21 / 30
アナの場合。【7】
しおりを挟む
私は早速翌日、王宮に向かった。事前連絡すると避けられてしまいそうだったので、突然のアポである。当然大量の執務をこなす彼だ。空き時間をいきなり作ってくれと言うのも難しいだろうと考えたのもある。だが、出来るだけ早く彼と話し合いたかった。
通路で立っている顔なじみの騎士団の人に、サプライズで来たからこっそり入れてくれと伝えて通して貰った。こういう時に信頼度の高い騎士団トップの父親がいるのは助かる。
「……アナ?」
まだ朝十時を回ったばかりだが、音を立てないよう入った執務室の馬鹿でかいデスクには既に山積みの書類があり、レイモンドがいつもの仏頂面で黙々と仕事をこなしていた。書類仕事をするレイモンドを見るのが珍しくて暫く眺めていると、視線を感じたのか顔を上げた彼が目を見開いた。
「どうしたんだいきなり。来るとは聞いてないぞ」
「うん、言わなかったから。ごめんね──レイモンドと少し話がしたくて。あ、仕事が一段落ついてからでいいの。私が勝手に来たんだから待ってるわ」
「そんな訳に行くか。それに丁度区切りがついたから気にするな」
呼び鈴を鳴らして二人分の紅茶を用意させたレイモンドはソファーに移動して来た。
王宮で出される紅茶は淹れたてで、我が家の温めのミルクティーに慣れている舌には熱すぎた。少し冷めるのを待っていると、レイモンドが促す。
「それで、どうした」
「……あ、うん……」
意を決して、私は昨夜の父との会話、自分がいかに考えなしだったかを詫びた。
「私は良かれと思ってやっていたのだけど、お前は独りよがりで行動することがあるからレイモンドの考えをきちんと聞け、話し合えと言われて反省したわ。本当にごめんなさい」
「──お義父上にはみんなお見通しなんだな」
レイモンドは少し息を吐くと、私の顔を正面から見据える。
「お義父上の考えていることは概ね当たっている。……実は、結婚するのも考えた方がいいかとまで悩み、昨夜は眠れなかった」
「レイモンド……」
「今までずっと愛する女のために立派であれ、頼れる男になれと頑張って来たのに、その女が私の為に命を粗雑に扱うなんて耐えられないからな。もしアナの命にもしものことがあったら、その先私はどうやって生きていけばいいんだ? お前は遺された私のことを少しでも考えたことがあるか? 私は次期国王ではあるかも知れないが、その前に一人の女を愛する一人の平凡な男なんだ」
「……ごめんなさい。私、自分に自信が持てなくなっていたというか、妹や兄様たちと比べて見劣りすることばかりで、唯一の長所を伸ばすことが貴方の為になる、役に立てると盲信していたのよね……」
私は深いため息をついて、本当に申し訳なかったと頭を下げた。そしてこの際だし、全部思っていたことを言おうと決めた。
「──私、正直に言って、何故レイモンドが私と結婚したいのかがずっと疑問だった。幼馴染みで一緒にいる時間が多かったのは事実。でもクロエはもう三歳の時からジークライン義兄様と結婚すると決めていたし、消去法でもう私しか居なかったからなんじゃないか、フォアローゼズなんてこっぱずかしい通り名をつけられるほど母様譲りの顔を受け継いだから見栄え的な意味もあるのかな、とかも考えたわ。ほら、知っての通り私は小さな頃から爬虫類や昆虫に夢中だったし、男の子と泥んこになって駆け回るような女の子らしいとはとても言えない人間だったし、淑やかでもなかった。それなのに、この国の王子に見初められるとか、そんな童話みたいなこと普通ならある訳ないもの。だから、自分が必要な人間であると、必要とされる人間でありたい、とずっと考えていたのよ」
「……私も腹を割って話そうか」
じっと黙って私の話を聞いていたレイモンドが、紅茶を一口含むと続けた。
「──私は、昔はかなり嫌な奴だっただろう? 何しろ国王の一人息子だったからな、それはもう大切にされた。何をしても許され、迎合され、褒められ。それが当たり前のことだと思っていた」
「ああ、確かに。感じ悪いと思っていたこともあったわね」
私は昔のレイモンドを思い出していた。
「ふ、正直だな。……で、お前たちが王宮に遊びに来るようになってからも、自分が一番に立てられて、優先されて当然だと思っていたのに、『遊んでやるとは言ってない』とか言ったら『それじゃあ帰りまーす』とか帰ろうとするしな、ドロドロごっことか言う妄想劇をやらされて、俺はろくでなしのダメ男の役をさせられたりな。何でこんなことになるんだ、と思っていたが、それは迎合されるばかりだった自分には新鮮だった」
「あったわねえーそんなことも」
考えてみれば、我が家の兄たち、主にブレナン兄様が変なことを考えて、それに私たちが乗っかるのが基本スタイルだった。まあ、母様も色々憑依させたり変わった踊りを伝授したりしてくれたり、シャインベック家はとにかく一般的な貴族家庭ではありえない環境ではあった。
「それでも、若干の忖度というか、子供ながらもカイルやブレナン、クロエはある程度の常識があったのか、王族であるということが理解出来ていたのか不明だが、私に対して本気で歯向かうことは流石にしなかった。だが、アナだけは私に対して悪いことをした時には本気で怒ったし、嗜めた」
「……それは、褒めてるの? 常識がないと呆れてるの?」
「褒めてる。──いつだったか、私が木から落ちてきたクモを、脅かされた怒りと恐怖の余り踏みつけて殺したことがあっただろう? そうしたらアナが本当に怒って、『びっくりしただけで、ただ普通に生きているクモを殺すのは可哀そうじゃないのか』『そんなことをする人は、いい王様にはなれないんじゃないのか』とまあガンガン泣きながら言われて、その後一週間ほど口を聞いて貰えなかった。その時に思ったんだ。アナは私と同じ位置に立って物事を考え、過ちがあれば正そうとしてくれる唯一の女性だ、と」
「いやあ……それはちょっと大袈裟じゃないかしら……」
「正論であろうと、自国の王子に泣きながらクレームをつける女性はそうは居ないだろ」
「いや、まあ、それは」
「あとは、学校に通うようになってから、ラブレターをくれた侯爵家の女性に謝罪させられたり」
「それはレイモンドが読みもせずに薪ストーブに放り込んだからでしょう?」
「あれはむしろアナへの誠意の表れだったのだがな」
「だとしても、苦労して書き上げた手紙を読まれもしないって女性にはショックでしかないでしょうよ。せめて読んでから断りの手紙を書きなさいよ」
「他にも色々あるが、いつでもアナは私を王族ではなく、まず一人の人間としてどうあるべきかを教えてくれた」
「……そこまでのことをした記憶はないわね」
「でも私にとってはそうだ。常にアナはフェアであろうとした。誰に対してもな。それが眩しくて、気がつけばアナ以外はもう目に入らなくなっていたという話だ。本音を言えば、別に顔ももっと普通でも惚れていただろうし、自分では知らないと思うが、わんわん泣いている時には結構不細工だぞ? まあそこも可愛いんだが」
「……今さらながら、ちゃんと好意の告白をされた気がするわ」
「アナからは聞いてないが」
「結婚したいと思えるぐらいには……好きよ」
「ほぼ初めての告白が執務室とはな。嬉しいが。……じゃあ二度と私を庇おうとするな。別に好きな剣術や護衛術を止めろと言っている訳じゃないから誤解はするな。ただ、私が生きている間は、生きてそばにいることだけを最優先して欲しい。それに愛する女を護るのは私の役目でもあるんだ。少しはかっこつけられる所を奪うな」
「はい。本当にごめんなさい」
「素直でよろしい」
レイモンドはソファーから立ち上がると私の頬にキスをした。
「まあ、どちらにせよ結婚を止める気にはなれなかったんだがな。アナが他の男とくっつくこと考えただけで死にたくなったし。──それに、お義母上の美味い食事も食べられなくなる」
にやりと悪そうな顔をしてからかうレイモンドの肩を叩いて、私も笑った。
「浮気でもして私を不幸にしたら一生出入り禁止よ」
「それは怖いな。肝に銘じるよ」
レイモンドの笑顔は私の大好きないつもの笑みだった。
わだかまりも消え、ようやく結婚式前にお互いの気持ちを確かめられた。私も恋愛には疎いせいで波乱含みではあったが、後日ルーシーと話した時に、
「リーシャ様も旦那様も昔は相当なポンコツでございましたから、わたくし本当に、本当に苦労致しましたわ。アナ様など全然マシでございます」
と珍しく感情豊かな励ましを受けた。ルーシーが居なかったら我が家は存在すらしていなかったかも知れない。
通路で立っている顔なじみの騎士団の人に、サプライズで来たからこっそり入れてくれと伝えて通して貰った。こういう時に信頼度の高い騎士団トップの父親がいるのは助かる。
「……アナ?」
まだ朝十時を回ったばかりだが、音を立てないよう入った執務室の馬鹿でかいデスクには既に山積みの書類があり、レイモンドがいつもの仏頂面で黙々と仕事をこなしていた。書類仕事をするレイモンドを見るのが珍しくて暫く眺めていると、視線を感じたのか顔を上げた彼が目を見開いた。
「どうしたんだいきなり。来るとは聞いてないぞ」
「うん、言わなかったから。ごめんね──レイモンドと少し話がしたくて。あ、仕事が一段落ついてからでいいの。私が勝手に来たんだから待ってるわ」
「そんな訳に行くか。それに丁度区切りがついたから気にするな」
呼び鈴を鳴らして二人分の紅茶を用意させたレイモンドはソファーに移動して来た。
王宮で出される紅茶は淹れたてで、我が家の温めのミルクティーに慣れている舌には熱すぎた。少し冷めるのを待っていると、レイモンドが促す。
「それで、どうした」
「……あ、うん……」
意を決して、私は昨夜の父との会話、自分がいかに考えなしだったかを詫びた。
「私は良かれと思ってやっていたのだけど、お前は独りよがりで行動することがあるからレイモンドの考えをきちんと聞け、話し合えと言われて反省したわ。本当にごめんなさい」
「──お義父上にはみんなお見通しなんだな」
レイモンドは少し息を吐くと、私の顔を正面から見据える。
「お義父上の考えていることは概ね当たっている。……実は、結婚するのも考えた方がいいかとまで悩み、昨夜は眠れなかった」
「レイモンド……」
「今までずっと愛する女のために立派であれ、頼れる男になれと頑張って来たのに、その女が私の為に命を粗雑に扱うなんて耐えられないからな。もしアナの命にもしものことがあったら、その先私はどうやって生きていけばいいんだ? お前は遺された私のことを少しでも考えたことがあるか? 私は次期国王ではあるかも知れないが、その前に一人の女を愛する一人の平凡な男なんだ」
「……ごめんなさい。私、自分に自信が持てなくなっていたというか、妹や兄様たちと比べて見劣りすることばかりで、唯一の長所を伸ばすことが貴方の為になる、役に立てると盲信していたのよね……」
私は深いため息をついて、本当に申し訳なかったと頭を下げた。そしてこの際だし、全部思っていたことを言おうと決めた。
「──私、正直に言って、何故レイモンドが私と結婚したいのかがずっと疑問だった。幼馴染みで一緒にいる時間が多かったのは事実。でもクロエはもう三歳の時からジークライン義兄様と結婚すると決めていたし、消去法でもう私しか居なかったからなんじゃないか、フォアローゼズなんてこっぱずかしい通り名をつけられるほど母様譲りの顔を受け継いだから見栄え的な意味もあるのかな、とかも考えたわ。ほら、知っての通り私は小さな頃から爬虫類や昆虫に夢中だったし、男の子と泥んこになって駆け回るような女の子らしいとはとても言えない人間だったし、淑やかでもなかった。それなのに、この国の王子に見初められるとか、そんな童話みたいなこと普通ならある訳ないもの。だから、自分が必要な人間であると、必要とされる人間でありたい、とずっと考えていたのよ」
「……私も腹を割って話そうか」
じっと黙って私の話を聞いていたレイモンドが、紅茶を一口含むと続けた。
「──私は、昔はかなり嫌な奴だっただろう? 何しろ国王の一人息子だったからな、それはもう大切にされた。何をしても許され、迎合され、褒められ。それが当たり前のことだと思っていた」
「ああ、確かに。感じ悪いと思っていたこともあったわね」
私は昔のレイモンドを思い出していた。
「ふ、正直だな。……で、お前たちが王宮に遊びに来るようになってからも、自分が一番に立てられて、優先されて当然だと思っていたのに、『遊んでやるとは言ってない』とか言ったら『それじゃあ帰りまーす』とか帰ろうとするしな、ドロドロごっことか言う妄想劇をやらされて、俺はろくでなしのダメ男の役をさせられたりな。何でこんなことになるんだ、と思っていたが、それは迎合されるばかりだった自分には新鮮だった」
「あったわねえーそんなことも」
考えてみれば、我が家の兄たち、主にブレナン兄様が変なことを考えて、それに私たちが乗っかるのが基本スタイルだった。まあ、母様も色々憑依させたり変わった踊りを伝授したりしてくれたり、シャインベック家はとにかく一般的な貴族家庭ではありえない環境ではあった。
「それでも、若干の忖度というか、子供ながらもカイルやブレナン、クロエはある程度の常識があったのか、王族であるということが理解出来ていたのか不明だが、私に対して本気で歯向かうことは流石にしなかった。だが、アナだけは私に対して悪いことをした時には本気で怒ったし、嗜めた」
「……それは、褒めてるの? 常識がないと呆れてるの?」
「褒めてる。──いつだったか、私が木から落ちてきたクモを、脅かされた怒りと恐怖の余り踏みつけて殺したことがあっただろう? そうしたらアナが本当に怒って、『びっくりしただけで、ただ普通に生きているクモを殺すのは可哀そうじゃないのか』『そんなことをする人は、いい王様にはなれないんじゃないのか』とまあガンガン泣きながら言われて、その後一週間ほど口を聞いて貰えなかった。その時に思ったんだ。アナは私と同じ位置に立って物事を考え、過ちがあれば正そうとしてくれる唯一の女性だ、と」
「いやあ……それはちょっと大袈裟じゃないかしら……」
「正論であろうと、自国の王子に泣きながらクレームをつける女性はそうは居ないだろ」
「いや、まあ、それは」
「あとは、学校に通うようになってから、ラブレターをくれた侯爵家の女性に謝罪させられたり」
「それはレイモンドが読みもせずに薪ストーブに放り込んだからでしょう?」
「あれはむしろアナへの誠意の表れだったのだがな」
「だとしても、苦労して書き上げた手紙を読まれもしないって女性にはショックでしかないでしょうよ。せめて読んでから断りの手紙を書きなさいよ」
「他にも色々あるが、いつでもアナは私を王族ではなく、まず一人の人間としてどうあるべきかを教えてくれた」
「……そこまでのことをした記憶はないわね」
「でも私にとってはそうだ。常にアナはフェアであろうとした。誰に対してもな。それが眩しくて、気がつけばアナ以外はもう目に入らなくなっていたという話だ。本音を言えば、別に顔ももっと普通でも惚れていただろうし、自分では知らないと思うが、わんわん泣いている時には結構不細工だぞ? まあそこも可愛いんだが」
「……今さらながら、ちゃんと好意の告白をされた気がするわ」
「アナからは聞いてないが」
「結婚したいと思えるぐらいには……好きよ」
「ほぼ初めての告白が執務室とはな。嬉しいが。……じゃあ二度と私を庇おうとするな。別に好きな剣術や護衛術を止めろと言っている訳じゃないから誤解はするな。ただ、私が生きている間は、生きてそばにいることだけを最優先して欲しい。それに愛する女を護るのは私の役目でもあるんだ。少しはかっこつけられる所を奪うな」
「はい。本当にごめんなさい」
「素直でよろしい」
レイモンドはソファーから立ち上がると私の頬にキスをした。
「まあ、どちらにせよ結婚を止める気にはなれなかったんだがな。アナが他の男とくっつくこと考えただけで死にたくなったし。──それに、お義母上の美味い食事も食べられなくなる」
にやりと悪そうな顔をしてからかうレイモンドの肩を叩いて、私も笑った。
「浮気でもして私を不幸にしたら一生出入り禁止よ」
「それは怖いな。肝に銘じるよ」
レイモンドの笑顔は私の大好きないつもの笑みだった。
わだかまりも消え、ようやく結婚式前にお互いの気持ちを確かめられた。私も恋愛には疎いせいで波乱含みではあったが、後日ルーシーと話した時に、
「リーシャ様も旦那様も昔は相当なポンコツでございましたから、わたくし本当に、本当に苦労致しましたわ。アナ様など全然マシでございます」
と珍しく感情豊かな励ましを受けた。ルーシーが居なかったら我が家は存在すらしていなかったかも知れない。
4
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
巻き込まれ女子と笑わない王子様
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
目立たず静かに生きていきたいのに何故かトラブルに巻き込まれやすい古川瞳子(ふるかわとうこ)(十八歳)。巻き込まれたくなければ逃げればいいのだが、本来のお人好しの性格ゆえかつい断りそびれて協力する羽目になる。だがそのトラブルキャッチャーな自分の命運は、大学に入った夏に遊びに来た海で、溺れていた野良猫を助けようとしてあえなく尽きてしまう。
気がつけば助けたその黒猫と一緒に知らない山の中。
しかも猫はこちらにやって来たことが原因なのか、私とだけ思念で会話まで出来るようになっていた。まさか小説なんかで死んだら転生したり転移するって噂の異世界ですか?
トウコは死に損じゃねえかと助けた猫に同情されつつも、どんな世界か不明だけどどちらにせよ暮らして行かねばならないと気を取り直す。どうせ一緒に転生したのだから一緒に生きていこう、と黒猫に【ナイト】という名前をつけ、山を下りることに。
この国の人に出会うことで、ここはあの世ではなく異世界だと知り、自分が異世界からの『迷い人』と呼ばれていることを知る。
王宮に呼ばれ出向くと、国王直々にこの国の同い年の王子が、幼い頃から感情表現をしない子になってしまったので、よその国の人間でも誰でも、彼を変化させられないかどんな僅かな可能性でも良いから試しているので協力して欲しいとのこと。
私にも協力しろと言われても王族との接し方なんて分からない。
王族に関わるとろくなことにならないと小説でも書いてあったのにいきなりですか。
異世界でもトラブルに巻き込まれるなんて涙が出そうだが、衣食住は提供され、ナイトも一緒に暮らしていいと言う好条件だ。給料もちゃんと出すし、三年働いてくれたら辞める時にはまとまったお金も出してくれると言うので渋々受けることにした。本来なら日本で死んだまま、どこかで転生するまで彷徨っていたかも知れないのだし、ここでの人生はおまけのようなものである。
もし王子に変化がなくても責任を押し付けないと念書を取って、トウコは日常生活の家庭教師兼話し相手として王宮で働くことになる。
大抵の人が想像するような金髪に青い瞳の気が遠くなるほどの美形、ジュリアン王子だったが、確かに何を言っても無表情、言われたことは出来るし頭も良いのだが、何かをしたいとかこれが食べたいなどの己の欲もないらしい。
(これはいけない。彼に世の中は楽しいや美味しいが沢山あると教えなければ!)
かくしてジュリアンの表情筋を復活させるトウコの戦いが幕を上げる。
フェードイン・フェードアウトがチートな転生女子と、全く笑みを見せない考えの読めない王子とのじれじれするラブコメ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
森でオッサンに拾って貰いました。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。
ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる