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171話 夏っぽい企画に向けて⑥
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「せ~のっ!」
あたしの掛け声に合わせ、みんなが一斉にプールへと飛び込んだ。
足元に見えていた水面はあっという間に頭上のものへと変わり、体は空気ではなく水に包まれる。
数秒ほど全身で水を感じたら、ゆっくり立ち上がって水上に顔を出す。
プールに飛び込むというレアイベントを経験した感想で盛り上がったのも束の間、あたしたちは水をかけ合ったり泳いだり潜ったり、それぞれが思い思いの行動を取った。
そして数分後、再び集合した際にエリナ先輩から一言。
「ところで、今日ってこんな感じで好きなように遊ぶだけでいいのかしら?」
「あっ、そうだった! 企画について考えないと!」
本番に備えて配信のテンションで話してもらってはいるものの、その肝心な本番についての話し合いがなに一つ進展していない。
まぁ、配信のテンションと言っても、過半数は普段と変わらないんだけど。
「いったんプールから上がって、ベンチに座りましょうか」
「そだねー」
ミミちゃんの提案に、シャテーニュ先輩がうなずく。
あたしを含め他のみんなも賛成し、場所をプールサイドのベンチへと移した。
「さてと、それじゃあ会議を始めるよ~! さっそく名案なんだけど、スイカ割りがいいと思う!」
「にゃるほど、普通のプールにゃら絶対にできないにゃ」
「それなら、ボクは公平を期すためにも魔法の使用を禁じる必要があるね」
とっさの思い付きで言ってみたものの、なかなかいい反応を貰えた。
割ったスイカを食べる時に食レポするのもいいし、ビニールシートを敷けば片付けは楽に済む。
さりげなく自分で名案って言っちゃったけど、本当に名案な気がしてきた。
「水中バレーも面白そうじゃないですか?」
「舞うってこと?」
「エリナ、多分違うよ。バレエじゃなくて、バレーボールの方だよー」
「ご、ごめんなさい、紛らわしかったですよね。シャテーニュ先輩の言う通り、バレーボールの方です」
「確かにそれも他のプールなら御法度だにゃ」
「まさに禁じられた遊び……」
「ミミちゃんさすが~! 名案だね!」
あたしは体を横に向け、隣に座るミミちゃんにガバッと抱き着いた。
「あっ、水着姿で抱き着くのってセーフ? センシティブじゃない?」
と、抱き着いたままみんなに問いかける。
「それぐらいならセーフだと思うわよ」
「てぇてぇにゃあ」
エリナ先輩とネココちゃんが続けて答え、シャテーニュ先輩とスノウちゃんはそれに同調してうなずく。
ミミちゃんは少し照れた様子で抱擁を受け入れてくれている。
「実はさりげなくおっぱい押し付けてるんだけど、配信の時は黙っておいた方がいいよね?」
「押し付けるほどないってバレてるから大丈夫だと思うよー」
「あるもん!」
「くっ、ボクがいながらユニコ先輩への魔法攻撃に気付けないなんて……っ」
「別に幻覚見てるわけでもないから!」
失礼なことを言われ、思わず熱くなってしまう。
この場で脱いで胸の膨らみを見せ付けてあげたいところだけど、さすがに慎みがなさすぎるからやめておこう。
「本題に戻るけど、第一候補は水中バレーってことでいいかな? スイカ割りは第二候補で、時間に余裕があればやるって感じで!」
「アタシは賛成よ」
「いいよー」
「はいっ」
「ネココもオッケーにゃ!」
「異議なし」
全員の賛成を得て、話は無事にまとまった。
企画の方向性が一気に定まり、ホッと一安心。
「それじゃあ、保留してたおっぱい談義を再開しよ~!」
これについては有無を言わさぬ勢いで却下された。
まぁ、せっかくプールに来てるんだし、おっぱい談義はまたの機会に持ち越しということで。
あたしの掛け声に合わせ、みんなが一斉にプールへと飛び込んだ。
足元に見えていた水面はあっという間に頭上のものへと変わり、体は空気ではなく水に包まれる。
数秒ほど全身で水を感じたら、ゆっくり立ち上がって水上に顔を出す。
プールに飛び込むというレアイベントを経験した感想で盛り上がったのも束の間、あたしたちは水をかけ合ったり泳いだり潜ったり、それぞれが思い思いの行動を取った。
そして数分後、再び集合した際にエリナ先輩から一言。
「ところで、今日ってこんな感じで好きなように遊ぶだけでいいのかしら?」
「あっ、そうだった! 企画について考えないと!」
本番に備えて配信のテンションで話してもらってはいるものの、その肝心な本番についての話し合いがなに一つ進展していない。
まぁ、配信のテンションと言っても、過半数は普段と変わらないんだけど。
「いったんプールから上がって、ベンチに座りましょうか」
「そだねー」
ミミちゃんの提案に、シャテーニュ先輩がうなずく。
あたしを含め他のみんなも賛成し、場所をプールサイドのベンチへと移した。
「さてと、それじゃあ会議を始めるよ~! さっそく名案なんだけど、スイカ割りがいいと思う!」
「にゃるほど、普通のプールにゃら絶対にできないにゃ」
「それなら、ボクは公平を期すためにも魔法の使用を禁じる必要があるね」
とっさの思い付きで言ってみたものの、なかなかいい反応を貰えた。
割ったスイカを食べる時に食レポするのもいいし、ビニールシートを敷けば片付けは楽に済む。
さりげなく自分で名案って言っちゃったけど、本当に名案な気がしてきた。
「水中バレーも面白そうじゃないですか?」
「舞うってこと?」
「エリナ、多分違うよ。バレエじゃなくて、バレーボールの方だよー」
「ご、ごめんなさい、紛らわしかったですよね。シャテーニュ先輩の言う通り、バレーボールの方です」
「確かにそれも他のプールなら御法度だにゃ」
「まさに禁じられた遊び……」
「ミミちゃんさすが~! 名案だね!」
あたしは体を横に向け、隣に座るミミちゃんにガバッと抱き着いた。
「あっ、水着姿で抱き着くのってセーフ? センシティブじゃない?」
と、抱き着いたままみんなに問いかける。
「それぐらいならセーフだと思うわよ」
「てぇてぇにゃあ」
エリナ先輩とネココちゃんが続けて答え、シャテーニュ先輩とスノウちゃんはそれに同調してうなずく。
ミミちゃんは少し照れた様子で抱擁を受け入れてくれている。
「実はさりげなくおっぱい押し付けてるんだけど、配信の時は黙っておいた方がいいよね?」
「押し付けるほどないってバレてるから大丈夫だと思うよー」
「あるもん!」
「くっ、ボクがいながらユニコ先輩への魔法攻撃に気付けないなんて……っ」
「別に幻覚見てるわけでもないから!」
失礼なことを言われ、思わず熱くなってしまう。
この場で脱いで胸の膨らみを見せ付けてあげたいところだけど、さすがに慎みがなさすぎるからやめておこう。
「本題に戻るけど、第一候補は水中バレーってことでいいかな? スイカ割りは第二候補で、時間に余裕があればやるって感じで!」
「アタシは賛成よ」
「いいよー」
「はいっ」
「ネココもオッケーにゃ!」
「異議なし」
全員の賛成を得て、話は無事にまとまった。
企画の方向性が一気に定まり、ホッと一安心。
「それじゃあ、保留してたおっぱい談義を再開しよ~!」
これについては有無を言わさぬ勢いで却下された。
まぁ、せっかくプールに来てるんだし、おっぱい談義はまたの機会に持ち越しということで。
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