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75話 たまたま廊下で
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プリントを提出するために職員室へと赴いた、その帰り。
廊下を歩く葵先輩の姿を見かけ、後ろから駆け寄る。
「葵先輩っ」
部活以外で先輩たちと会う機会が少ないので、自然と声が明るく弾む。
「あっ、悠理だ~!」
私の声に気付いて振り向いた葵先輩が、あいさつ代わりに力強く抱きしめてくれた。突然のことで驚きつつも、せっかくなのでこちらからもギュッと抱きしめる。
人前で抱き合うのは大胆に思えるものの、この学校では割と頻繁に見かける光景だ。
他の生徒の邪魔にならないよう窓際に寄って、会話を続ける。
「こんなところで会うなんて珍しいよね。なにか用事?」
「職員室にプリントを出しに行ってたんです。本当は昨日出すはずだったんですけど、家に忘れてしまって」
忘れ物をしていなかったら今日ここで葵先輩と話せていないのだと思えば、昨日の自分に感謝せずにはいられない。決して褒められたことではないから、きちんと反省もしている。
「なるほど~。悠理がうっかりしてくれたおかげで、あーしたちはこうして話せてるってわけだね!」
「私もちょうど同じことを考えてました。今回ばかりは、プリントを忘れてよかったと思ってます」
「あははっ、先生に聞かれたら怒られちゃうよ~」
それから二言三言交わし、教室での様子を聞かせてもらっている最中にチャイムが鳴った。
ただでさえ短い休み時間、職員室で用事を済ませた後なのだから余裕がなくて当然だ。
放課後になるのが待ち遠しい。
廊下を歩く葵先輩の姿を見かけ、後ろから駆け寄る。
「葵先輩っ」
部活以外で先輩たちと会う機会が少ないので、自然と声が明るく弾む。
「あっ、悠理だ~!」
私の声に気付いて振り向いた葵先輩が、あいさつ代わりに力強く抱きしめてくれた。突然のことで驚きつつも、せっかくなのでこちらからもギュッと抱きしめる。
人前で抱き合うのは大胆に思えるものの、この学校では割と頻繁に見かける光景だ。
他の生徒の邪魔にならないよう窓際に寄って、会話を続ける。
「こんなところで会うなんて珍しいよね。なにか用事?」
「職員室にプリントを出しに行ってたんです。本当は昨日出すはずだったんですけど、家に忘れてしまって」
忘れ物をしていなかったら今日ここで葵先輩と話せていないのだと思えば、昨日の自分に感謝せずにはいられない。決して褒められたことではないから、きちんと反省もしている。
「なるほど~。悠理がうっかりしてくれたおかげで、あーしたちはこうして話せてるってわけだね!」
「私もちょうど同じことを考えてました。今回ばかりは、プリントを忘れてよかったと思ってます」
「あははっ、先生に聞かれたら怒られちゃうよ~」
それから二言三言交わし、教室での様子を聞かせてもらっている最中にチャイムが鳴った。
ただでさえ短い休み時間、職員室で用事を済ませた後なのだから余裕がなくて当然だ。
放課後になるのが待ち遠しい。
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