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32 初めてイッた?ドライでイッた?
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「これを蛇口に付ければ、そこから出てくるのはお湯になるの。でももう湯涌に貯まっているから、これを水に浸すと……」
パンダのキーチェーンマスコットを水の中に沈めたルーチェは、「いち、にい――」と数を数える。十を数えた所で中に手を沈めてパンダを掬い上げた。
「ああ、良い温度! さあ、入るわよ」
散々獣道を歩いてドロドロだったルーチェは、汗と土の匂いがする服を脱ぎ捨てて湯涌に入ろうとするが、先に裸になったディアマンテが湯涌に脚を入れていた。
バシャーという大きな音とともに、大量の湯が流れ出てしまう。その湯は排水溝から流れて瞬時に消えてしまった。
「あぁぁぁ! これって、ディアマンテが風呂から出たらちょびっとしか残らないってことよね……」
「そうだな。しかし心配するなマスター。一緒に入れば問題ない」
湯船の中に座って手招きするディアマンテを、「確信犯じゃない?」と疑うが、そんなことよりもスッキリとしたい欲望が勝つ。
「へ、変なことしないでよ……」
警戒しながら片足をゆっくりと湯船に沈めていくと、ディアマンテはなんだか観察するようにこちらを見ている。
「何よ……。じっと見て。エッチ!」
「俺のマスターは美しいなあと思っただけだ」
「はあ!」
恥ずかしさで顔を赤面させるルーチェは、身体を隠すために急いで湯船に沈む。しかしディアマンテの逞しい腕が伸びてきて、あっという間に身体を掴んで抱き寄せられた。
「……あぁ!」
ディアマンテの光る瞳が迫ってきたかと思うと、グッと抱きしめられ唇が塞がれる。浴室に響く水音と、それとは別の湿った甘い音が響く。長く太い舌が口内で生き物のように動き、粘膜を掬い取るようにしている。それに合わせて自然に舌を絡ませるルーチェは、すっかりとキスに馴れてしまったようだ。
舌を絡め合う上部と同じように手を絡ませ合う様子は、どこからどう見ても恋人同士の行為にしか見えない。
「マスター、ずっとこうしたかった……。アイツに触られて甘い匂いを纏っていたマスターを見て、理解できないモノが体内で沸き立っていたんだ。それは熱くて……、俺は燃えて消えるのじゃないかと思った」
「怒ったってこと……?」
「俺には感情がないと思っていたが、マスターが絡むと何かが身体の中で訴えかけてくるんだ。そう、今も別の……」
視線を落としたディアマンテのその先には、臍まで反り返った巨大な男根が水面から少し顔を出している。ビクッとしたルーチェは慌てて視線を逸らすが、何度もチラチラと男根を見てしまう。
「そんなに何度も見て、俺の股間に興味があるのか?」
「ない、ない! 興味なんてない!」
「触りたかったら触ってみればいい」
ルーチェの手をソッと握ったディアマンテは、その手をそのまま自分の股間の上に載せる。ルーチェは「ひゃぃっ」と声を上げるが、お湯の中のソレは少しだけ感触が緩和されるようだ。
「……ねえ、赤ちゃんが作れる訳ではないのに、どうしてこんな状態になるの?」
「俺にも分からない……。身体の奥底から沸き立つ何かがこれを自然と大きくする。マスターの裸を想像すれば、大概は直ぐに大きく――」
「わーーーー! いいから、もうそれ以上は言わない!」
湯船の中で触るディアマンテの下半身は、硬くて片手では掴めないほどに大きい。ルーチェは「大きい……」と呟きながら、少し上下に摩ってみる。
「んぅ……、ん!」
ディアマンテの口から吐息が漏れる。驚くルーチェは彼の顔を見ながら更に男根を上下に擦った。
「き、気持ちいいの?」
「んぁ! わ、分からない……。しかしそうやって擦られるのは嫌じゃない。んぁ……」
ルーチェはじつはコッソリと、ディアマンテが木材屋の同僚から貰った猥本を読んだ。その中に男性器を擦れば射精すると書かれてあったのを覚えている。
「ねえ、ゴーレムも射精するの……?」
「わ、わか……らない。しかし、何かが迫ってきている……」
「そうなの? (見たいかも……)」
手の動きを速めていくルーチェは、射精を見逃さないぞと男根に焦点を合わせる。その熱い視線を感じて更に悶え出すディアマンテは、「あぁぁぁ!」と声を上げてガクガクと震えだした。まるで何かが発射された様子だが、男根からは何も出ていない。それにまだ堅さを保ったままで反り返っている。
「ゴーレムは一晩中でも腰を振る」と言っていたダンバルドの言葉を思い出したルーチェは、ソッと男根から手を離して背中を向けて湯船で身体を洗い出す。
まだ生まれて初めての絶頂に震えているディアマンテは、薄らと開けた目でこちらを見ていた。
「ま、マスター。どうしてそんなに顔が赤いんだ? 発情して――」
「私はもう綺麗に洗ったから先に出る! ディアマンテはもっとゆっくりしていきなさいよ」
ディアマンテの言葉をかき消すように湯船から立ち上がったルーチェは、近くに置いてあったタオルを掴んで風呂場から慌てて出て行くのだった。
パンダのキーチェーンマスコットを水の中に沈めたルーチェは、「いち、にい――」と数を数える。十を数えた所で中に手を沈めてパンダを掬い上げた。
「ああ、良い温度! さあ、入るわよ」
散々獣道を歩いてドロドロだったルーチェは、汗と土の匂いがする服を脱ぎ捨てて湯涌に入ろうとするが、先に裸になったディアマンテが湯涌に脚を入れていた。
バシャーという大きな音とともに、大量の湯が流れ出てしまう。その湯は排水溝から流れて瞬時に消えてしまった。
「あぁぁぁ! これって、ディアマンテが風呂から出たらちょびっとしか残らないってことよね……」
「そうだな。しかし心配するなマスター。一緒に入れば問題ない」
湯船の中に座って手招きするディアマンテを、「確信犯じゃない?」と疑うが、そんなことよりもスッキリとしたい欲望が勝つ。
「へ、変なことしないでよ……」
警戒しながら片足をゆっくりと湯船に沈めていくと、ディアマンテはなんだか観察するようにこちらを見ている。
「何よ……。じっと見て。エッチ!」
「俺のマスターは美しいなあと思っただけだ」
「はあ!」
恥ずかしさで顔を赤面させるルーチェは、身体を隠すために急いで湯船に沈む。しかしディアマンテの逞しい腕が伸びてきて、あっという間に身体を掴んで抱き寄せられた。
「……あぁ!」
ディアマンテの光る瞳が迫ってきたかと思うと、グッと抱きしめられ唇が塞がれる。浴室に響く水音と、それとは別の湿った甘い音が響く。長く太い舌が口内で生き物のように動き、粘膜を掬い取るようにしている。それに合わせて自然に舌を絡ませるルーチェは、すっかりとキスに馴れてしまったようだ。
舌を絡め合う上部と同じように手を絡ませ合う様子は、どこからどう見ても恋人同士の行為にしか見えない。
「マスター、ずっとこうしたかった……。アイツに触られて甘い匂いを纏っていたマスターを見て、理解できないモノが体内で沸き立っていたんだ。それは熱くて……、俺は燃えて消えるのじゃないかと思った」
「怒ったってこと……?」
「俺には感情がないと思っていたが、マスターが絡むと何かが身体の中で訴えかけてくるんだ。そう、今も別の……」
視線を落としたディアマンテのその先には、臍まで反り返った巨大な男根が水面から少し顔を出している。ビクッとしたルーチェは慌てて視線を逸らすが、何度もチラチラと男根を見てしまう。
「そんなに何度も見て、俺の股間に興味があるのか?」
「ない、ない! 興味なんてない!」
「触りたかったら触ってみればいい」
ルーチェの手をソッと握ったディアマンテは、その手をそのまま自分の股間の上に載せる。ルーチェは「ひゃぃっ」と声を上げるが、お湯の中のソレは少しだけ感触が緩和されるようだ。
「……ねえ、赤ちゃんが作れる訳ではないのに、どうしてこんな状態になるの?」
「俺にも分からない……。身体の奥底から沸き立つ何かがこれを自然と大きくする。マスターの裸を想像すれば、大概は直ぐに大きく――」
「わーーーー! いいから、もうそれ以上は言わない!」
湯船の中で触るディアマンテの下半身は、硬くて片手では掴めないほどに大きい。ルーチェは「大きい……」と呟きながら、少し上下に摩ってみる。
「んぅ……、ん!」
ディアマンテの口から吐息が漏れる。驚くルーチェは彼の顔を見ながら更に男根を上下に擦った。
「き、気持ちいいの?」
「んぁ! わ、分からない……。しかしそうやって擦られるのは嫌じゃない。んぁ……」
ルーチェはじつはコッソリと、ディアマンテが木材屋の同僚から貰った猥本を読んだ。その中に男性器を擦れば射精すると書かれてあったのを覚えている。
「ねえ、ゴーレムも射精するの……?」
「わ、わか……らない。しかし、何かが迫ってきている……」
「そうなの? (見たいかも……)」
手の動きを速めていくルーチェは、射精を見逃さないぞと男根に焦点を合わせる。その熱い視線を感じて更に悶え出すディアマンテは、「あぁぁぁ!」と声を上げてガクガクと震えだした。まるで何かが発射された様子だが、男根からは何も出ていない。それにまだ堅さを保ったままで反り返っている。
「ゴーレムは一晩中でも腰を振る」と言っていたダンバルドの言葉を思い出したルーチェは、ソッと男根から手を離して背中を向けて湯船で身体を洗い出す。
まだ生まれて初めての絶頂に震えているディアマンテは、薄らと開けた目でこちらを見ていた。
「ま、マスター。どうしてそんなに顔が赤いんだ? 発情して――」
「私はもう綺麗に洗ったから先に出る! ディアマンテはもっとゆっくりしていきなさいよ」
ディアマンテの言葉をかき消すように湯船から立ち上がったルーチェは、近くに置いてあったタオルを掴んで風呂場から慌てて出て行くのだった。
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