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105話 夏休みの一大企画!③
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調理台に集まったところで、まずは使用する食材の紹介を行う。
キッチン用ゴム手袋を装着し、食材をひとまとめにした大きなトレーからじゃがいもを一つ手に取ってカメラの前に置く。
「まずはこれ、大きすぎず小さすぎない中玉のじゃがいも!」
運営さんいわく、食材を購入する前にネットで野菜を選ぶポイントを調べてくれたらしい。
しかも運営サイドで集まって食事に行ったりもしているようで、てぇてぇエピソードの気配を感じる。
選ぶポイントについては細かく説明したいところだけど、今回は一部抜粋という形で使わせてもらう。
「続いて、赤みが濃く鮮やかなにんじん! そして、ずっしりと重いたまねぎ!」
さて、ここから先は先日の配信内で決まった食材だ。
進行役とはいえ、あたし一人で紹介してしまうのはコラボ配信としてもったいない。
「ここからは突発のコラボで話した時に決まった野菜だよ~! ということで、その野菜を推した本人に紹介してもらうね! 順番は自己紹介の時と同じく、エリナ先輩から!」
そう告げつつ、一歩下がってエリナ先輩にトレー前の場所を譲る。
数メートル離れたところに設置されているモニターには配信画面が映っており、コメント欄の様子もすぐに確認できる。
「アタシがリクエストしたのは、かぼちゃね。緑色が濃くて重量感があるわ。いまコメントで有識者が教えてくれたけど、収穫した後しばらく熟成させた方がおいしいらしいわよ」
「シャテーニュはこれ、トマトだよー。真っ赤に熟してて、皮にハリがあって、このまま食べても絶対おいしい」
「あたしはユニコーンとかけて、コーン! すぐに使えるように、スタッフさんが新鮮なトウモロコシを茹でて粒を丁寧に取り外してくれてるよ~!」
「わたしが推薦したのはオクラです。鮮やかな緑色で、産毛がしっかり残ってることが選ぶ際のポイントですね」
「ネココの一押しはズッキーニにゃんっ。表面に傷がなくて、皮がツヤツヤしてるにゃ!」
「闇の炎を思わせる鮮やかな紫紺色のナス……これこそボクが求めていた物だ」
闇の炎のところで一瞬みんなの頭に疑問符が浮かんだものの、とにかくメンバー発案の野菜は以上の六種類。
けど、まだ紹介は終わっていない。
みんなを代表して、進行役のあたしがトレーに残ったもう一種類の野菜をカメラの前に移動させる。
「そして、リスナーさんからの意見を参考にさせてもらって決めた食材――パプリカ! 手に持つと見た目のイメージより重みがあって、これは肉厚だって確信できるよ! 紹介が終わったから、いったん全部トレーに戻すね~」
みんなで協力して、迅速かつ丁寧に野菜を元の場所へ戻す。
「では、ケガと失敗に気を付けつつ、真面目に楽しく作っていこ~!」
キッチン用ゴム手袋を装着し、食材をひとまとめにした大きなトレーからじゃがいもを一つ手に取ってカメラの前に置く。
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運営さんいわく、食材を購入する前にネットで野菜を選ぶポイントを調べてくれたらしい。
しかも運営サイドで集まって食事に行ったりもしているようで、てぇてぇエピソードの気配を感じる。
選ぶポイントについては細かく説明したいところだけど、今回は一部抜粋という形で使わせてもらう。
「続いて、赤みが濃く鮮やかなにんじん! そして、ずっしりと重いたまねぎ!」
さて、ここから先は先日の配信内で決まった食材だ。
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「アタシがリクエストしたのは、かぼちゃね。緑色が濃くて重量感があるわ。いまコメントで有識者が教えてくれたけど、収穫した後しばらく熟成させた方がおいしいらしいわよ」
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みんなで協力して、迅速かつ丁寧に野菜を元の場所へ戻す。
「では、ケガと失敗に気を付けつつ、真面目に楽しく作っていこ~!」
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