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89話 三人で遊ぶ①
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今日はメンバー全員に共通する用事があり、朝から本社ビルへと足を運んだ。
待ち時間に全体コラボの件について軽く相談したところ、思っていたよりあっさりと、その内容が決まった。
対決企画で使ったスタジオにて、お料理配信をすることに。
調理器具の準備やカメラのセッティング、映り込み等の対策を運営さんがやってくれるということで、あたしたちは安心して料理に専念できる。
「お疲れ様でした~っ」
本来の用事もつつがなく終了し、昼過ぎにはビルを後にすることとなった。
せっかくだから、このまま全員で遊びに――というわけにはいかず、予定が入っているエリナ先輩とネココちゃんとスノウちゃんが帰路に着き、あたしとミミちゃんとシャテーニュ先輩は最寄りの定食屋さんへと足を運ぶ。
「ご飯食べた後、どこ行こっか?」
歩きながら訊ねると、シャテーニュ先輩が「ゲームセンターとかどう?」と答えてくれた。
あたしとミミちゃんもそれに賛同し、食後の目的地は近場のアミューズメント施設に決定。
「ユニコちゃんって、キッズプレート頼んでも普通に通りそうだよね」
定食屋さんで席に着いてメニュー表を開くや否や、対面に座るシャテーニュ先輩が冗談とは思えないトーンで言い放った。
「試しに注文してみますか?」
「さすがに無理だよっ」
他愛のないやり取りを交わしながら、あたしはハンバーグ定食、ミミちゃんはお刺身定食、シャテーニュ先輩はざるそばを注文する。
お値段以上のおいしさを堪能した後はアミューズメント施設へ赴き、食後の運動として階段を使って三階へと移動した。
このフロアにあるのは、主にクレーンゲームとレースゲーム、そしてリズムゲームだ。
「シャテーニュ先輩、あれで勝負しようよ!」
「いいよー」
ミミちゃんにいいところを見せようと、あたしは太鼓のゲームを指差して勇ましく勝負を挑んだ。
そして負けた。
「も、もう一回! あたしが勝つまでやる!」
「破産しちゃいますよ」
ミミちゃんからの容赦ないツッコミを受け、落ち着きを取り戻す。
お世辞にも惜しいとは言えない結果だったので、確かに勝つより先に所持金をすべて失うのは目に見えている。
「勝ち抜けってことで、次はユニコちゃんとミミちゃんで勝負しなよー」
シャテーニュ先輩にそう促され、今度はあたしとミミちゃんが並んで筐体の前に立つ。
「ユニコちゃん、勝たせてもらいますね」
「ふっふっふっ、それはどうかな」
「人のプレイ見るのってけっこう新鮮かも。二人とも頑張れー」
シャテーニュ先輩の応援を受けつつ、ゲームを開始する。
フルコンボは逃したもののどうにか勝利を収め、シャテーニュ先輩と交代。
懸命に太鼓を叩くミミちゃんの後ろ姿を舐め回すように見つつ、シャテーニュ先輩の洗練された動きに感動を覚える。
ほどほどのところで他のゲームに移るつもりが、気付けばこのゲームだけで千円以上使っていた。
待ち時間に全体コラボの件について軽く相談したところ、思っていたよりあっさりと、その内容が決まった。
対決企画で使ったスタジオにて、お料理配信をすることに。
調理器具の準備やカメラのセッティング、映り込み等の対策を運営さんがやってくれるということで、あたしたちは安心して料理に専念できる。
「お疲れ様でした~っ」
本来の用事もつつがなく終了し、昼過ぎにはビルを後にすることとなった。
せっかくだから、このまま全員で遊びに――というわけにはいかず、予定が入っているエリナ先輩とネココちゃんとスノウちゃんが帰路に着き、あたしとミミちゃんとシャテーニュ先輩は最寄りの定食屋さんへと足を運ぶ。
「ご飯食べた後、どこ行こっか?」
歩きながら訊ねると、シャテーニュ先輩が「ゲームセンターとかどう?」と答えてくれた。
あたしとミミちゃんもそれに賛同し、食後の目的地は近場のアミューズメント施設に決定。
「ユニコちゃんって、キッズプレート頼んでも普通に通りそうだよね」
定食屋さんで席に着いてメニュー表を開くや否や、対面に座るシャテーニュ先輩が冗談とは思えないトーンで言い放った。
「試しに注文してみますか?」
「さすがに無理だよっ」
他愛のないやり取りを交わしながら、あたしはハンバーグ定食、ミミちゃんはお刺身定食、シャテーニュ先輩はざるそばを注文する。
お値段以上のおいしさを堪能した後はアミューズメント施設へ赴き、食後の運動として階段を使って三階へと移動した。
このフロアにあるのは、主にクレーンゲームとレースゲーム、そしてリズムゲームだ。
「シャテーニュ先輩、あれで勝負しようよ!」
「いいよー」
ミミちゃんにいいところを見せようと、あたしは太鼓のゲームを指差して勇ましく勝負を挑んだ。
そして負けた。
「も、もう一回! あたしが勝つまでやる!」
「破産しちゃいますよ」
ミミちゃんからの容赦ないツッコミを受け、落ち着きを取り戻す。
お世辞にも惜しいとは言えない結果だったので、確かに勝つより先に所持金をすべて失うのは目に見えている。
「勝ち抜けってことで、次はユニコちゃんとミミちゃんで勝負しなよー」
シャテーニュ先輩にそう促され、今度はあたしとミミちゃんが並んで筐体の前に立つ。
「ユニコちゃん、勝たせてもらいますね」
「ふっふっふっ、それはどうかな」
「人のプレイ見るのってけっこう新鮮かも。二人とも頑張れー」
シャテーニュ先輩の応援を受けつつ、ゲームを開始する。
フルコンボは逃したもののどうにか勝利を収め、シャテーニュ先輩と交代。
懸命に太鼓を叩くミミちゃんの後ろ姿を舐め回すように見つつ、シャテーニュ先輩の洗練された動きに感動を覚える。
ほどほどのところで他のゲームに移るつもりが、気付けばこのゲームだけで千円以上使っていた。
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