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151話 久しぶりにアーカイブが消えた件

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 それは朝ごはんを食べた後、ソファでくつろぎながらミミちゃんとイチャイチャしていた時のこと。
 頬や首筋にキスをしたり体のいろんなところを触り合ったり、恋人同士の甘い時間を堪能していた最中。
 運営さんから、『昨日の晩酌配信はアーカイブを非公開にする』という旨の連絡が来た。

「思い当たる節はいろいろあるけど、やっぱり残念だよね」

 そして現在、あたしは朝の雑談配信でリスナーさんにアーカイブが消えた件について話している。
 非公開なので厳密には消えたわけじゃないけど、細かいことは気にしない。

『さすがに仕方ない』
『あれはセンシティブすぎた』

 リスナーさんからは今回の件について一切の疑問はなく、みんなが納得している様子だった。
 あたしやこの場にいないミミちゃんもそれについては同感で、思い返してみると確かにアーカイブとして残すにはいささか過激だったと認識している。
 まず、ファンアートを紹介する際に肌色成分強めなイラストを多く選びすぎてしまった。
 テンションが上がって『おっぱい! おっぱいおっぱい!』などと語彙力の欠片もない発言を繰り返したり、女子校ではそんなに珍しくないスキンシップだと言ってミミちゃんの胸を揉んだり、さっき自分でも言ったように思い当たる節はいろいろある。

「怖いのは、別に酔ってなかったってことだよね~。あははっ」

『笑うなw』
『アーカイブ非公開だけで済んでよかった』
『酔ってたらチャンネルごと消えてたかもね』

ちなみに今回の件で悪いのは主にあたしなので、ミミちゃんには本当に申し訳ない。

「さっきミミちゃんのおっぱい揉んでる時にいきなり運営さんから連絡来て、ほんとにビックリしちゃった」

『いまとんでもないこと言ったぞ』
『また揉んだの?』
『いいぞもっとやれ』
『てぇてぇ』
『こっちはユニコちゃんの発言にビックリしたよ』

「あっ、健全な揉み合いだから安心してねっ」

『健全な揉み合い?』
『なかなかのパワーワード』
『ユニコちゃん揉むほどないじゃん』
『一方的に揉んでるだけじゃない?』

「ん? ちょっと待って。なんか、あたしの胸が小さすぎて揉めないとか言われてない?」

 類似した内容のコメントが一気に流れて、否が応でも目に留まる。

『あっ』
『やべ』
『言ってないよ』
『真実は時に人を傷付ける』

「まったく、みんな分かってないな~。確かに一見すると平らに思えるかもしれないけど、ぱっと見じゃ分からない程度だとしても、ほんの僅かばかりの膨らみすらないってほどではないんだからね」

 やれやれと肩をすくめ、フッと鼻で笑いながら早口でまくし立てる。
 まぁ実際、真っ平らと言っても過言ではないけども。

『落ち着いてもろて』
『めちゃくちゃ早口だった』
『滑舌いいですね』

「さてと、そろそろキリがいいし、今回はこの辺りで終わろうかな。夜にゲーム配信するから、予定が合う人はぜひ見に来てね! また後でミミちゃんのおっぱいを揉もうと思います。それじゃ、おつユニ~!」

 開始から一時間経ったので、朝の配信はこれにて終了。
 夜の配信についての告知と、この後の予定をサラッと挟み、いつもの締めのあいさつを口にした。

『夜も見るよー』
『おつユニ~』
『え?』
『おつユニ』
『なんか変なこと言わなかった?』
『感想報告待ってます』

 配信がきちんと終了できているのを確認したあたしは、ミミちゃんの部屋に行ってしっかりと有言実行した。
 揉むだけでは済まなかった件については、あたしとミミちゃんしか知らない。
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