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念願の再会
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一カ月ぶりの日本は、全く変わらないいつも通りの姿だった。当然だ、日本の時間で言えば十日程度しか経っていない。
私とクレイドは自宅の近所にある公園の男子トイレの個室からコソコソと出て公園を抜け出した。こちらでは既に夕方から夜と言ってもいい時間だ。公園には子供の姿どころかカップルすらいない。
「……それにしてもトイレから里帰りってあんまりじゃないですか? これじゃ私まるで変態ですよ」
「そう言うな。どうせリリコは周りの人間には見えておらぬ。それに、見られる可能性が少なく、ここは夕刻以降は人気がないので利用しやすい」
そう答えるクレイドは、魔力消費を抑えるために十二歳前後ほどの少年の姿をしている。相変わらず美形ではあるが、目つきの鋭さは幼い分かなり緩和している。何の飾りもない黒のシャツと黒のズボン姿なのだが所作が美しく、いいとこの子供といった感じである。
「ところでリリコ、お主の弟は一緒に暮らしておったのか?」
「ああ、生活時間帯が違うから別々です。でも歩いて十五分ぐらいの距離ですよ。元々家族でずっとこの辺りに住んでいたので、なかなか離れがたくて」
「そうか。では向かうとしよう」
クレイドと並んで弟のマンションへ向かう。
弟は斉木透(さいきとおる)と言う。二十三歳で我が弟ながら目鼻立ちの整ったメガネ系イケメンだと思うが、色恋の話は全く聞いた覚えがない。
桜庭チルドというペンネームでラノベ小説を書いており、二十一歳で公募の銀賞を取って商業デビューしてからもう七、八冊位は書籍を出している。三作目の異世界転移ファンタジーが運良くコミカライズされてシリーズ化し、かなり売れたので知名度はそこそこ高くなり、発言権も得たと四作目のコミカライズの話が出た際には私に指名が来た。
シスコンの弟は元々私のマンガも好きで、自分の原作で私に描いて貰うことを最初の目標にしていたようで、これで夢が一つ叶ったと大喜びしていた。だが当時、私は売れっ子マンガ家というほどの知名度はなく、どちらかというと描き込みの多い癖のある作風で、いわゆるマニア受けするタイプだった。しかし弟の原作を引き受けたことで、相乗効果で私まで思った以上に名前が売れた。ファンタジーの世界観を調べるのは苦労したが、そのかいあって、弟の作品に泥を塗るようなこともなく、数十万部の、個人的には初の大ヒット作となった。
お陰様で、低迷していた時はお互いあれども、現在は二人とも食べるには困らない生活をさせて頂いている、いや、もう頂いていたになるのか。
「──あ、このマンションの五階になります」
クレイドと雑談をしながら歩いていたらあっという間に弟のマンションに着いた。私より高級なオートロック式の扉がついた建物で、仕事場兼住居で借りた広めの2LDKだ。弟も私と同じで余り外に出ない生活なので、せめて家では快適に過ごしたいと決めたらしい。
しかし、クレイドが弟の五〇五号室のボタンを鳴らしたところで、誰かも分からない、しかも少年に扉を開けてくれるだろうか。
私は少し考えた。
「クレイド様。もし弟が開けてくれそうになかった場合ですが、少々お耳を拝借」
「……?」
私の話を聞き終え、よく分からないといった顔で頷いた彼は、弟の部屋のインターフォンを鳴らした。
「……はい」
弟の声だ! 久しぶりなのに一言でもすぐ分かるのは身内のせいか。だが、疲れているようにも思えて心配になる。
「斉木透の家で良いだろうか?」
「? ええ、そうですけどどちら様?」
「お主の姉のリリコに頼まれて参った。入れてはくれぬだろうか?」
「はあ? 姉ちゃんの? あんた子供みたいな感じの声だけど、姉ちゃんとどういう関係?」
「どういう関係と言われても……まあ友人といったところか?」
私が頷いたのを見てクレイドも頷いた。
「リリコは、弟は慎重な人間だから、私がリリコと本当に友人なのかどうか分かるまで入れてはくれないだろうと言った」
「──良く分かってるじゃないか。それでどう関係を証明する?」
「お前はリリコの本を読む用と保存用で必ず二冊ずつ買っていると聞いた。それも保存用には必ずサインをさせるらしいな。それと、お前には左右の臀部の中央にホクロが一つずつあって、リリコからふざけてケツパイと呼ばれてからかわれ──」
「おいやめろ外で何てこと言いやがる。分かったから入れ!」
ういーん、とエントランスへの扉が開き、私たちは中に入る。
エレベーターで五階まで上がり、弟の部屋のインターフォンを鳴らすと、すぐに弟が扉を開けた。充血した目の下のクマが尋常ではない。締め切り前だったのだろうか。申し訳ないことをしたかも知れない。
「おいおいマジで子供じゃん。小学生? 中学生? まあそれはどうでもいいけど、あんた姉ちゃんと本当にどんな関係だったの?」
クレイドを見て呆れたように尋ねていた弟が、ふと顔を上げ、クレイドの後ろに立っていた私を見たような気がした。どうせ見えないだろうなあ、と思いながら「トール~」と手を振ったりした。
「……俺、頭おかしくなったんだろうか? いる訳ない姉ちゃんが見える。何か幻聴までしたわ。ヤバいな、最近よく眠れないせいか?……」
(お、もしかして見えてる?)
首を振ったり目をパチパチ忙しくまばたきする弟は、やっぱり私と目が合うようで、私とクレイドへ視線を行ったり来たりさせている。
「流石に親族だねえトール! いやー良かったわー、せめて一目会いたかったからさ、クレイド様に連れて来て貰ったの。身内なら霊の状態でも見えるかも知れないって言われてね。まあ期待半分諦め半分だったけど、分かって貰えて嬉しいわ!」
思わず弟に抱き着こうとして「すかっ」と体が弟を通り抜けてしまったので、ああ死んでたんだった、と改めてがっくりしていたら、弟が振り返って私を見た。
「おい本当に姉ちゃんなのか? ……関西のうどんつゆみたいなうっすい影みたいになっちゃってまあ……」
と言いながら、突然しゃがみ込んで玄関先でおいおいと泣き出すのだった。
私とクレイドは自宅の近所にある公園の男子トイレの個室からコソコソと出て公園を抜け出した。こちらでは既に夕方から夜と言ってもいい時間だ。公園には子供の姿どころかカップルすらいない。
「……それにしてもトイレから里帰りってあんまりじゃないですか? これじゃ私まるで変態ですよ」
「そう言うな。どうせリリコは周りの人間には見えておらぬ。それに、見られる可能性が少なく、ここは夕刻以降は人気がないので利用しやすい」
そう答えるクレイドは、魔力消費を抑えるために十二歳前後ほどの少年の姿をしている。相変わらず美形ではあるが、目つきの鋭さは幼い分かなり緩和している。何の飾りもない黒のシャツと黒のズボン姿なのだが所作が美しく、いいとこの子供といった感じである。
「ところでリリコ、お主の弟は一緒に暮らしておったのか?」
「ああ、生活時間帯が違うから別々です。でも歩いて十五分ぐらいの距離ですよ。元々家族でずっとこの辺りに住んでいたので、なかなか離れがたくて」
「そうか。では向かうとしよう」
クレイドと並んで弟のマンションへ向かう。
弟は斉木透(さいきとおる)と言う。二十三歳で我が弟ながら目鼻立ちの整ったメガネ系イケメンだと思うが、色恋の話は全く聞いた覚えがない。
桜庭チルドというペンネームでラノベ小説を書いており、二十一歳で公募の銀賞を取って商業デビューしてからもう七、八冊位は書籍を出している。三作目の異世界転移ファンタジーが運良くコミカライズされてシリーズ化し、かなり売れたので知名度はそこそこ高くなり、発言権も得たと四作目のコミカライズの話が出た際には私に指名が来た。
シスコンの弟は元々私のマンガも好きで、自分の原作で私に描いて貰うことを最初の目標にしていたようで、これで夢が一つ叶ったと大喜びしていた。だが当時、私は売れっ子マンガ家というほどの知名度はなく、どちらかというと描き込みの多い癖のある作風で、いわゆるマニア受けするタイプだった。しかし弟の原作を引き受けたことで、相乗効果で私まで思った以上に名前が売れた。ファンタジーの世界観を調べるのは苦労したが、そのかいあって、弟の作品に泥を塗るようなこともなく、数十万部の、個人的には初の大ヒット作となった。
お陰様で、低迷していた時はお互いあれども、現在は二人とも食べるには困らない生活をさせて頂いている、いや、もう頂いていたになるのか。
「──あ、このマンションの五階になります」
クレイドと雑談をしながら歩いていたらあっという間に弟のマンションに着いた。私より高級なオートロック式の扉がついた建物で、仕事場兼住居で借りた広めの2LDKだ。弟も私と同じで余り外に出ない生活なので、せめて家では快適に過ごしたいと決めたらしい。
しかし、クレイドが弟の五〇五号室のボタンを鳴らしたところで、誰かも分からない、しかも少年に扉を開けてくれるだろうか。
私は少し考えた。
「クレイド様。もし弟が開けてくれそうになかった場合ですが、少々お耳を拝借」
「……?」
私の話を聞き終え、よく分からないといった顔で頷いた彼は、弟の部屋のインターフォンを鳴らした。
「……はい」
弟の声だ! 久しぶりなのに一言でもすぐ分かるのは身内のせいか。だが、疲れているようにも思えて心配になる。
「斉木透の家で良いだろうか?」
「? ええ、そうですけどどちら様?」
「お主の姉のリリコに頼まれて参った。入れてはくれぬだろうか?」
「はあ? 姉ちゃんの? あんた子供みたいな感じの声だけど、姉ちゃんとどういう関係?」
「どういう関係と言われても……まあ友人といったところか?」
私が頷いたのを見てクレイドも頷いた。
「リリコは、弟は慎重な人間だから、私がリリコと本当に友人なのかどうか分かるまで入れてはくれないだろうと言った」
「──良く分かってるじゃないか。それでどう関係を証明する?」
「お前はリリコの本を読む用と保存用で必ず二冊ずつ買っていると聞いた。それも保存用には必ずサインをさせるらしいな。それと、お前には左右の臀部の中央にホクロが一つずつあって、リリコからふざけてケツパイと呼ばれてからかわれ──」
「おいやめろ外で何てこと言いやがる。分かったから入れ!」
ういーん、とエントランスへの扉が開き、私たちは中に入る。
エレベーターで五階まで上がり、弟の部屋のインターフォンを鳴らすと、すぐに弟が扉を開けた。充血した目の下のクマが尋常ではない。締め切り前だったのだろうか。申し訳ないことをしたかも知れない。
「おいおいマジで子供じゃん。小学生? 中学生? まあそれはどうでもいいけど、あんた姉ちゃんと本当にどんな関係だったの?」
クレイドを見て呆れたように尋ねていた弟が、ふと顔を上げ、クレイドの後ろに立っていた私を見たような気がした。どうせ見えないだろうなあ、と思いながら「トール~」と手を振ったりした。
「……俺、頭おかしくなったんだろうか? いる訳ない姉ちゃんが見える。何か幻聴までしたわ。ヤバいな、最近よく眠れないせいか?……」
(お、もしかして見えてる?)
首を振ったり目をパチパチ忙しくまばたきする弟は、やっぱり私と目が合うようで、私とクレイドへ視線を行ったり来たりさせている。
「流石に親族だねえトール! いやー良かったわー、せめて一目会いたかったからさ、クレイド様に連れて来て貰ったの。身内なら霊の状態でも見えるかも知れないって言われてね。まあ期待半分諦め半分だったけど、分かって貰えて嬉しいわ!」
思わず弟に抱き着こうとして「すかっ」と体が弟を通り抜けてしまったので、ああ死んでたんだった、と改めてがっくりしていたら、弟が振り返って私を見た。
「おい本当に姉ちゃんなのか? ……関西のうどんつゆみたいなうっすい影みたいになっちゃってまあ……」
と言いながら、突然しゃがみ込んで玄関先でおいおいと泣き出すのだった。
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