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エンジェル電機発売情報。
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何だかガレク国王が訓練場に来てからより生き生きとしてやる気に満ち溢れている。
あれかしら、筋肉で会話するタイプなのかしら。
初対面でもいい筋肉がそこにあれば言葉は要らないみたいな。
ダークに会った時に、ホッとしたのとルーシーが仲良しアピール大事と言うので、仕事中に申し訳ないとは思ったが気合いを入れて抱きついてみた。
仕事中に流石にまずいかと心配したが、むしろ嬉しそうだったので一安心した。
ただ、抱き締め返された時には結構な力の強さで恥ずかしいのと苦しい(物理)のとで気が遠くなりそうだったけれど。
ガレク国王がダークと和やかに話している間に、車エビのようにしゃしゃしゃっと下がってルーシーのところに戻った。
「ルーシー、私頑張ったわ!怒られなくて良かった」
「周りがざわめくほど神々しいオーラを放つ美の女神が自分の妻で、それも周りに見せびらかせるように抱きついて来てくれたら嬉しいに決まっております。
旦那様が喜ばないような事をわたくしがリーシャ様にお勧めするとでも思われましたか?」
「そんなこと考えてないけど、やっぱり仕事場だから……ほら私としては職場での夫の立場をね──」
「新刊の発売日に有給休暇を取って本屋に並ぶぐらいリーシャ様に一途に愛情を注いでいる旦那様が、どこであろうと抱きつかれて喜ばない訳がございません。
むしろもっとして差し上げたらよろしいのです」
「屋外でそういうのはちょっと……何て言うのかしら、こう、若い子たちならまだ勢いで行けるかも知れないけれど、流石に三十路と四十路でやるのはアレじゃないかしらね。私にも羞恥心はある訳で……」
「リーシャ様は小説やマンガでは何故あそこまで攻めの姿勢を崩さないのに、どうして私生活ではそれを活かせないんですか」
「床ドン壁ドン、顎クイからの5秒で全裸とか人前で出来るわけないでしょうが」
「そんなもの誰がやっても自警団大集合待ったなしではございませんか。どうして経験値もないのにいきなりスタートダッシュですぐゴールテープを切ろうとなさるのですか。物事には順序というのがあるのです。
ヒッキーだからといって、旦那様にまでヒッキーでどうするんですか。密な愛情アピールは夫婦円満の秘訣なのですから、人前でちょっと腕を組む、軽くキスをする、抱きつく位は頑張りましょうリーシャ様も」
「……でもダークはいまだ眩しいほどのイケメンだから、どうしても私ごときが表でそんな真似を……と一歩引いてしまうというか、その」
「町のアンケート100人中128人が眩しいのはリーシャ様の方だと答えると思いますが、そこは置いておいて、──ブレナン様、お父様とお母様が仲良くしている姿は家の中でも外でも良いものでございますよね?」
「はい。母様と父様が仲良くしてるとうれしいです」
「アナもね、母様が父様と仲良しなのはうれしい」
「……母様そんなに好き好きアピール出来てないかしらね?」
私はちょっと落ち込んだ。
家の中では自分では少しやり過ぎかもと思うほどダークの世話を焼き、筋肉チェックー、と言いながら抱きついて、見事な胸板にすりすりさせて頂いてるんだけど。
またダークの匂いがマイナスイオンでも出てるのかってくらい心が安らぐのよねぇ。
……うっかりやり過ぎてダークのナニが元気になってしまってそのまま1回戦が始まる事もかなり……あら待って?というかダークが私が煽るせいだとか言ってたけど、私がすりすりしなくてもいつの間にか私の寝間着が脱がされている気がするわ。あの温泉みたいに延々とこぽこぽ湧いてくる体力が羨ましいけど、これからもし頑張って外でいちゃこらするとなると、ダークが夜帰って来てからの私の体力問題がまた勃発するんじゃ──。
「リーシャ様?大丈夫でございますか?」
「……え?ああごめんなさいちょっとシミュレーションをしていただけなの。気にしないで」
外でのいちゃこらは要検討だ。
「あ、父様たち試合をするみたいだよ」
カイルがワクワクしたような顔で私のスカートをツンツンした。
後ろで軽く結んだダークシルバーの髪に毎度驚くほどの整った顔立ち。鍛え上げた無駄のない筋肉。素晴らしいの一言だ。私の脳内でハラショーハラショーとスタンディングオベーションが鳴り止まない。
剣を持った姿も絵になるというか、ここにカメラがあれば加●典明か篠山●信ばりに激写していたところである。
ウチのダーリンは、やっぱり世界一だわ。
「……そう言えば、夏に写真機が出るそうですわエンジェル電機から。先日プレミアム会員のお知らせが来ておりました。リーシャ様にお話を聞いてから2年ほどかかりましたが、ようやく実現の目処が立って、プレミアム協力会員としても嬉しい事ですわ。
かなりいいお値段ですけれど、これから安くなっていくでしょう」
ぽそり、とルーシーが呟いた。
「ルーシー、アナタ私の頭の中を読んだの?」
「いえ、リーシャ様の考えていることは大概顔に出ておりますから」
「分かりやすいのね私。腹芸とか出来ないから貴族としては困ったものだわね……。でも早く出ないかしらね!高くてもいいわ、私絶対買うから!!」
子供たちの姿も今の時期は今でしか写せないのだ。
考えてみればカメラって画期的な発明よねえ。尊敬するわホントに。ついでに、死ぬまでに携帯やスマホでも出来ればいいのだけど。
発売したらリーシャ=篠山=シャインベックになってひたすら撮りまくろう。老後の楽しみが増えたわ。
私は後光が射すようなキラキラしたダークの姿をうっとりと眺めながら、子供たちと試合を観戦するのであった。
あれかしら、筋肉で会話するタイプなのかしら。
初対面でもいい筋肉がそこにあれば言葉は要らないみたいな。
ダークに会った時に、ホッとしたのとルーシーが仲良しアピール大事と言うので、仕事中に申し訳ないとは思ったが気合いを入れて抱きついてみた。
仕事中に流石にまずいかと心配したが、むしろ嬉しそうだったので一安心した。
ただ、抱き締め返された時には結構な力の強さで恥ずかしいのと苦しい(物理)のとで気が遠くなりそうだったけれど。
ガレク国王がダークと和やかに話している間に、車エビのようにしゃしゃしゃっと下がってルーシーのところに戻った。
「ルーシー、私頑張ったわ!怒られなくて良かった」
「周りがざわめくほど神々しいオーラを放つ美の女神が自分の妻で、それも周りに見せびらかせるように抱きついて来てくれたら嬉しいに決まっております。
旦那様が喜ばないような事をわたくしがリーシャ様にお勧めするとでも思われましたか?」
「そんなこと考えてないけど、やっぱり仕事場だから……ほら私としては職場での夫の立場をね──」
「新刊の発売日に有給休暇を取って本屋に並ぶぐらいリーシャ様に一途に愛情を注いでいる旦那様が、どこであろうと抱きつかれて喜ばない訳がございません。
むしろもっとして差し上げたらよろしいのです」
「屋外でそういうのはちょっと……何て言うのかしら、こう、若い子たちならまだ勢いで行けるかも知れないけれど、流石に三十路と四十路でやるのはアレじゃないかしらね。私にも羞恥心はある訳で……」
「リーシャ様は小説やマンガでは何故あそこまで攻めの姿勢を崩さないのに、どうして私生活ではそれを活かせないんですか」
「床ドン壁ドン、顎クイからの5秒で全裸とか人前で出来るわけないでしょうが」
「そんなもの誰がやっても自警団大集合待ったなしではございませんか。どうして経験値もないのにいきなりスタートダッシュですぐゴールテープを切ろうとなさるのですか。物事には順序というのがあるのです。
ヒッキーだからといって、旦那様にまでヒッキーでどうするんですか。密な愛情アピールは夫婦円満の秘訣なのですから、人前でちょっと腕を組む、軽くキスをする、抱きつく位は頑張りましょうリーシャ様も」
「……でもダークはいまだ眩しいほどのイケメンだから、どうしても私ごときが表でそんな真似を……と一歩引いてしまうというか、その」
「町のアンケート100人中128人が眩しいのはリーシャ様の方だと答えると思いますが、そこは置いておいて、──ブレナン様、お父様とお母様が仲良くしている姿は家の中でも外でも良いものでございますよね?」
「はい。母様と父様が仲良くしてるとうれしいです」
「アナもね、母様が父様と仲良しなのはうれしい」
「……母様そんなに好き好きアピール出来てないかしらね?」
私はちょっと落ち込んだ。
家の中では自分では少しやり過ぎかもと思うほどダークの世話を焼き、筋肉チェックー、と言いながら抱きついて、見事な胸板にすりすりさせて頂いてるんだけど。
またダークの匂いがマイナスイオンでも出てるのかってくらい心が安らぐのよねぇ。
……うっかりやり過ぎてダークのナニが元気になってしまってそのまま1回戦が始まる事もかなり……あら待って?というかダークが私が煽るせいだとか言ってたけど、私がすりすりしなくてもいつの間にか私の寝間着が脱がされている気がするわ。あの温泉みたいに延々とこぽこぽ湧いてくる体力が羨ましいけど、これからもし頑張って外でいちゃこらするとなると、ダークが夜帰って来てからの私の体力問題がまた勃発するんじゃ──。
「リーシャ様?大丈夫でございますか?」
「……え?ああごめんなさいちょっとシミュレーションをしていただけなの。気にしないで」
外でのいちゃこらは要検討だ。
「あ、父様たち試合をするみたいだよ」
カイルがワクワクしたような顔で私のスカートをツンツンした。
後ろで軽く結んだダークシルバーの髪に毎度驚くほどの整った顔立ち。鍛え上げた無駄のない筋肉。素晴らしいの一言だ。私の脳内でハラショーハラショーとスタンディングオベーションが鳴り止まない。
剣を持った姿も絵になるというか、ここにカメラがあれば加●典明か篠山●信ばりに激写していたところである。
ウチのダーリンは、やっぱり世界一だわ。
「……そう言えば、夏に写真機が出るそうですわエンジェル電機から。先日プレミアム会員のお知らせが来ておりました。リーシャ様にお話を聞いてから2年ほどかかりましたが、ようやく実現の目処が立って、プレミアム協力会員としても嬉しい事ですわ。
かなりいいお値段ですけれど、これから安くなっていくでしょう」
ぽそり、とルーシーが呟いた。
「ルーシー、アナタ私の頭の中を読んだの?」
「いえ、リーシャ様の考えていることは大概顔に出ておりますから」
「分かりやすいのね私。腹芸とか出来ないから貴族としては困ったものだわね……。でも早く出ないかしらね!高くてもいいわ、私絶対買うから!!」
子供たちの姿も今の時期は今でしか写せないのだ。
考えてみればカメラって画期的な発明よねえ。尊敬するわホントに。ついでに、死ぬまでに携帯やスマホでも出来ればいいのだけど。
発売したらリーシャ=篠山=シャインベックになってひたすら撮りまくろう。老後の楽しみが増えたわ。
私は後光が射すようなキラキラしたダークの姿をうっとりと眺めながら、子供たちと試合を観戦するのであった。
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