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クリスマスが嫌い
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「え? ええーーーー? どうして俺が麗子さんとセックスしていたと思ったんだ?」
驚くジェイはあり得ないと言った風にベッドの上で頭を抱える。鈴子は涙目でフルフルと震えながらジェイの横に体育座りをしているのだ。
朝まで激しく交わった二人は、今日は休日だからと昼過ぎまで寝ていて、起きた後もベッドでダラダラとしていたのだ。しかしどうも不機嫌な鈴子の様子が気になったジェイが理由を聞き出すと、昨夜の麗子に施していた手彫りの最中に、二人でセックスをしていると思ったと言われ驚愕したのだった。
「麗子さんとヤル意味が無い! あの人を見てピクリと起ちもしなかった……」
「だって彼女の声が……。そういう時の声だったじゃない!」
「ああ……、あれはな……。そういう趣味の人なんだろう。今までも何度もそういう人を見たよ。俺は仕事だから何とも思わない」
真顔のジェイは嘘は言っていないようだが、納得のいかない鈴子はまだ言いたいことがあるようだ。
「だって、ジェイは私に彫りながらエッチなことするでしょ! そういうモノだと思うじゃない!」
鈴子の問いかけに口をあんぐりと開けたジェイは、鈴子に呆れたように告げるのだった。
「じゃあ、俺が彫る時はエッチなことを全員にするなら、男にもするって事か? やるかよ~! 俺がエッチなことをするのは鈴子だけだ。コイツが起つのも鈴子だけだ。わかったか?」
ボッと顔を耳まで赤くした鈴子は、小さな声で「……わかった」と呟くのだった。
「なあ、鈴子は『俺のモノ』なんだろ? 今から俺のモノを堪能したい……」
何故か大きく反り返ったジェイの男根が、ジェイの股の間から存在を主張している。朝まで散々鈴子を抱き潰したというのに、もう完全に回復しているソレは、次のラウンドを所望しているようだ。
「はあ? 朝まで散々……シタでしょ? もう、駄目……。ひゃん!」
鈴子をいとも簡単に抱き上げて、自身の男根の上にドスンと落としたジェイ。既に鈴子の蜜肉の中で蠢く肉棒は、中をグリグリと掻き混ぜていた。
「駄目と言われても、俺の鈴子だし……。もう入っちゃったしな。諦めて明日の朝まで楽しもう!」
鈴子は「いや~!」と叫んだが、直ぐに叫び声は嬌声に変わり、朝方までまたも抱き潰されるのだった。
「あ、環さん。ごめん、鈴子は体調悪くて今日は休むわ。え? ヤリ過ぎ? 違うって、そんなんじゃないよ……。参ったなあ」
ジェイに激しく抱かれすぎて起きられなかった鈴子は、火曜日は環の店に出勤できず、喘ぎすぎて声も出ない為に、ジェイが代わりに環に電話する羽目になったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「鈴子はスネークと来週のクリスマスはデートするの?」
奈菜は環の店で店番中の鈴子に話しかける。鈴子は「う~ん」と考えた後に口を開く。
「何も予定していないです。ジェイも何も言わないし……。家でケーキでも買って食べるくらいかな?」
すると奥から環がヒョイッと顔を出し、鈴子に何か言いたそうな顔をしていた。鈴子が「環さんどうしました?」と尋ねると、「うーん」と少し悩みながら口を開く。
「ジェイはな。クリスマスが苦手やねん。施設で育ったから、私らが思うようなクリスマスなんて無かったらしい。パーティーはあったらしいけど、アイツは施設が嫌いやったから楽しめへんかったんやろう。それに何か知らんが、クリスマスイブは頗る機嫌が悪い。ソレが原因で昔の女とも別れとった。理由は知らんねんけどな……」
それを聞いた鈴子は黙りこむ。クリスマスが嫌いなジェイに、「クリスマスよ!」なんて燥ごうものなら嫌われるかもしれないのだから。
「……買ったクリスマスプレゼントが無駄になったかな」
鈴子はぼそりと呟くのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
環の言っていた事は正しかったようで、クリスマスが近づく度に機嫌が悪くなるジェイ。明日がクリスマスイブなのだが、イライラ度がMAXに近く、今日は何度も煙草を吸っていた。吸い殻が灰皿の上に山になっているのを鈴子は心配そうに見つめる。
「鈴子ちゃん、気になると思うけど、アレは毎度のことやから気にせんときよ」
順平が鈴子に耳打ちするが、それを視界の隅で見たジェイが「鈴子に近づくな!」と声を上げるのだった。
「鈴子! こっちに来い! 俺の側に座ってろ!」
親友の順平にさえも威嚇するジェイは普通ではなく、何かがおかしいと鈴子は考える。少し考えた鈴子はジェイに提案をすることにした。
「ねえ、ジェイ……。明日は一緒に出かけない? イルミネーション見に行こうよ」
鈴子のいきなりの提案に「はあ?」と顔を歪めたジェイだったが、自分で誘いながら恥ずかしくなった鈴子の仕草が可愛く、思わず「行く……」と返事をしてしまうのだった。
「こりゃ、珍しい……」
その様子を少し離れた場所から見ていた順平は、少し安心したような顔をする。
「雪解けもそう遠くないかもしれんなあ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クリスマスイブはタトゥーショップは忙しい。理由は勿論、恋人同士が互いの名前を彫りに来るからなのだが、ジェイの機嫌がMAXに悪いので、接客は順平の仕事だった。
順平が受付で客の要望を聞き、それをジェイに伝えてジェイが機械で彫るのだ。客と会話を一切しないジェイは、機械的に仕事をこないしていく。順平だけでは手が足りないので、鈴子もかり出される始末だった。
「鈴子ちゃん! 消毒液が足らへん! 持ってきて」
「鈴子ちゃん、ちょっと電話に出てくれへん~!」
「鈴子ちゃ~ん! ジェイが休憩に出たまま戻らん~! 捕まえてきて!」
一日中走り回っている鈴子はヘトヘトだったが、寡黙に淡々と仕事をするジェイは色気があり、時々うっとりと見つめてしまう程であった。
「ねえ、店員さん。あの外人さんって彼女居るの? イブに働いているくらいだからフリーよね?」
彼氏が自分の名前の刺青を彫る為の立ち会いに来ていた女が鈴子に尋ねる。鈴子は目を大きく見開いて彼女を見つめた。
「え……? 彼氏さんが居るんですよね? そこで刺青彫ってる人でしょ?」
鈴子の様子を見てフッと鼻で笑う女は、得意げな顔で鈴子に告げるのだった。
「ああ……、あなたの様なモテなさそうな子には分からないわ。アレは勲章みたいなモノ。どれだけ私に捧げている男がいるかってやつ。私を愛しているなら名前を彫ってって。でも他にいい男がいれば直ぐに乗り換えるし」
舌舐めずりしながらジェイを見つめる女は「セクシーだし、いい身体」とジェイに微笑みかける。視線に気がついたジェイは女をチラッと見たが、氷のような冷めた目が、汚物を見るかのように女を見てスッと視線を逸らすのだった。
「いや~ん。冷たいのもそそる!」
鈴子は複雑な気持ちで女と男を交互に見る。彼女への愛の証しにと、痛い思いをして脂汗を垂らし刺青を彫る男。それを「自分の勲章」として軽く受け取る女。
「愛って何なんだろう……」
鈴子の呟きは鏡を見ながら化粧直しに忙しい女には聞こえないようだった。
驚くジェイはあり得ないと言った風にベッドの上で頭を抱える。鈴子は涙目でフルフルと震えながらジェイの横に体育座りをしているのだ。
朝まで激しく交わった二人は、今日は休日だからと昼過ぎまで寝ていて、起きた後もベッドでダラダラとしていたのだ。しかしどうも不機嫌な鈴子の様子が気になったジェイが理由を聞き出すと、昨夜の麗子に施していた手彫りの最中に、二人でセックスをしていると思ったと言われ驚愕したのだった。
「麗子さんとヤル意味が無い! あの人を見てピクリと起ちもしなかった……」
「だって彼女の声が……。そういう時の声だったじゃない!」
「ああ……、あれはな……。そういう趣味の人なんだろう。今までも何度もそういう人を見たよ。俺は仕事だから何とも思わない」
真顔のジェイは嘘は言っていないようだが、納得のいかない鈴子はまだ言いたいことがあるようだ。
「だって、ジェイは私に彫りながらエッチなことするでしょ! そういうモノだと思うじゃない!」
鈴子の問いかけに口をあんぐりと開けたジェイは、鈴子に呆れたように告げるのだった。
「じゃあ、俺が彫る時はエッチなことを全員にするなら、男にもするって事か? やるかよ~! 俺がエッチなことをするのは鈴子だけだ。コイツが起つのも鈴子だけだ。わかったか?」
ボッと顔を耳まで赤くした鈴子は、小さな声で「……わかった」と呟くのだった。
「なあ、鈴子は『俺のモノ』なんだろ? 今から俺のモノを堪能したい……」
何故か大きく反り返ったジェイの男根が、ジェイの股の間から存在を主張している。朝まで散々鈴子を抱き潰したというのに、もう完全に回復しているソレは、次のラウンドを所望しているようだ。
「はあ? 朝まで散々……シタでしょ? もう、駄目……。ひゃん!」
鈴子をいとも簡単に抱き上げて、自身の男根の上にドスンと落としたジェイ。既に鈴子の蜜肉の中で蠢く肉棒は、中をグリグリと掻き混ぜていた。
「駄目と言われても、俺の鈴子だし……。もう入っちゃったしな。諦めて明日の朝まで楽しもう!」
鈴子は「いや~!」と叫んだが、直ぐに叫び声は嬌声に変わり、朝方までまたも抱き潰されるのだった。
「あ、環さん。ごめん、鈴子は体調悪くて今日は休むわ。え? ヤリ過ぎ? 違うって、そんなんじゃないよ……。参ったなあ」
ジェイに激しく抱かれすぎて起きられなかった鈴子は、火曜日は環の店に出勤できず、喘ぎすぎて声も出ない為に、ジェイが代わりに環に電話する羽目になったのだった。
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「鈴子はスネークと来週のクリスマスはデートするの?」
奈菜は環の店で店番中の鈴子に話しかける。鈴子は「う~ん」と考えた後に口を開く。
「何も予定していないです。ジェイも何も言わないし……。家でケーキでも買って食べるくらいかな?」
すると奥から環がヒョイッと顔を出し、鈴子に何か言いたそうな顔をしていた。鈴子が「環さんどうしました?」と尋ねると、「うーん」と少し悩みながら口を開く。
「ジェイはな。クリスマスが苦手やねん。施設で育ったから、私らが思うようなクリスマスなんて無かったらしい。パーティーはあったらしいけど、アイツは施設が嫌いやったから楽しめへんかったんやろう。それに何か知らんが、クリスマスイブは頗る機嫌が悪い。ソレが原因で昔の女とも別れとった。理由は知らんねんけどな……」
それを聞いた鈴子は黙りこむ。クリスマスが嫌いなジェイに、「クリスマスよ!」なんて燥ごうものなら嫌われるかもしれないのだから。
「……買ったクリスマスプレゼントが無駄になったかな」
鈴子はぼそりと呟くのだった。
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環の言っていた事は正しかったようで、クリスマスが近づく度に機嫌が悪くなるジェイ。明日がクリスマスイブなのだが、イライラ度がMAXに近く、今日は何度も煙草を吸っていた。吸い殻が灰皿の上に山になっているのを鈴子は心配そうに見つめる。
「鈴子ちゃん、気になると思うけど、アレは毎度のことやから気にせんときよ」
順平が鈴子に耳打ちするが、それを視界の隅で見たジェイが「鈴子に近づくな!」と声を上げるのだった。
「鈴子! こっちに来い! 俺の側に座ってろ!」
親友の順平にさえも威嚇するジェイは普通ではなく、何かがおかしいと鈴子は考える。少し考えた鈴子はジェイに提案をすることにした。
「ねえ、ジェイ……。明日は一緒に出かけない? イルミネーション見に行こうよ」
鈴子のいきなりの提案に「はあ?」と顔を歪めたジェイだったが、自分で誘いながら恥ずかしくなった鈴子の仕草が可愛く、思わず「行く……」と返事をしてしまうのだった。
「こりゃ、珍しい……」
その様子を少し離れた場所から見ていた順平は、少し安心したような顔をする。
「雪解けもそう遠くないかもしれんなあ」
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クリスマスイブはタトゥーショップは忙しい。理由は勿論、恋人同士が互いの名前を彫りに来るからなのだが、ジェイの機嫌がMAXに悪いので、接客は順平の仕事だった。
順平が受付で客の要望を聞き、それをジェイに伝えてジェイが機械で彫るのだ。客と会話を一切しないジェイは、機械的に仕事をこないしていく。順平だけでは手が足りないので、鈴子もかり出される始末だった。
「鈴子ちゃん! 消毒液が足らへん! 持ってきて」
「鈴子ちゃん、ちょっと電話に出てくれへん~!」
「鈴子ちゃ~ん! ジェイが休憩に出たまま戻らん~! 捕まえてきて!」
一日中走り回っている鈴子はヘトヘトだったが、寡黙に淡々と仕事をするジェイは色気があり、時々うっとりと見つめてしまう程であった。
「ねえ、店員さん。あの外人さんって彼女居るの? イブに働いているくらいだからフリーよね?」
彼氏が自分の名前の刺青を彫る為の立ち会いに来ていた女が鈴子に尋ねる。鈴子は目を大きく見開いて彼女を見つめた。
「え……? 彼氏さんが居るんですよね? そこで刺青彫ってる人でしょ?」
鈴子の様子を見てフッと鼻で笑う女は、得意げな顔で鈴子に告げるのだった。
「ああ……、あなたの様なモテなさそうな子には分からないわ。アレは勲章みたいなモノ。どれだけ私に捧げている男がいるかってやつ。私を愛しているなら名前を彫ってって。でも他にいい男がいれば直ぐに乗り換えるし」
舌舐めずりしながらジェイを見つめる女は「セクシーだし、いい身体」とジェイに微笑みかける。視線に気がついたジェイは女をチラッと見たが、氷のような冷めた目が、汚物を見るかのように女を見てスッと視線を逸らすのだった。
「いや~ん。冷たいのもそそる!」
鈴子は複雑な気持ちで女と男を交互に見る。彼女への愛の証しにと、痛い思いをして脂汗を垂らし刺青を彫る男。それを「自分の勲章」として軽く受け取る女。
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