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83話 1日目、ミミちゃんとオフコラボ!
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世間は夏休みシーズンに突入し、マンションから一歩外に出れば子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。
昔を思い出して懐かしい気持ちに浸り、わずかばかりの寂寥感を含む大人びた表情を浮かべる――という自分の姿がいまいち考えられない程度には、あたしの精神年齢は未だに成熟しきっていない。
「夏休みだ~! ミミちゃん、プール行こ!」
あたしが中学生になる頃にはすでにミミちゃんと恋仲であったため、夏の過ごし方はいまと大して変わらない。
違いがあるとすれば、ガールズパーティに加入してこのマンションに住み始めてから二人きりで過ごす時間が圧倒的に長くなり、イチャイチャする頻度と度合いが以前より格段に上がったことぐらいだ。
さて、それはそれとして。
紛れもない成人女性であるあたしはいま、小学生の頃に来ていたスクール水着に身を包んでいる。
コラボウィークの初日、待機画面で多くのリスナーさんたちが配信開始の瞬間を心待ちにしてくれている状況で、なぜこんな格好をしているのか。
当然ながら、血迷ったわけでも暑さにやられたわけでもなく、『夏休み気分を味わいながら配信したい!』という至極まっとうな理由がある。
「いまから配信ですよ。プールはまた今度行きましょう」
そう優しく言ってくれたミミちゃんは、残念ながら私服だ。
ミミちゃんも実家に幼少期のスク水が保管されていたものの、立派な大玉スイカが劣等感を抱くレベルの爆乳を抑え込むには力不足だった。
まぁ、未だに着れてるあたしの方が少数派だとは思うけど。
「は~い! それにしても、水着ってテンション上がるよね! ほらほらミミちゃん、これ見て! ふふっ、いますぐ襲いたくなっちゃった~?」
あたしはミミちゃんの隣に立ち、水着を少しずらして片方のおっぱいを露出させた。
悲しいことにほとんど平らな胸は少しも揺れないけど、代わりにピンク色の頂がしっかりと存在を主張している。
配信開始直前だというのに、我ながら大胆な誘惑行為に及んでしまった。
「ユニコちゃん、少し落ち着いてください」
冷静極まりない声音に、思わず硬直してしまう。
ふざけすぎちゃったかな……と反省しつつ、ミミちゃんのレアな声を聞けていい意味でゾクッとした。
水着を正し、自分の場所に座る。
「そういう気分になってしまいますから、配信の後でまたお願いします」
「ミミちゃん……!」
少し気恥ずかしそうにつぶやくミミちゃんを横から抱きしめ、ほっぺにチューしたり耳を舐めたり首筋にキスマークを付けたりしているうちに、配信開始の時間が訪れた。
「みんな、おはユニ~! コラボウィークの初日は、同期にして同居人のミミちゃんとのオフコラボ! 夏休みの思い出とか、夏休みっぽいことについて話すよ~!」
「みなさん、おはユニですっ。リスナーさんたちにもいろいろと質問させてもらう予定なので、答えられる範囲でコメントしてもらえると嬉しいですっ」
いつものあいさつをして、今回の趣旨を簡単に説明する。
『おはユニです!』
『おはユニ~』
『月曜の朝から二人の声を聞けるなんて幸せすぎる』
『待ってました』
「それじゃあさっそく、あたしたちの思い出について話させてもらおうかな~」
いろいろな思い出が頭に浮かぶ。
あたしとミミちゃんが、夏休みという期間にどのような出来事を体験してきたのか。
リスナーさんたちに話したいことは山ほどあるけど、初エッチについてはさすがに内緒だ。
「毎年必ず、家族ぐるみでプールに行ったよね!」
「そうですね、夏休み一番の楽しみだったと言っても過言ではないです」
「幼稚園児時代は水鉄砲で遊んだり、ビニールプールではしゃいだり」
「懐かしいです。縁側でスイカも食べましたし、絵に描いたような夏休みを満喫していましたね」
ミミちゃんの言う通り、他にもプールやお祭り、花火など、夏休みという言葉から連想するイベントは毎年一通り楽しんでいるし、それは今後も変わらない。
『てぇてぇ』
『他人の思い出話を聞いてこんなに心躍ったのは初めて』
『昔から仲よしだったんだね』
当時の様子を振り返りながら、あたしとミミちゃんは共通の思い出を一時間ほど話し続けた。
一つ一つの出来事から話が広がっていき、あっという間に時間が過ぎたように感じる。
「まだまだいろいろ話したいけど、とりあえずここで区切らせてもらうねっ。次はリスナーさんたちが話す番だよ~!」
「夏休みの思い出、ぜひコメントで教えてくださいっ」
夏休みに限定したとしてもミミちゃんとの思い出は無数にあるので、ある程度絞ったとしてもこの配信内では到底話しきることはできない。
夏休みに関する雑談配信は今日に限らず行うだろうから、何時間でも話し続けたい欲を堪えて、テンポよくコーナーを回していく。
事前にミミちゃんと打ち合わせしていた流れ通り、次はリスナーさんたちに語ってもらう番だ。
『友達と遊んでばっかりだった』
『ひたすらゲームしてた』
『習い事の記憶しかないかも』
『異世界に行って世界を救う……という妄想を毎日してた』
『おばあちゃんの家で歳が近い親戚と遊んでました』
『宿題やってます』
『窓を開けてセミが五匹ぐらい同時に飛び込んできたのはアラサーになったいまでも忘れられない』
『恋人ができた時のイメトレしてるうちに夏休みが終わってる』
あたしも身に覚えがあるようなことから予想外の体験などなど、一人ずつ詳しく聞かせてもらいたくなる内容がたくさん。
全員に反応できないことを申し訳なく思いつつ、目に付いたコメントにミミちゃんと二人で手短に触れる。
三十分ほどリスナーさんたちのことを教えてもらった後、次のコーナーへ。
「次は、夏休みっぽいことをひたすら挙げていこうのコーナーだよ! さぁみんな、どんどんコメント送ってね~!」
ちなみにコーナー名はいま考えた。
「夏休みと言えば、プールやお祭りのイメージが強いですよね」
「うんうんっ、異議なし! 住んでる地域によっては、プールと海で分かれたりするのかな?」
これも完全に個人差が出るので、みんなの意見が楽しみだ。
あたしとミミちゃんは海に行く機会がほとんどなかったから、泳いだり水で遊んだりする場所と言えばプールが真っ先に浮かぶけど、住んでいる場所が違えばそれが海や川、湖だった可能性もある。
『キャンプかなー』
『部活の合宿ですね』
『夏期講習』
『家で一日中ゲーム』
『宿題かな』
『友達と旅行』
『近所の海で素潜り』
『毎年暑さにやられる記憶しかない……』
『最終日に慌てて宿題を終わらせる』
『肝試し』
なるほどなるほど……と、思わず言葉を発するのも忘れてコメントを目で追ってしまう。
実はお料理配信や筋トレ耐久も候補に挙がっていたんだけど、ミミちゃんと相談して夏休みトークを選んで正解だった。
コラボウィーク初日、ミミちゃんとのオフコラボ。
朝から始まったこの配信は、おやつの時間まで続く長時間枠となった。
昔を思い出して懐かしい気持ちに浸り、わずかばかりの寂寥感を含む大人びた表情を浮かべる――という自分の姿がいまいち考えられない程度には、あたしの精神年齢は未だに成熟しきっていない。
「夏休みだ~! ミミちゃん、プール行こ!」
あたしが中学生になる頃にはすでにミミちゃんと恋仲であったため、夏の過ごし方はいまと大して変わらない。
違いがあるとすれば、ガールズパーティに加入してこのマンションに住み始めてから二人きりで過ごす時間が圧倒的に長くなり、イチャイチャする頻度と度合いが以前より格段に上がったことぐらいだ。
さて、それはそれとして。
紛れもない成人女性であるあたしはいま、小学生の頃に来ていたスクール水着に身を包んでいる。
コラボウィークの初日、待機画面で多くのリスナーさんたちが配信開始の瞬間を心待ちにしてくれている状況で、なぜこんな格好をしているのか。
当然ながら、血迷ったわけでも暑さにやられたわけでもなく、『夏休み気分を味わいながら配信したい!』という至極まっとうな理由がある。
「いまから配信ですよ。プールはまた今度行きましょう」
そう優しく言ってくれたミミちゃんは、残念ながら私服だ。
ミミちゃんも実家に幼少期のスク水が保管されていたものの、立派な大玉スイカが劣等感を抱くレベルの爆乳を抑え込むには力不足だった。
まぁ、未だに着れてるあたしの方が少数派だとは思うけど。
「は~い! それにしても、水着ってテンション上がるよね! ほらほらミミちゃん、これ見て! ふふっ、いますぐ襲いたくなっちゃった~?」
あたしはミミちゃんの隣に立ち、水着を少しずらして片方のおっぱいを露出させた。
悲しいことにほとんど平らな胸は少しも揺れないけど、代わりにピンク色の頂がしっかりと存在を主張している。
配信開始直前だというのに、我ながら大胆な誘惑行為に及んでしまった。
「ユニコちゃん、少し落ち着いてください」
冷静極まりない声音に、思わず硬直してしまう。
ふざけすぎちゃったかな……と反省しつつ、ミミちゃんのレアな声を聞けていい意味でゾクッとした。
水着を正し、自分の場所に座る。
「そういう気分になってしまいますから、配信の後でまたお願いします」
「ミミちゃん……!」
少し気恥ずかしそうにつぶやくミミちゃんを横から抱きしめ、ほっぺにチューしたり耳を舐めたり首筋にキスマークを付けたりしているうちに、配信開始の時間が訪れた。
「みんな、おはユニ~! コラボウィークの初日は、同期にして同居人のミミちゃんとのオフコラボ! 夏休みの思い出とか、夏休みっぽいことについて話すよ~!」
「みなさん、おはユニですっ。リスナーさんたちにもいろいろと質問させてもらう予定なので、答えられる範囲でコメントしてもらえると嬉しいですっ」
いつものあいさつをして、今回の趣旨を簡単に説明する。
『おはユニです!』
『おはユニ~』
『月曜の朝から二人の声を聞けるなんて幸せすぎる』
『待ってました』
「それじゃあさっそく、あたしたちの思い出について話させてもらおうかな~」
いろいろな思い出が頭に浮かぶ。
あたしとミミちゃんが、夏休みという期間にどのような出来事を体験してきたのか。
リスナーさんたちに話したいことは山ほどあるけど、初エッチについてはさすがに内緒だ。
「毎年必ず、家族ぐるみでプールに行ったよね!」
「そうですね、夏休み一番の楽しみだったと言っても過言ではないです」
「幼稚園児時代は水鉄砲で遊んだり、ビニールプールではしゃいだり」
「懐かしいです。縁側でスイカも食べましたし、絵に描いたような夏休みを満喫していましたね」
ミミちゃんの言う通り、他にもプールやお祭り、花火など、夏休みという言葉から連想するイベントは毎年一通り楽しんでいるし、それは今後も変わらない。
『てぇてぇ』
『他人の思い出話を聞いてこんなに心躍ったのは初めて』
『昔から仲よしだったんだね』
当時の様子を振り返りながら、あたしとミミちゃんは共通の思い出を一時間ほど話し続けた。
一つ一つの出来事から話が広がっていき、あっという間に時間が過ぎたように感じる。
「まだまだいろいろ話したいけど、とりあえずここで区切らせてもらうねっ。次はリスナーさんたちが話す番だよ~!」
「夏休みの思い出、ぜひコメントで教えてくださいっ」
夏休みに限定したとしてもミミちゃんとの思い出は無数にあるので、ある程度絞ったとしてもこの配信内では到底話しきることはできない。
夏休みに関する雑談配信は今日に限らず行うだろうから、何時間でも話し続けたい欲を堪えて、テンポよくコーナーを回していく。
事前にミミちゃんと打ち合わせしていた流れ通り、次はリスナーさんたちに語ってもらう番だ。
『友達と遊んでばっかりだった』
『ひたすらゲームしてた』
『習い事の記憶しかないかも』
『異世界に行って世界を救う……という妄想を毎日してた』
『おばあちゃんの家で歳が近い親戚と遊んでました』
『宿題やってます』
『窓を開けてセミが五匹ぐらい同時に飛び込んできたのはアラサーになったいまでも忘れられない』
『恋人ができた時のイメトレしてるうちに夏休みが終わってる』
あたしも身に覚えがあるようなことから予想外の体験などなど、一人ずつ詳しく聞かせてもらいたくなる内容がたくさん。
全員に反応できないことを申し訳なく思いつつ、目に付いたコメントにミミちゃんと二人で手短に触れる。
三十分ほどリスナーさんたちのことを教えてもらった後、次のコーナーへ。
「次は、夏休みっぽいことをひたすら挙げていこうのコーナーだよ! さぁみんな、どんどんコメント送ってね~!」
ちなみにコーナー名はいま考えた。
「夏休みと言えば、プールやお祭りのイメージが強いですよね」
「うんうんっ、異議なし! 住んでる地域によっては、プールと海で分かれたりするのかな?」
これも完全に個人差が出るので、みんなの意見が楽しみだ。
あたしとミミちゃんは海に行く機会がほとんどなかったから、泳いだり水で遊んだりする場所と言えばプールが真っ先に浮かぶけど、住んでいる場所が違えばそれが海や川、湖だった可能性もある。
『キャンプかなー』
『部活の合宿ですね』
『夏期講習』
『家で一日中ゲーム』
『宿題かな』
『友達と旅行』
『近所の海で素潜り』
『毎年暑さにやられる記憶しかない……』
『最終日に慌てて宿題を終わらせる』
『肝試し』
なるほどなるほど……と、思わず言葉を発するのも忘れてコメントを目で追ってしまう。
実はお料理配信や筋トレ耐久も候補に挙がっていたんだけど、ミミちゃんと相談して夏休みトークを選んで正解だった。
コラボウィーク初日、ミミちゃんとのオフコラボ。
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