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38話 本気を出したら大変なことに②
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姫歌先輩と葵先輩がトロンとした表情を浮かべ、私を見つめている。
物欲しげな眼差しを背中に受けつつ、アリス先輩のところへ。
「アリス先輩、ちょっと立ってもらえますか?」
「う、うん、分かった」
テーブルから一歩離れたところで、アリス先輩と向き合う。
私は床に膝を着き、彼女のお腹に顔を埋めるようにして抱き着いた。
大きく息を吸って、アリス先輩の匂いで肺を満たす。
「く、臭く、ない?」
「いい匂いですよ。甘くて、爽やかで、嗅いでると幸せな気分になります」
嫌がられてはいないようなので、このまま続ける。
いつもアリス先輩が私のパンツや靴下を嗅ぐように、鼻を押し付けて深呼吸を繰り返す。
華奢なお腹の、ほどよいぷにぷに感を楽しむ。
攻めるつもりだったのに、すっかり病み付きになって自分自身を止められない。
頬ずりと深呼吸でアリス先輩のお腹を存分に楽しませてもらう。
さすがに姫歌先輩や葵先輩のときと同じようにはならないと思っていたけど、その予想は裏切られる。
アリス先輩は喘ぐような吐息を漏らしながら体を跳ねさせ、私の頭部を自分のお腹にギュッと抱き寄せた。
「お、お手洗い、い、行ってくる」
ホールドを解くや否や、急かされるように駆け出す。
尿意を我慢していたのだろうか。だとすれば、申し訳ないことをしてしまった。
「悠理が考えてること、多分ハズレよ。お腹だけで感じちゃったから、恥ずかしくて逃げたのよ」
どうやら表情に出てしまっていたらしい。
親切に教えてくれた真里亜先輩には感謝するけど、アリス先輩のためにも、いまの話は胸の内に留めておこう。
「真里亜先輩、お待たせしました」
「ふふっ、楽しみね。悠理にはこれまでにも、何度か腰砕けにされたわね。でも、今回はそう簡単にやられはしないわよ! 心の準備はしっかりできてるし、生半可な攻めは通用しないと思いなさい!」
真里亜先輩は勢いよくイスから立ち上がり、自信満々な笑みを浮かべて力強く言い放った。
***
「ぁぇ、んっ、うぁ、ぅ」
数分後。真里亜先輩は机に上体を投げ出し、年頃の女の子がしてはいけないような表情で、言葉にならない声を漏らしている。
ちょっと――いや、かなりやり過ぎたかもしれない。
ただ、断じてエッチなことはしていない。たまたま想定していた以上の反応を得られてしまっただけだ。
真里亜先輩の口元にハンカチを当て、よだれを拭う。
「うーん…………積極的なスキンシップって、難しいですね」
イスにもたれかかって、誰にともなくつぶやく。
姫歌先輩と葵先輩は普段通りの様子に戻り、先ほどトイレから帰ってきたアリス先輩はまだ顔が少し赤い。
真里亜先輩は、回復するまでもう少し時間がかかりそうだ。
「うふふ❤ 難しく考えなくてもいいのよぉ❤ 悠理の好きなようにしてくれれば、わたしたちにとってそれが一番嬉しいんだから❤」
「そーだよっ! 胸でもお尻でも、好きなように好きなだけ触っちゃってよ~」
「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります」
自分の想定と大幅に違う結末を迎えて頭を悩ませていると、姫歌先輩と葵先輩が慰めてくれた。
心にのしかかっていた重りが外されたような気がして、気持ちが楽になる。
ただ、安心していられる時間は少ない。
真里亜先輩が復活するのを見計らい、姫歌先輩たちはゆっくりと席を立ち、私の周りに集まる。
四人ともハァハァと息を荒げていて、本能的に貞操の危機を直感した。
貞操うんぬんは大げさだとしても、私も先輩たちと同じような姿を晒すことにはなるだろう。
「お、お手柔らかにお願いします」
この後、お母さんにはとても言えないような目に遭った。
物欲しげな眼差しを背中に受けつつ、アリス先輩のところへ。
「アリス先輩、ちょっと立ってもらえますか?」
「う、うん、分かった」
テーブルから一歩離れたところで、アリス先輩と向き合う。
私は床に膝を着き、彼女のお腹に顔を埋めるようにして抱き着いた。
大きく息を吸って、アリス先輩の匂いで肺を満たす。
「く、臭く、ない?」
「いい匂いですよ。甘くて、爽やかで、嗅いでると幸せな気分になります」
嫌がられてはいないようなので、このまま続ける。
いつもアリス先輩が私のパンツや靴下を嗅ぐように、鼻を押し付けて深呼吸を繰り返す。
華奢なお腹の、ほどよいぷにぷに感を楽しむ。
攻めるつもりだったのに、すっかり病み付きになって自分自身を止められない。
頬ずりと深呼吸でアリス先輩のお腹を存分に楽しませてもらう。
さすがに姫歌先輩や葵先輩のときと同じようにはならないと思っていたけど、その予想は裏切られる。
アリス先輩は喘ぐような吐息を漏らしながら体を跳ねさせ、私の頭部を自分のお腹にギュッと抱き寄せた。
「お、お手洗い、い、行ってくる」
ホールドを解くや否や、急かされるように駆け出す。
尿意を我慢していたのだろうか。だとすれば、申し訳ないことをしてしまった。
「悠理が考えてること、多分ハズレよ。お腹だけで感じちゃったから、恥ずかしくて逃げたのよ」
どうやら表情に出てしまっていたらしい。
親切に教えてくれた真里亜先輩には感謝するけど、アリス先輩のためにも、いまの話は胸の内に留めておこう。
「真里亜先輩、お待たせしました」
「ふふっ、楽しみね。悠理にはこれまでにも、何度か腰砕けにされたわね。でも、今回はそう簡単にやられはしないわよ! 心の準備はしっかりできてるし、生半可な攻めは通用しないと思いなさい!」
真里亜先輩は勢いよくイスから立ち上がり、自信満々な笑みを浮かべて力強く言い放った。
***
「ぁぇ、んっ、うぁ、ぅ」
数分後。真里亜先輩は机に上体を投げ出し、年頃の女の子がしてはいけないような表情で、言葉にならない声を漏らしている。
ちょっと――いや、かなりやり過ぎたかもしれない。
ただ、断じてエッチなことはしていない。たまたま想定していた以上の反応を得られてしまっただけだ。
真里亜先輩の口元にハンカチを当て、よだれを拭う。
「うーん…………積極的なスキンシップって、難しいですね」
イスにもたれかかって、誰にともなくつぶやく。
姫歌先輩と葵先輩は普段通りの様子に戻り、先ほどトイレから帰ってきたアリス先輩はまだ顔が少し赤い。
真里亜先輩は、回復するまでもう少し時間がかかりそうだ。
「うふふ❤ 難しく考えなくてもいいのよぉ❤ 悠理の好きなようにしてくれれば、わたしたちにとってそれが一番嬉しいんだから❤」
「そーだよっ! 胸でもお尻でも、好きなように好きなだけ触っちゃってよ~」
「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります」
自分の想定と大幅に違う結末を迎えて頭を悩ませていると、姫歌先輩と葵先輩が慰めてくれた。
心にのしかかっていた重りが外されたような気がして、気持ちが楽になる。
ただ、安心していられる時間は少ない。
真里亜先輩が復活するのを見計らい、姫歌先輩たちはゆっくりと席を立ち、私の周りに集まる。
四人ともハァハァと息を荒げていて、本能的に貞操の危機を直感した。
貞操うんぬんは大げさだとしても、私も先輩たちと同じような姿を晒すことにはなるだろう。
「お、お手柔らかにお願いします」
この後、お母さんにはとても言えないような目に遭った。
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