甘美な百合には裏がある

ありきた

文字の大きさ
上 下
103 / 124

102話 就寝前の戯れ

しおりを挟む
 並べられた布団の上で、各々自由な姿勢でくつろいでいる。
 今日は押入れの方から姫歌先輩、真里亜先輩、私、葵先輩、アリス先輩という順番だ。

「気付いたんだけど、今日って胸が大きい順に並んでるよね~」

 うつ伏せになってスマホをいじる葵先輩が、足をパタパタさせながらつぶやいた。
 確かにと納得しかけたものの、一つの疑問が浮かぶ。

「私より葵先輩の方がおっきくないですか?」

「み、見た感じだと、お、同じぐらい、だよね」

 と告げたのは、枕を抱きしめて体育座りするアリス先輩。

「実際に触って確かめればいいじゃない」

「うふふ❤ 真里亜の言う通りね❤」

 真里亜先輩と姫歌先輩が私のそばに近寄り、葵先輩はスマホを置いて体を起こし、アリス先輩も枕を手放してこちらに移動する。
 隣り合う私と葵先輩の前に、審査員である三人が横一列に並ぶ。

「それじゃ、さっそく揉ませてもらうわよ」

 言うが早いか、真里亜先輩がスッと両手を前に出す。
 右手が私の右胸を、左手が葵先輩の左胸を捉える。

「んっ」

 手のひらで乳房を軽く押し潰され、五本の指が不規則に動く。
 愛撫ではないはずなのに、恋人に胸を揉まれる喜びと快感が容赦なく襲い来る。

「悠理がエッチな声出してる~」

「し、仕方ないじゃないですか」

 とはいえ、嬌声を垂れ流すのも恥ずかしい。
 気を引き締めるとしよう。

「うーん……言い出しておいてなんだけど、触っただけじゃよく分からないわ」

 真里亜先輩は手を離しつつ、身も蓋もない結論を口にする。
 続く姫歌先輩とアリス先輩も、同様の意見だった。
 どうやら私と葵先輩のバストサイズは、限りなく近いらしい。
 だからと言って、自分の胸を揉んだところで葵先輩の胸を揉んだ気分を味わえるわけもなく。

「葵先輩、私にも触らせてください」

「うんっ、いいよ~。好きなだけ触って!」

 姿勢を変えて向き合う形になり、遠慮なく手を伸ばす。
 手のひらにちょうど収まる大きさ、柔らかさと弾力のバランスがほどよく、服越しでありながらその魅力が存分に伝わってくる。
 まさに癖になる感触。いつまでも触っていたい。
 むにむに、むにむに。

「ぅあっ――ちょっ、ちょっと待って! そ、そんなにされると……んくっ、はぁあぁぁあぁんっ!」

「へ? えっ?」

 慌て始めた葵先輩の体がビクンッと跳ね、崩れるように布団へ倒れ込む。
 突然のことで驚きはしたけど、さすがの私にもなにが起きたか理解できる。
 因果応報と言うべきか。この後、トロンとした表情のまま起き上がった葵先輩の手によって、私も同じ目に遭わされた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!

いーじーしっくす
青春
 赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。  しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。  その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。  証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。  そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。 深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。  拓真の想いは届くのか? それとも……。 「ねぇ、拓真。好きって言って?」 「嫌だよ」 「お墓っていくらかしら?」 「なんで!?」  純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

処理中です...