107 / 124
106話 隠れた特技①
しおりを挟む
昼食から二時間ほど経った頃。テーブルに置かれた大皿には、真里亜先輩がデザートとして切ってくれたフルーツが並んでいる。
リンゴ、ブドウ、オレンジ、パイナップル、グレープフルーツ。これらが大輪の花のように盛り付けられていて、見た目からしてすでにおいしい。
肝心の味はと言うと、真里亜先輩が選んだだけあって文句なく美味。
「姫歌って見かけに寄らず怪力だから、リンゴを握り潰せそうだよね~」
「うふふ❤ できるわよ❤」
葵先輩が冗談っぽく発した言葉に、姫歌先輩があっさりとうなずく。
この細腕のどこにそんな力があるのか不思議だけど、いとも容易く二階によじ登るような人なので、驚きはしても仰天するほどのことではない。
「フレッシュジュースを作りたくなったら、姫歌にお願いしようかしら」
「いいですね」
真里亜先輩の意見に、すぐさま賛成する。
その時はぜひ、果物を絞り終えて果汁でべとべとになった手を舐め――いやいや、なんでもない。
「か、隠れた特技、だね」
「あーしもあるよ、隠れた特技!」
「あらあら❤ なにかしらぁ❤」
「めちゃくちゃ体が柔らかいんだよ~。ん、しょ……ほらねっ」
葵先輩は立ち上がってテーブルから少し離れ、見事なI字バランスを披露する。
「すっ、すごいです!」
天井から糸で吊っているかのようにピンと一直線に伸びていて、実に美しい。
柔軟性はもちろん、バランス感覚も並ではない。
「あとはね~、こんなこともできるよ」
葵先輩は姿勢を変えてその場で逆立ちすると、大きく開脚して足をぐにゃりと曲げ、顔の近くに持って行く。
軟体動物のような柔軟性を存分に発揮して、他にも思い付いた動きを次々と実践してくれた。
当然ながら誰にも真似できない芸当であり、私たちは席に着く葵先輩を盛大な拍手で称える。
続いてアリス先輩が、実は早口言葉が得意だと明かす。
とはいえ、この場で行うには必要な条件があって……。
リンゴ、ブドウ、オレンジ、パイナップル、グレープフルーツ。これらが大輪の花のように盛り付けられていて、見た目からしてすでにおいしい。
肝心の味はと言うと、真里亜先輩が選んだだけあって文句なく美味。
「姫歌って見かけに寄らず怪力だから、リンゴを握り潰せそうだよね~」
「うふふ❤ できるわよ❤」
葵先輩が冗談っぽく発した言葉に、姫歌先輩があっさりとうなずく。
この細腕のどこにそんな力があるのか不思議だけど、いとも容易く二階によじ登るような人なので、驚きはしても仰天するほどのことではない。
「フレッシュジュースを作りたくなったら、姫歌にお願いしようかしら」
「いいですね」
真里亜先輩の意見に、すぐさま賛成する。
その時はぜひ、果物を絞り終えて果汁でべとべとになった手を舐め――いやいや、なんでもない。
「か、隠れた特技、だね」
「あーしもあるよ、隠れた特技!」
「あらあら❤ なにかしらぁ❤」
「めちゃくちゃ体が柔らかいんだよ~。ん、しょ……ほらねっ」
葵先輩は立ち上がってテーブルから少し離れ、見事なI字バランスを披露する。
「すっ、すごいです!」
天井から糸で吊っているかのようにピンと一直線に伸びていて、実に美しい。
柔軟性はもちろん、バランス感覚も並ではない。
「あとはね~、こんなこともできるよ」
葵先輩は姿勢を変えてその場で逆立ちすると、大きく開脚して足をぐにゃりと曲げ、顔の近くに持って行く。
軟体動物のような柔軟性を存分に発揮して、他にも思い付いた動きを次々と実践してくれた。
当然ながら誰にも真似できない芸当であり、私たちは席に着く葵先輩を盛大な拍手で称える。
続いてアリス先輩が、実は早口言葉が得意だと明かす。
とはいえ、この場で行うには必要な条件があって……。
0
お気に入りに追加
338
あなたにおすすめの小説
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
私たち、博麗学園おしがまクラブ(非公認)です! 〜特大膀胱JKたちのおしがま記録〜
赤髪命
青春
街のはずれ、最寄り駅からも少し離れたところにある私立高校、博麗学園。そのある新入生のクラスのお嬢様・高橋玲菜、清楚で真面目・内海栞、人懐っこいギャル・宮内愛海の3人には、膀胱が同年代の女子に比べて非常に大きいという特徴があった。
これは、そんな学校で普段はトイレにほとんど行かない彼女たちの爆尿おしがまの記録。
友情あり、恋愛あり、おしがまあり、そしておもらしもあり!? そんなおしがまクラブのドタバタ青春小説!
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる