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105話 深夜にこっそり盗み聞き
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就寝してからどれほど経ったのだろう。
周囲からひそひそ声が聞こえ、眠りから覚める。
まだ夜中だよね……先輩たち、なに話してるのかな……。
「……で……なら……悠理の…………」
意識が薄れていく感覚に身を委ねていたら、不意に自分の名前が出たことにより眠気が霧散した。
話の内容が気になり、目をつむったまま聞き耳を立てる。
「わたしたち、悠理と出会えて本当によかったわね❤」
「うんうん、悠理がいない人生を想像するだけでゾッとするよ~」
「ゆ、悠理のおかげで、毎日が充実してて、い、いつも、幸せ」
「前は恋愛なんて興味なかったのに、悠理を好きになって価値観が一変したわ」
え……なに、これ……。
先輩たち、こんな風に、思ってくれて……。
「でもさ~、不満もあるよね」
不満っ!?
な、なんだろう。
聞きたいような、知るのが怖いような……。
「そうねぇ❤ 多分、わたしも同じことを考えてるわ❤」
「あ、アリスも、同じだと思う」
「きっとあたしも同じよ。葵が言いたいのって、悠理が優しすぎるってことじゃない?」
「そう、まさにそれだよっ。悠理ってば、自分のことよりあーしたちのことを優先して考えてくれてるんだもん」
「す、すごく、分かる」
「愛されてるって実感できて嬉しいけど、もっと自分本位に生きても罰は当たらないわよね❤」
いやいやいやいや、私はそんなに優しくない。
先輩たちが真に優しい人だから、私の態度を大幅に美化して捉えているだけだ。
「それと、あのかわいさは反則じゃないかしら」
「うふふ❤ あらゆる病の特効薬と言っても過言じゃないわねぇ❤」
「不意に見せてくれる笑顔とか、特にヤバいよね~」
「こ、心が、浄化される」
先輩たちにかわいいって言ってもらえた!
嬉しい! めちゃくちゃ嬉しい!
喜びが隠し切れず、口元が緩んでしまう。
さっきは感動のあまり涙が滝のように溢れたし、和室が真っ暗闇で助かった。
もうしばらく寝たフリを続けて、先輩たちの会話を盗み聞きさせてもらおう。
「ところで……わたしたち、この夏休み中に悠理と、その……え、エッチ、しちゃうのかしら❤」
っ!?
その単語が飛び出た瞬間、心臓がドクンッと跳ねた。
「で、できるなら、絶対に、し、したい」
「きっと悠理も望んでくれてるはず、と信じたいわね」
「その時が来たら、あーしたちがリードしてあげなきゃね~」
「そうね❤ 全員が初めてとはいえ、悠理は一人でわたしたち四人を相手にするんだもの❤ 負担は少しでも減らしてあげたいわ❤」
姫歌先輩の言葉に全員が同調し、私は先輩たちの温かな心遣いに胸がジーンと熱くなるのを感じた。
「ちなみに、みんなはやってみたいプレイとかある? あーしはおっぱい吸ったり、全身にキスしたいっ」
「あらあら❤ わたしはやっぱり、大切なところで触れ合いたいわねぇ❤」
「あたしは顔に座ってもらいたいわ。できれば、グリグリ擦り付ける感じで」
「あ、アリスは、お、お尻の穴、舐めてみたい」
し、刺激的すぎる……っ!
なまじ視界が閉ざされているために想像力が働き、行為に及んでいる姿が脳内に描き出される。
このままではいろいろとマズい。
先輩たちの気持ちも聞けたし、そろそろ盗み聞きを終えるとしよう。
羊が一匹、羊が二匹……。
私は一刻も早く眠りへ落ちるため、古典的な手段を行使する。
興奮しすぎてなかなか寝付けず、ようやく意識が薄れ始めた頃には、日常生活においてまず使わない桁数にまで到達していた。
周囲からひそひそ声が聞こえ、眠りから覚める。
まだ夜中だよね……先輩たち、なに話してるのかな……。
「……で……なら……悠理の…………」
意識が薄れていく感覚に身を委ねていたら、不意に自分の名前が出たことにより眠気が霧散した。
話の内容が気になり、目をつむったまま聞き耳を立てる。
「わたしたち、悠理と出会えて本当によかったわね❤」
「うんうん、悠理がいない人生を想像するだけでゾッとするよ~」
「ゆ、悠理のおかげで、毎日が充実してて、い、いつも、幸せ」
「前は恋愛なんて興味なかったのに、悠理を好きになって価値観が一変したわ」
え……なに、これ……。
先輩たち、こんな風に、思ってくれて……。
「でもさ~、不満もあるよね」
不満っ!?
な、なんだろう。
聞きたいような、知るのが怖いような……。
「そうねぇ❤ 多分、わたしも同じことを考えてるわ❤」
「あ、アリスも、同じだと思う」
「きっとあたしも同じよ。葵が言いたいのって、悠理が優しすぎるってことじゃない?」
「そう、まさにそれだよっ。悠理ってば、自分のことよりあーしたちのことを優先して考えてくれてるんだもん」
「す、すごく、分かる」
「愛されてるって実感できて嬉しいけど、もっと自分本位に生きても罰は当たらないわよね❤」
いやいやいやいや、私はそんなに優しくない。
先輩たちが真に優しい人だから、私の態度を大幅に美化して捉えているだけだ。
「それと、あのかわいさは反則じゃないかしら」
「うふふ❤ あらゆる病の特効薬と言っても過言じゃないわねぇ❤」
「不意に見せてくれる笑顔とか、特にヤバいよね~」
「こ、心が、浄化される」
先輩たちにかわいいって言ってもらえた!
嬉しい! めちゃくちゃ嬉しい!
喜びが隠し切れず、口元が緩んでしまう。
さっきは感動のあまり涙が滝のように溢れたし、和室が真っ暗闇で助かった。
もうしばらく寝たフリを続けて、先輩たちの会話を盗み聞きさせてもらおう。
「ところで……わたしたち、この夏休み中に悠理と、その……え、エッチ、しちゃうのかしら❤」
っ!?
その単語が飛び出た瞬間、心臓がドクンッと跳ねた。
「で、できるなら、絶対に、し、したい」
「きっと悠理も望んでくれてるはず、と信じたいわね」
「その時が来たら、あーしたちがリードしてあげなきゃね~」
「そうね❤ 全員が初めてとはいえ、悠理は一人でわたしたち四人を相手にするんだもの❤ 負担は少しでも減らしてあげたいわ❤」
姫歌先輩の言葉に全員が同調し、私は先輩たちの温かな心遣いに胸がジーンと熱くなるのを感じた。
「ちなみに、みんなはやってみたいプレイとかある? あーしはおっぱい吸ったり、全身にキスしたいっ」
「あらあら❤ わたしはやっぱり、大切なところで触れ合いたいわねぇ❤」
「あたしは顔に座ってもらいたいわ。できれば、グリグリ擦り付ける感じで」
「あ、アリスは、お、お尻の穴、舐めてみたい」
し、刺激的すぎる……っ!
なまじ視界が閉ざされているために想像力が働き、行為に及んでいる姿が脳内に描き出される。
このままではいろいろとマズい。
先輩たちの気持ちも聞けたし、そろそろ盗み聞きを終えるとしよう。
羊が一匹、羊が二匹……。
私は一刻も早く眠りへ落ちるため、古典的な手段を行使する。
興奮しすぎてなかなか寝付けず、ようやく意識が薄れ始めた頃には、日常生活においてまず使わない桁数にまで到達していた。
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