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第1章
第162話《総一郎の嘘を利用して揺さぶり攻撃を画策するすずめ》
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「なんだ。誰かと思えば、すずめに付きまとっているストーカー君じゃないか。くくっ。すずめは俺の事しか愛せないのに、すぐそうやって俺とすずめを引き離すための工作をする貴様も中々に哀れだな?」
「ふふ。自分が先にすずめをこっ酷く裏切った癖に、いざ自分が捨てられそうになると、今更焦り出してすずめの行動に一喜一憂している貴方程じゃありませんよ。」
総一郎はこの部屋に来た時点では呆然としていた顔をしていた癖に、何故かいつの間にか元気を取り戻したようで、皮肉交じりで巧斗さんに声を掛ける。
(なっ!総一郎、寄りにもよって巧斗さんをストーカー扱いとは…。ここは、俺からガツンと言ってやらないと…。ん?巧斗さんが目配せして首を振ってる。こっちに来るなって事か?)
おそらく俺を総一郎から守ろうとしてくれているのだろうけど、そう何度も守られているばかりは流石に気が引ける。
「ふん、俺がすずめに捨てられそうになっているだって?俺からのドレスを心から欲しているすずめが、そんな馬鹿な事を欠片とて思っている訳が無いだろう?…はっ、Ωに振り向いて貰えない惨めな男の話など聞くに足らんな。せいぜい心の中ですずめと両想いになる妄想でも繰り広げておくがいい。」
巧斗さんを馬鹿にしたような上から目線でしっしっと手を振る総一郎に心底腹が立つ。
ストーカーや妄想癖扱いも失礼だし、巧斗さんの事はむしろ俺の方が好意がある方だと思うし、俺が総一郎を捨てないと高を括っている所も腹立たしい。
「えーでも、案外あのアバズレも浮気してたりしてwwなんせあいつ昔っから八方美人だから本命は総君でも、キープ君は他に何人でも作ってそ~」
「おや、それはご自分のお話ですか?もしそうじゃなかったら…。」
「ひぇっ!」
俺の悪評を好き勝手に垂れ流そうとするひなにも一旦腹は立ったが、そっちは巧斗さんが底知れぬ圧をかける事で、すぐにまた腰を抜かし、その場でまた漏らしていたので、あまりに無様すぎて怒りは湧かなかった。
同じ控室にいた人達も、
『え、愛野さん、昨日他のテニサーだかなんだかのβに告白しておいて、鷹崎君に四六時中ベッタリな癖に自分の事棚に上げすぎだよね?』
『ああやって、いつも自分の気に入らないライバル潰してきたんだろうね…。』
『シマ先輩も同じような手でやられたらしいよ?怖いよねぇ。』
等とこちらに都合よく話が広まっているので、ラッキーだった。
多分シマちゃんの噂話がここにも届いているのだろう。
(…………。でも、俺もいつも守ってもらってばかりも駄目だよな…。)
巧斗さんに止められた以上、それを無視して出しゃばって乗り込むわけにもいかないが、かといって巧斗さんに全部任せて引き下がるのも嫌だったので、どうしたものかとその場で考え込んでいると、総一郎とばちっと目があう。
すると、総一郎は目玉が飛び出そうとするくらいに思いっきり見開いて、その後引き攣った顔でズカズカとこちらに駆け寄ってきた。
(ひいっ!急になんだよ…。総一郎のそんな顔初めてみたぞ…。)
こちらに接近してくる総一郎に怯えるものの、すんでの所で巧斗さんが止めてくれたので一旦は胸を撫でおろす。
「!す…すずめ…?まさか、今の話聞いてっ…!」
「えっ…?今の話__?」
(って、ああ…。さっき巧斗さんが言ってた『こっ酷く裏切った癖に』って所の話か…。一応総一郎は、俺にひなとの婚約&浮気の事をバレてないと思っているらしいからな…。)
う~ん、もしここで聞いてなかったと言えば、何だかんだ丸め込んで、完全な決別とまではいかない気もするが…、ここで色々と揺さぶってみるのも面白そうだなぁ。
色々とつついて散々動揺させてコンテストに響いてくれれば御の字だ。
もういい加減こいつと交際しながらの復讐も嫌気がさしてきたし、なんならこの際別れる話になっても構わないしな。
「あっ、総一郎君が俺の事を裏切ってたって話?…総一郎君の事は信じていたつもりだけど…、もしかして何かやっちゃったの?……あっ!もしかして浮気とかだったりして?…ふふっ、なーんてね。総一郎君がそんな事をするわけないか!」
この機会を利用して揺さぶるだけ揺さぶって動揺させてやろうと画策しながら一番罪悪感(総一郎には無いかもしれないけど)を煽る方向で質問してみると____
なんと総一郎は目に一点の曇りもなく、
『浮気?あはは、まさか!そんな事しない無いじゃないか。僕はいつでも何があろうとすずめ一筋だからね。…裏切りって言うのはおそらくドレスの件だろう。まぁそれも濡れ衣なんだけどね?』
等と、堂々とまるで嘘をついていないかのように言ってのけて、今度はこちらが目が点になった。
いや、俺ハロウィンの日にお前がひなとHしているのをこの目で間近で見たんだけど、やっぱりこいつ、あれだけの仕打ちに罪悪感すら湧かないサイコパスだったのか……?
そして、控室の入り口で腰を抜かしている状態のひなに聞こえない程度の囁き声でそれを言うあたり、質が悪い。
「ふふ。自分が先にすずめをこっ酷く裏切った癖に、いざ自分が捨てられそうになると、今更焦り出してすずめの行動に一喜一憂している貴方程じゃありませんよ。」
総一郎はこの部屋に来た時点では呆然としていた顔をしていた癖に、何故かいつの間にか元気を取り戻したようで、皮肉交じりで巧斗さんに声を掛ける。
(なっ!総一郎、寄りにもよって巧斗さんをストーカー扱いとは…。ここは、俺からガツンと言ってやらないと…。ん?巧斗さんが目配せして首を振ってる。こっちに来るなって事か?)
おそらく俺を総一郎から守ろうとしてくれているのだろうけど、そう何度も守られているばかりは流石に気が引ける。
「ふん、俺がすずめに捨てられそうになっているだって?俺からのドレスを心から欲しているすずめが、そんな馬鹿な事を欠片とて思っている訳が無いだろう?…はっ、Ωに振り向いて貰えない惨めな男の話など聞くに足らんな。せいぜい心の中ですずめと両想いになる妄想でも繰り広げておくがいい。」
巧斗さんを馬鹿にしたような上から目線でしっしっと手を振る総一郎に心底腹が立つ。
ストーカーや妄想癖扱いも失礼だし、巧斗さんの事はむしろ俺の方が好意がある方だと思うし、俺が総一郎を捨てないと高を括っている所も腹立たしい。
「えーでも、案外あのアバズレも浮気してたりしてwwなんせあいつ昔っから八方美人だから本命は総君でも、キープ君は他に何人でも作ってそ~」
「おや、それはご自分のお話ですか?もしそうじゃなかったら…。」
「ひぇっ!」
俺の悪評を好き勝手に垂れ流そうとするひなにも一旦腹は立ったが、そっちは巧斗さんが底知れぬ圧をかける事で、すぐにまた腰を抜かし、その場でまた漏らしていたので、あまりに無様すぎて怒りは湧かなかった。
同じ控室にいた人達も、
『え、愛野さん、昨日他のテニサーだかなんだかのβに告白しておいて、鷹崎君に四六時中ベッタリな癖に自分の事棚に上げすぎだよね?』
『ああやって、いつも自分の気に入らないライバル潰してきたんだろうね…。』
『シマ先輩も同じような手でやられたらしいよ?怖いよねぇ。』
等とこちらに都合よく話が広まっているので、ラッキーだった。
多分シマちゃんの噂話がここにも届いているのだろう。
(…………。でも、俺もいつも守ってもらってばかりも駄目だよな…。)
巧斗さんに止められた以上、それを無視して出しゃばって乗り込むわけにもいかないが、かといって巧斗さんに全部任せて引き下がるのも嫌だったので、どうしたものかとその場で考え込んでいると、総一郎とばちっと目があう。
すると、総一郎は目玉が飛び出そうとするくらいに思いっきり見開いて、その後引き攣った顔でズカズカとこちらに駆け寄ってきた。
(ひいっ!急になんだよ…。総一郎のそんな顔初めてみたぞ…。)
こちらに接近してくる総一郎に怯えるものの、すんでの所で巧斗さんが止めてくれたので一旦は胸を撫でおろす。
「!す…すずめ…?まさか、今の話聞いてっ…!」
「えっ…?今の話__?」
(って、ああ…。さっき巧斗さんが言ってた『こっ酷く裏切った癖に』って所の話か…。一応総一郎は、俺にひなとの婚約&浮気の事をバレてないと思っているらしいからな…。)
う~ん、もしここで聞いてなかったと言えば、何だかんだ丸め込んで、完全な決別とまではいかない気もするが…、ここで色々と揺さぶってみるのも面白そうだなぁ。
色々とつついて散々動揺させてコンテストに響いてくれれば御の字だ。
もういい加減こいつと交際しながらの復讐も嫌気がさしてきたし、なんならこの際別れる話になっても構わないしな。
「あっ、総一郎君が俺の事を裏切ってたって話?…総一郎君の事は信じていたつもりだけど…、もしかして何かやっちゃったの?……あっ!もしかして浮気とかだったりして?…ふふっ、なーんてね。総一郎君がそんな事をするわけないか!」
この機会を利用して揺さぶるだけ揺さぶって動揺させてやろうと画策しながら一番罪悪感(総一郎には無いかもしれないけど)を煽る方向で質問してみると____
なんと総一郎は目に一点の曇りもなく、
『浮気?あはは、まさか!そんな事しない無いじゃないか。僕はいつでも何があろうとすずめ一筋だからね。…裏切りって言うのはおそらくドレスの件だろう。まぁそれも濡れ衣なんだけどね?』
等と、堂々とまるで嘘をついていないかのように言ってのけて、今度はこちらが目が点になった。
いや、俺ハロウィンの日にお前がひなとHしているのをこの目で間近で見たんだけど、やっぱりこいつ、あれだけの仕打ちに罪悪感すら湧かないサイコパスだったのか……?
そして、控室の入り口で腰を抜かしている状態のひなに聞こえない程度の囁き声でそれを言うあたり、質が悪い。
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