プレーが生まれている。
クレイドことポテチ先生もかなりの人気で、青少年向けの異世界ファンタジーの長編連載を始めて更にファンを増大させている。
城にも広い作業部屋を作って、生徒が五人、六人とわらわら現れては夜遅くまで作業をしているのを見て和み嬉しい反面、少々忙しさがなくなって手すきの時間が増えたのが寂しい。
町のホワイトや画用紙もマンガに利用できるレベルのものだったし、ペン先については先日、食器やカトラリーを製作しているゴブリンさんがGペンと丸ペン、ペン軸をとうとう完成させて実用段階に入った。
私、まだやれることあるのかなあ……、と教師としての先行きが不安になっていたある日、城に超VIPな訪問者が現れた。
この国に来てから話しか聞いたことがなかった南、西、北の魔王様、初のご対面である。
「このページの後ろの人混みのペン入れー誰か手空いてるー?」
「あ、もう森描き終わるんで私オッケーでーす!」
「ポテチせんせー、主人公の服どうしますかー?」
初めてのマンガが出てから半年余りが過ぎた。
マンガは発売後、びっくりするぐらいの勢いでホーウェン国各地の町に広まり大人気となった。売り上げも怖いほど絶好調だそうだ。
ホール出版社も、最初の零細企業の様相はどこへやらで、新たに土地を購入し、大きな本社を建設中。
人手も機器も足りずに、工場として別の場所を一時的に借りていたのだが、どうやらそこも手狭になったらしい。
デンゼル社長も人一倍働く人ではあるのだが、雇った従業員たちの残業が増えて来たことにずっと心を痛めていた。
「いくら会社の成長は大事とはいえ、体を壊すまで働いても何にもならんですからな。長く勤めて貰えるよう社員も大事にせんと」
と大量の雇用を決めて、せっせと新人育成に勤しんでいる。若干スリムになった体でえっほ、えっほと率先して走り回っているデンゼル社長を見て、新人も思うところがあるのだろう。一緒になって一生懸命働いているようだ。ホワイト企業ここにあり、といったところだろうか。
クレイドが返さなくて良いからと言っていたのにも関わらず、ある程度金額がまとまると返済にもやって来るようになった。下手すると数年で完済してしまいそうな勢いらしい。
デンゼル社長、本当に常識のある勤勉で真面目な人なんだなー。社員の人たちが社長の悪口を言っているのを聞いたこともないし、働きやすい環境で忙しくものびのびと笑顔で仕事をしている社員たちを見ていても、まとめ上げる人の出来って分かるような気がする。
──そして、ホワイトとは程遠い職業のマンガ家たち。
余りに急速にマンガ人気が出て、月に一度というペースは変わらないものの、作品の数を増やして欲しい、というニーズによる要望が高まり、生徒たちがかなり忙しくなってしまった。
月に一度二十、三十ページというと、PCのグラフィックソフトの普及やトレース台、膨大な資料などがある現代日本では大したことないと思うだろうが、トーンもなければ背景の景色のトレースなども出来ない。全部アナログ体制で何とかしなくてはいけないのだ。ネームを練ってペン入れも全部一人では時間的にかなり難しい。
私はここまで一気に来るとは思っていなかったので、先々アシスタントも……などと考えていたが、呑気過ぎた。
生徒の中でも、「ちょっとハード過ぎる」とか、「このペースで描き続けるのは無理がある」などと愚痴をこぼし始める人たちが増えて来た。
マンガ家それぞれも、デビューはしたものの、客商売だ。残酷ではあるが人気がある人、そうでもない人、と言うのが少しずつ顕著になっていることもあり、余り人気がない人は、自分でマンガを描くのに限界を感じたりもして来ている。私も教師として、全員を人気マンガ家にしたいものの、受けがいいとか悪いとかは好みの個人差があるのでいかんともし難い部分だ。
そんなある日、マンガ家としてはさほど人気があるとは言えない生徒の一人がこう発言した。
「リリコ先生、私はプロとしてマンガを描くのはもう諦めようと思います。でも、仲間のマンガ家を応援する形でマンガと関わりたいんです。そういうのって仕事になりますか?」
「え? 他のマンガ家のサポートをするということですか?」
「はい。マンガは大好きだけど、急かされて描くのはしんどいし、嫌いになっちゃいそうで趣味でいいかなって。私の場合は本が出てもそんなに売れないし。売り上げから貰う金額も大したことがないから、安定して暮らしていくのは厳しいと思うんですよね。それなら締め切りに追われている仲間の手伝いを仕事としてお金貰ってやりたいなって。背景とか建物とか得意だし」
おお、ここにアシスタント希望者が!
私個人としても締め切りに間に合わないと思うと生徒たちのアシスタントはしていたが、きちんと職業としてやる、と思う人が現れたことで目の前がぱあっと開けたような気がした。
改めて生徒にアンケートを取ると、生徒たちの中でも自身の才能の見極めをつけている人もいて、三割ほどの生徒がアシスタントとして安定した生活をしたい、と考えていることが分かった。思った以上にリアリストで先生安心したわ。
ここで、売れっ子になりつつある生徒たちに話を聞くことに。
「いや助けてくれるならバイト料払ってでもお願いしたい」
と予想通りの答えを返されて、彼らと一緒に時給や就業形態など色々と相談して取り決めた。
学校の掲示板には求人コーナーを設置し、風景が得意な人、人物(特に髪型)が得意な人、などと募集をかけ、それに応じた人がアシスタントとして働く、というシステムが出来上がった。
プロ志望の人も、自分の作品が本になって、収入が入るようになるまでは無職と同じなので、技術も向上して仲間の手助けも出来てお金が入る、という相互メリット状態の仕事を喜んでいるらしい。
お陰で常に修羅場になりそうな際には、生徒同士が上手くやり取りしてアシスタントする、という大変素晴らしい連携プレーが生まれている。
クレイドことポテチ先生もかなりの人気で、青少年向けの異世界ファンタジーの長編連載を始めて更にファンを増大させている。
城にも広い作業部屋を作って、生徒が五人、六人とわらわら現れては夜遅くまで作業をしているのを見て和み嬉しい反面、少々忙しさがなくなって手すきの時間が増えたのが寂しい。
町のホワイトや画用紙もマンガに利用できるレベルのものだったし、ペン先については先日、食器やカトラリーを製作しているゴブリンさんがGペンと丸ペン、ペン軸をとうとう完成させて実用段階に入った。
私、まだやれることあるのかなあ……、と教師としての先行きが不安になっていたある日、城に超VIPな訪問者が現れた。
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