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204話 オフコラボで跳んだり落ちたり①
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今日はミミちゃんとのオフコラボ。
あたしの部屋に集まり、ジャンプで頂上を目指すゲームをプレイする予定だ。
ノートパソコンやマイク等の配信機材をローテーブルに置き、二人分のクッションを床に敷く。
さらに、楽しく配信するために必要なプラスアルファの準備も整っている。
「飲み物はお茶とジュース、お菓子は個包装の物をたくさん用意して、ティッシュとウェットティッシュもすぐ取れる場所に置いたし……うん、完璧っ」
「あとは時間が来るのを待つだけですね」
「めちゃくちゃ時間が余ってるわけでもないし、軽く触り合いっこでもする?」
「うーん…………………………いまは我慢します。夢中になって配信に遅刻しちゃったら、リスナーさんに申し訳ないですから」
深く考えずに提案した結果、思いのほか悩ませてしまった。
天井を見上げたり首を傾げたりしながら長考するミミちゃんの表情もまた愛らしい。
「分かった。じゃあ、配信が終わったらたくさんイチャイチャしようねっ」
「はいっ」
今度は即答だった。態度も表情も声色もなにもかもがかわいい。
あまりにかわいくて思わず飛び付きそうになったけど、ミミちゃんの我慢を無駄にしないために、頭の中で素数を数えて冷静さを保つ。
そうこうしているうちに数分が経過し、予定の時間になると同時に配信を開始する。
「こんユニ~! 今日はミミちゃんとオフコラボ! 頂上目指して飛び跳ねるよ~!」
「ユニコちゃんと一緒に頑張るので、応援よろしくお願いしますっ」
「一人プレイ用のゲームだから、一回失敗したら交代って形で進めていくね。まずはミミちゃん、よろしくっ」
リスナーさんへの説明を交えつつ、ワイヤレスマウスをミミちゃんに託す。
「わたしからでいいんですか?」
「もちろんっ。なんならクリアしちゃってもいいよ!」
「クリアできたら褒めてくださいね」
「任せてっ」
イチャイチャするのを後回しにした反動か、普段と比べてミミちゃんが積極的になっている。
『かわいい』というコメントが大量に流れ、『クリアできなくても褒めてあげて』といった旨のコメントも数多く目に入った。
「んっ、よいしょ……ひゃわっ!」
真剣な眼差しを画面に向けてプレイするミミちゃん。
慎重に動きつつ、思い切りが必要な際には躊躇せず進む。
危なげな場面で悲鳴が漏れると、あたしとリスナーさんたちは『悲鳴助かる』と感謝を示す。
一緒に配信している最中にもかかわらず、いまの気分は配信する側ではなく視聴する側に近くなっている。
コメントを拾いながら、リスナーさんたちと一緒にミミちゃんのプレイを楽しませてもらうとしよう。
あたしの部屋に集まり、ジャンプで頂上を目指すゲームをプレイする予定だ。
ノートパソコンやマイク等の配信機材をローテーブルに置き、二人分のクッションを床に敷く。
さらに、楽しく配信するために必要なプラスアルファの準備も整っている。
「飲み物はお茶とジュース、お菓子は個包装の物をたくさん用意して、ティッシュとウェットティッシュもすぐ取れる場所に置いたし……うん、完璧っ」
「あとは時間が来るのを待つだけですね」
「めちゃくちゃ時間が余ってるわけでもないし、軽く触り合いっこでもする?」
「うーん…………………………いまは我慢します。夢中になって配信に遅刻しちゃったら、リスナーさんに申し訳ないですから」
深く考えずに提案した結果、思いのほか悩ませてしまった。
天井を見上げたり首を傾げたりしながら長考するミミちゃんの表情もまた愛らしい。
「分かった。じゃあ、配信が終わったらたくさんイチャイチャしようねっ」
「はいっ」
今度は即答だった。態度も表情も声色もなにもかもがかわいい。
あまりにかわいくて思わず飛び付きそうになったけど、ミミちゃんの我慢を無駄にしないために、頭の中で素数を数えて冷静さを保つ。
そうこうしているうちに数分が経過し、予定の時間になると同時に配信を開始する。
「こんユニ~! 今日はミミちゃんとオフコラボ! 頂上目指して飛び跳ねるよ~!」
「ユニコちゃんと一緒に頑張るので、応援よろしくお願いしますっ」
「一人プレイ用のゲームだから、一回失敗したら交代って形で進めていくね。まずはミミちゃん、よろしくっ」
リスナーさんへの説明を交えつつ、ワイヤレスマウスをミミちゃんに託す。
「わたしからでいいんですか?」
「もちろんっ。なんならクリアしちゃってもいいよ!」
「クリアできたら褒めてくださいね」
「任せてっ」
イチャイチャするのを後回しにした反動か、普段と比べてミミちゃんが積極的になっている。
『かわいい』というコメントが大量に流れ、『クリアできなくても褒めてあげて』といった旨のコメントも数多く目に入った。
「んっ、よいしょ……ひゃわっ!」
真剣な眼差しを画面に向けてプレイするミミちゃん。
慎重に動きつつ、思い切りが必要な際には躊躇せず進む。
危なげな場面で悲鳴が漏れると、あたしとリスナーさんたちは『悲鳴助かる』と感謝を示す。
一緒に配信している最中にもかかわらず、いまの気分は配信する側ではなく視聴する側に近くなっている。
コメントを拾いながら、リスナーさんたちと一緒にミミちゃんのプレイを楽しませてもらうとしよう。
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