上 下
18 / 217

18話 すったもんだ

しおりを挟む
 平日の昼下がり。いつもより少しばかり気合を入れて掃除を頑張り、リビングのソファでミミちゃんと一緒に一息つく。

「ぷはーっ、今日もオレンジジュースがおいしい!」

 一仕事終えた後だから、ことさらにおいしく感じる。
 ちなみに、いま飲んでいるのは果汁百パーセントのオレンジジュースであり、大人の飲み物ではない。

「疲れた体に染み渡りますね」

 おそろいのコップに並々と注いだオレンジジュースを一気に飲み干し、ミミちゃんが口角を緩ませる。
 恋人の素敵な横顔に見惚れながら、この状況とまったく無関係な考えがあたしの脳裏に浮かんだ。

「ふと思ったんだけど……『すったもんだ』って言葉、なんかエッチじゃない?」

 いや、もう、ほんとに自分でもなんでこんなことを思ったのか分からない。
 分からないけど、一度ハッキリと意識してしまった以上、容易に忘れることもできず。
 黙っていればいいものを、ついポロッと口からこぼしてしまった。

「そ、そうですか?」

「だって、『すった』と『もんだ』だよ? 例えばあたしはいままで何度もミミちゃんのおっぱいを吸ったり揉んだりしてるわけだけど、『すったもんだ』ってそういう行為を連想させる言葉だと思わない?」

「思いませんよっ。だいたい、漢字が違うじゃないですか。意味も全然関係ないですし」

「それはそうなんだけど、言えば言うほどあたしの方が正しい気がしない? すったもんだ」

「気のせいです。そんなことより、ジュースのおかわり注いできますけど、ユニコちゃんもいりますか?」

「うん、お願いっ」

 ミミちゃんの厚意に甘えて、コップを手渡す。
 せっかくだから、配信でリスナーさんたちにも話してみようかな。
 もしかしたら共感してもらえるかもしれないし、別の発想をする人だっているかもしれない。
 もちろん、ミミちゃんのおっぱいを吸ったり揉んだりしたくだりは言わないけどね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...