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62話 一期生vs二期生⑦

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 あくまで個人的なイメージだけど、グラビアモデルは腋や胸を強調したポーズが多い気がする。
 とりあえず正座を崩す感じで腰を下ろし、手を首のあたりに添えて腕を上げ、腋をミミちゃんの方に見せるようなポーズを取ってみた。
 さらに色っぽさを演出するべく、体を少しくねらせてカーブを描く。

「えっと……誘惑している人、ですか?」

 恋人びいきで正解にしてあげたいけど、残念ながらブブーッというSEが鳴らされる。

「残念、答えはグラビアモデルだよ~」

「あっ、なるほど。すみません、もう少し慎重に答えるべきでした」

 ミミちゃんは正解を聞いて納得した様子だ。
 意外だと思われていないということは、あたしの表現がそれなりに的確だったということでもある。
 さて、一期生チームの方は……?

「んー……絵画のモデル?」

 シャテーニュ先輩はしばらく悩んだ後、自信なさげに答えを告げた。
 ブブーッ。
 ここで正解されていたらその時点で二期生チームの敗北が確定していたので、先輩たちには申し訳ないけど内心ホッとする。
 席に戻ったエリナ先輩によると、お題は『自由の女神』とのこと。
 続けて三問目に移り、ミミちゃんとシャテーニュ先輩にスタッフさんからお題の紙が渡される。
 二人は内容を確認した後、タイルカーペットが敷かれた場所へと移動した。

「今度は絶対に正解するからね!」

 一問目ではおっぱいにつられてしまったので、次は冷静かつ慎重に判断しなければ。
 と、一問目の時以上に意気込んでみたものの――

「分かった! 野球! 野球でしょ!」

 ボールを投げるような動作と、バットをスイングするような動作。
 ミミちゃんによる見事なまでに分かりやすいヒントによって、疑いの余地なく答えを導き出せた。

「正解です!」

 ミミちゃんの嬉しそうな声と、ピンポーンというSEが重なる。

「すっごく分かりやすかったよ~! ミミちゃんナイス!」

 席に戻ったミミちゃんを、労いの意味も込めてギュッと抱きしめる。
 スイングする動きだけならソフトボールの可能性もあるけど、投球フォームが野球のものだったので迷わず答えることができた。
 スイングの動作を追加することで選択肢からキャッチボールを消すことができたのも重要なポイントだ。
 まさにミミちゃんのファインプレー。

「えっ、これ……どっちかしら……」

 エリナ先輩があごに手を当て、悩ましげにつぶやく。
 シャテーニュ先輩が表しているのは、おそらくラケットを振る動作だ。
 答えは十中八九テニスかバドミントンだと思うけど、判断が難しい。
 類似した動きで言うなら、卓球という可能性も決してゼロではない。

「うーん……決めた! バドミントンよ!」

 ブブーッ。
 悩み抜いて選んだ答えは、残念ながら外れだった。

「まだまだだね。正解はテニスだよー」

 シャテーニュ先輩がサラッと某テニス漫画の主人公を彷彿とさせるセリフを挟んだことで、コメント欄がちょっとした盛り上がりを見せる。
 漫画のセリフを言ったりコメントで送ってもらったりするのって、けっこう楽しいよね。
 賛否が分かれるし限度もあるけど、あたしは大好き。
 三問目が終わり、両チームのポイントが並んだ。
 次の問題で二期生だけが正解すればその時点で決着だけど、逆もまたしかり。
 油断せずに行こう。
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